子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ゴールデンウィークの診療

2011-04-20 14:29:28 | 雑記
GWは、暦通り(日曜・祝日)休診となります。

クリニックの診療圏内で小規模なインフルエンザB型の流行がみられますが、
最近の外来は比較的落ち着いています。

花粉症は、スギ花粉は収束し、今はヒノキ花粉がピークで、収束の目処はGW明け頃ではないかと思います。

ポリオワクチン

2011-04-17 16:57:40 | 雑記
ポリオ生ワクチン接種後副反応としてのワクチンウイルスによる麻痺の発生などから、生ワクチンと不活化ワクチンについての質問をされる方が増えてきました。

結論からいえば、現状では生ワクチンの接種をしっかり受ける事をお勧めします。

ポリオ生ワクチンによる麻痺の発生は、最近になり新たに発生したものではなく、以前より「ワクチン関連麻痺 (vaccine-associated paralytic poliomyelitis;VAPP)」として一定の頻度で発生していたものです。

「ワクチン関連麻痺」は、ワクチン接種後に発生する場合と免疫を持たない方がワクチン接種した方から排泄されたワクチンウイルスに感染して発生する場合があり、発生頻度の報告に幅がありますが、200-300万回の接種で1例程度の発生と考えられています。

最近の日本の出生数が100万人強ですので、2回接種するので、1年間に1例程度の発生と推測されます。

この発生数をどうとらえるかは別として、原因が分かっているものをそのまましておくのは問題があり、日本では既に野生ウイルスによるポリオの発生もなくなっており、他の先進国と同様に生ワクチンから「ワクチン関連麻痺」がない不活化ワクチンに可能な限り速やかに移行する必要性に誰も異論はないところです。
それと同時に、ポリオワクチンの接種は、世界的ポリオウイルスの撲滅に向けて計画的に行われており、世界的にポリオウイルスが撲滅されるまでは、確実にワクチンによる免疫をつけておくことも重要となります。

現在日本でも、国産の不活化ワクチンによる治験が行われており、ここ数年以内には導入されると思われますが、今日本で承認された不活化ワクチンはありません。一部医療機関で行われている不活化ワクチンは、民間のワクチン輸入業社が輸入したもので行われています。
現状での不活化ワクチンの接種の問題点は、ワクチン自体の問題ではなく、「計4回の接種で必要で費用がかかる」「ポリオワクチン接種自体重篤な副反応はほとんどないとされていますが、万が一重篤な副反応が発生した場合に保証が受けられない」といったことがあげられます。
今回ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチン接種でも問題になりましたが、ワクチンと関係ない健康被害(有害事象)が接種後に発生した時に、その因果関係の調査など接種医療機関だけで責任をもって対処することはまず出来ないと思われ、副反応かどうかは別として接種後の有害事象(副反応と有害事象についてはクリニックホームページ参照)が発生しても、全て接種する保護者の責任で対処することとなってしまいます。

全ての子どもたちがワクチンで免疫を保ちつつ不活化ワクチン接種へ移行するまで、現状でより安心してワクチンを受けるには、国が責任をもって行う接種計画に沿って生ワクチン接種を受けることをお勧めします。

このような状況で、当クリニックでは当面、不活化ワクチン接種を行う予定はありません。

ワクチンの同時接種について

2011-04-03 23:16:44 | 雑記
ワクチン接種後の死亡事例の報告が重なり、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン接種の一時見合わせとなりましたが、ワクチン接種(同時接種)との因果関係はないとの判断から4月より接種が再開となりました。

このことで、ワクチン自体に対する不安と共にワクチン同時接種に対する不安が広がってしまったのではないかと危惧しています。

ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンは、リスクの高い乳児期早期(生後2ヶ月)からの接種開始が強く推奨され、多くの子どもたちが適切な時期の接種機会を逃してしまわないように、ワクチンの同時接種は欠かせません。接種時期が遅くなるだけ、子どもたちは感染のリスクにさらされることとなります。

その他ワクチンにつても、重要度には差があるかもしれませんが同様のことがいえると思います。

同時接種することで乳児期に何回も医療機関に出向く負担も軽減できます。
医療機関の立場からも、多くの子どもたちのワクチン接種を適切な時期に行うため(接種対応できる数にも限界があるため)同時接種は欠かせません。

今回、厚生労働省の専門家による検討会で、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・ワクチン同時接種の安全性に問題はないとの結果に多くの小児科医は当然の結果と考えています。

日本のワクチン行政には、まだまだ改善しなければならない問題が多くありますが、多くの子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために小児科医としてワクチン接種を積極的に行っていくつもりです。

麻しん風しん(MR)第2・3・4期接種

2011-04-03 23:06:42 | 雑記
4月1日より年度が変わり、新たにMRの第2・3・4期の対象者の接種が始まりました。

第2期は、来年小学校就学年齢の年長学年のお子さん。
第3期は、新中学1年生。
第4期は、高校3年生相当の年齢の方。

以上が対象者となります。

当クリニックでは、第3期、第4期対象者の方のワクチン接種は随時接種対応していますのでお問い合わせ下さい(当日の接種も可能です)。

第2期接種対象のお子さんは、通常どおり予約対応としていますので、事前に予約をお願いいたします。