子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

RSウイルス感染症

2013-11-20 18:48:50 | 雑記
ちまたはハロウィンが終わり、早くもクリスマスモードでしょうか。

例年に比べるとクリニックの診療は落ち着いている印象ですが、そんな中RSウイルスによる感染症が例年より多くなっています。

年長のお子さんや大人では、ちょっと咳のきつい風邪で終わってしまうような感染症ですが、乳幼児の初感染では喘鳴(呼吸がぜーぜーする)などの症状を来たし呼吸が苦しくなり、ひどくなると入院が必要になるような感染症です。

今まではRSウイルス自体まだ一般に認知されていませんでしたが、最近はインフルエンザの迅速検査と同じように鼻水での迅速検査が出来るようになり、だいぶRSウイルスという診断も知られるようになってきました。

0-1歳台で咳鼻水のひどい症状の時は注意が必要です。

インフルエンザには薬がありますが、残念ながらRSウイルスに対する薬はありませんので、自然の経過(自分の免疫力)で感染症が治まるのを症状(特に呼吸状態)に注意しながら待つことになります。
治るまでの間の症状を軽減するのに最も有効なことは、鼻水が滞らないよう鼻水を吸って取ってげることになります。
鼻水止めや咳止めは、鼻水や痰の排泄の妨げになるので百害あって一利もありません。

当クリニックでは、処方薬は去痰剤(痰の排泄を促す薬)のみで、後は状態に応じクリニックに来てもらい鼻水を吸って経過を診ていきます(必要なら毎日朝と夕方)。
それでも時々、残念ながら呼吸が苦しくなってしまい入院が必要になり松戸市立病院に紹介になってしまう場合もあります。

もうしばらくは流行が続きそうですので注意が必要です。