子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

自分の足で歩く(走る)ことの大切さ

2006-09-29 23:58:29 | 雑記
ランニングを始めて3年目になりました。最初は健康のためと思っていましたが、今は楽しく走っています。
走り始めて気がついたことがあるのですが、距離や時間の感覚が以前と変わってきました。大学の頃には登山をしていたので距離や時間の感覚はそれなりにあったと思うのですが、卒業して医者になり体を動かすことが少なくなって移動するにしても車を利用する事が多い生活に慣れてしまい忘れていた感覚です。
自分の足でどこまでどのぐらいの時間で行けるか?今までならつい車で行っていたような所へでも、自分の足で行くことが苦にならなくなりました。この感覚は、自分自身でおよその見当をつけて自分で計画する力を養う助けになるのではないかと思います。今の世の中は便利になりすぎて、それに頼りすぎてこのような感覚が鈍ってしまったのかと思います。そんな中で当たり前のように育っている子どもたちが少し心配になります。自分の子どもをみていても、友達との約束や時間を守るといったことが自分たちが子どもの頃よりおろそかになっているように感じる時があります。子どもたちが自分自身で時間など抽象的なことに見当をつけて物事を計画する力が弱くなっているのではと思う事があります。
まったく個人的な見解ですが、自分の足で歩く(走る)習慣が少しは助けになるのではと思う今日この頃です。

スキンケアー(保湿)のすすめ

2006-09-27 15:40:42 | 雑記
だいぶ涼しくなってきて、空気も乾燥してきました。
この乾燥に伴い、特にこれから冬にかけて手荒れ・皮膚の乾燥に対して注意が必要になってきます。

小児のアトピー性皮膚炎の有病率の調査において、秋に出生した小児において有病率が高率であることが確認されています。はっきりした理由は断定できていませんが、生後すぐ乾燥した時期に十分なスキンケアー対策をせずにいることが指摘され、そのために皮膚のバリア機能障害をきたし、そこからアトピー性皮膚炎の発症因子となる物質が侵入し、アトピー性皮膚炎素因を持つ場合にアトピー性皮膚炎を発症するのではないかとも考えられています。このことから、生まれた直後からのスキンケアー(保湿)がアトピー性皮膚炎発症予防に寄与する可能性が考えられています。

アトピー性皮膚炎に限らず、現在の生活様式(毎日の入浴、暖房などなど)は皮膚の乾燥をきたしやすく、乾燥肌でかゆみに悩まされる方も少なくないのではないでしょうか。

毎日のことで大変だとは思いますが、歯磨きなどと同様に、スキンケアー(保湿)も日常的な習慣として行える様に考えてみてはどうでしょうか。

インフルエンザ

2006-09-17 21:13:54 | 雑記
10月なるとインフルエンザワクチンの接種が始まります。

「インフルエンザワクチンを接種すればインフルエンザにみんな罹らない」という訳にはいきませんが、接種することでインフルエンザによる健康被害のリスクを減らすことが期待できます。詳しくは小児科ホームページを参照してください。

インフルエンザワクチン接種は、高齢者(65歳以上)が定期接種の対象となってから今まで予防接種をしていなかった診療科でも予防接種が行われるようになり、多くの医療機関で接種が受けられる様になりました。それとともに各施設ごとの費用の差に疑問をもたれる方も多いのではないでしょうか?

定期接種の対象者である高齢者の方は、各市町村ごとに自己負担額が一律(松戸市では1000円)に決められて受けることができますが、それ以外の方は各医療機関ごとの決められた費用で接種することになります。予防接種は保険診療ではありませんので、その価格は各医療機関がそれぞれ独自に決めることが出来ます。

ワクチン自体は製造メーカーが違っても基本的に全国的に同じものと考えてよく、医療機関への納入価格も大きく違う事はありません。各医療機関ごとに納入価格に、診察料・接種手技料・ワクチンの保管管理費用などを加えて価格が決められます。
診察・接種手技に対する報酬をいくらにするのか、保険診療で決められた診療報酬を参考に設定するのが常識的ではないかと思います。また、ワクチン保管は一定の温度範囲で保管しなければなりませんが、そのために当院では温度記録の可能な専用の冷蔵庫でワクチンを保管しワクチンの保管に十分注意しています。

価格だけではなく、安心して接種が受けられると言う事もどこで接種を受けるのかの判断材料として重要ではないかと思います。

もう秋

2006-09-13 15:32:51 | 雑記
9月も中旬になり今週は急に涼しくなりました。
8月中旬から9月の中旬にかけて、小児科は1年間で一番落ち着いている(暇?)な時期です。
なんとなく話題もないままブログも更新せず、ここまで来てしまいました。

最近少し多い感染症は、マイコプラズマによる肺炎です。
比較的元気なわりに熱が続き咳が多いといった時に疑う必要があります。
熱も、昼に下がるけれど夜になると上がってしまうというパターンが多いようです。
通常は学童期に多い感染症ですが、今年は幼児期の患者さんも多い印象があります。

これから冬に向けていろいろな風邪が増えてきます。
乳幼児ではRSウイルスによる風邪が増えてきます。
熱だけでなく咳、ゼーゼー(喘鳴)が特徴敵な症状で、呼吸器の症状のために入院が必要になることもあります。
大人も、かかると咳がなかなか治まらないことがあります。

ありふれたことですが、規則正しい生活と食事、手洗い・うがいなど予防に心掛けましょう。

また、風邪にかかってしまったら無理せず十分い休養をとり、同時に周りに人にうつさないよう十分注意しましょう。