子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

子育てについて(2)

2006-07-30 00:21:05 | 雑記
夏休みに子どもに読ませようと思い、今年95歳になる聖路加国際病院理事長の日野原重明先生の書いた「十歳のきみへ ー 九十五歳のわたしから」という本を買ってきました。

自分が10歳の頃にこのような本には興味を持たなかっただろうなと思っていましたが、案の定子どもは興味なく自分が読むことになりました。
おそらく著者はが託したメッセージは、子どもに対してであり、大人にはもう手遅れと思われているのかなと感じました。他人を思いやる持ち、家族の絆、自分のことだけでなく周りのことを知ろうとする想像力・・・など、今の大人達も改めて思い直さなければならないことが書かれています。

最近、親子の間での事件が多くなってきています。人間社会のなかの一番基本となる家族というもの自体が成り立たなくなってきているのかもしれません。事件は、その事件の当事者だけでなく今の日本社会全体に警鐘をならしているのではないでしょうか?

このような今、子育て・家族のことを考えるうえで参考になる本ではないかと思います。

ただいつも残念に思うのは、このような本に興味を持たない方にこそ読んで欲しいということです。

夏休み

2006-07-23 00:43:17 | 雑記
幼稚園や学校が夏休みに入りました。
子どもたちの集団での生活が少なくなり、風邪などの感染症は減ってくる時期です。

夏休みには自分が子どもの頃は、一日中外で遊んでいたように思います。
21世紀の森と広場(松戸に住んでいる方は知っていると思います)のあったところは、田んぼが広がり絶好の遊び場でした。
ただ、そのころより今の夏は暑くなったし、また子どもが自由に遊べる場所も減ってしまい、子どもの生活スタイルも大きく変わってしまい、子どもが自由に外で遊ぶには制限が多くなってしまいました。

昔は一般的に夏には屋外での活動(遊び)が増え、子どもの体重が減る時期と考えられていましたが、最近は空調のきいた屋内での活動が主体となり学校などに行っている時期よりも活動量が減り、さらに間食やジュース類を飲む機会が増えて体重増加してしまうことも少なくないようです。

長い休みの間に生活のリズムを崩さないよう家庭での自己管理が大切な時期でもあります。

熱中症

2006-07-17 22:44:56 | 病気
今日松戸は一日雨でしたが、ここ数日の暑さからは解放されました。

週に2~3回のランニングをしていますが、最近の暑さは運動する際には注意が必要です。
水分の補給を十分に行い、なによりも無理をしないことが大切です。

これからお出かけなど外での活動が多くなる時期、運動していなくても熱中症に対する注意をいつも心掛ける様にしましょう。
日中の暑い時間帯に長い時間屋外にいる時などは、運動しているいないに関わらず(特に乳幼児期のお子さん)熱中症に対する注意が必要です。水分をこまめに補給し、日陰など涼しいところで休憩をとるなど心掛けましょう。
水分補給は、運動などしているのでなければ通常は水やお茶で良いと思いますが、発汗が多い様ならスポーツ飲料などのイオン飲料を上手に利用するのも良いかと思います。
ただし、通常の日常的な水分補給は水で十分なのでイオン飲料やジュース類を飲む習慣をつけてしまわないよう気をつけて下さい。甘い味のついたものに慣れてしまい習慣化してしまうと虫歯や肥満などの問題に発展する可能性があります。

これからの時期、一日暑い所にいたので熱中症ではと発熱で外来を受診する方が多くなりますが、熱中症で高熱が出た場合は意識もはっきりせず非常に危険な状態ですので、普通に外来を受診できるような状態の時は風邪による発熱のことがほとんどと思われます。

また、熱中症と同時に紫外線(日焼け)に対する注意も怠らない様にしてください。
過度の日焼けはやけどと同じことですし、長期的な事を考えれば日焼けの蓄積が皮膚のシミやシワの主要因でありまた皮膚がんのリスクを増大させます。子どものころから紫外線(日焼け)に対する対処法を身につける習慣を作っていきたいものです。

あっ、と言う間に7月

2006-07-05 22:00:21 | 雑記
ちょっと油断していたら7月になってしまいました。

相変わらず夏かぜが流行っています。

沖縄や北海道ではインフルエンザが発生しているようですが、千葉県内でも散発的に報告がみられます。

なぜこの時期にインフルエンザと思いますが、例年6月~7月は夏かぜに代表される熱のかぜが多い時期で、その中の原因としてインフルエンザも以前からあったのかもしれません。最近になりどこの病院でも外来でインフルエンザの検査が行えるようになり、それが解るようになっただけなのかなとも思っています(あくまで個人的な見解ですが)。この時期の熱の原因としては夏かぜ(アデノウイルスやエンテロウイルスなどによるかぜ)が多いのには変わりなく、高熱のかぜを診察してもインフルエンザの検査は通常はしません。

また今年は、大流行にはなっていませんが麻疹が松戸市内でも発生しています。
麻疹は、予防接種のおかげでなじみの薄い感染症になりつつありますが、逆にそのことが麻疹に対する危機感をも薄れさせてしまったようにも感じます。周りで流行りだしてから慌てたり、なってしまってから後悔しないよう出来る時に忘れずに予防接種をしましょう。今年度から麻疹と風疹は混合ワクチンで1歳以上2歳未満と小学校就学前に2回接種するようになりました。
麻疹はみんなが予防接種を徹底することで根絶が可能な感染症の一つです。
まだ、接種対象年齢になって接種していない場合は早く接種をすませましょう。また、対象年齢以外の方(場合によっては1歳前でも)も、任意の接種(自費)は年齢にかかわらず受けることが可能ですので麻疹の接種をしていない方は接種をお勧めします。個人的なことですが、我が家の子どもたちはみな今回2回接種になる以前から麻疹は任意で2回目の接種をしています。また世界的には麻疹(多くは麻疹・風疹・おたふくかぜの混合ワクチン)の2回接種が標準です。