子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

熱が高いから、、、

2009-03-16 23:49:28 | 雑記
当然のことなのですが、多くの方はお子さんの「熱の高さ」を病院にかかる目安にしていると思います。

しかし、熱が高いからといって必ず緊急性がある訳ではなく、反対に熱が高くなくても緊急性のあるものもあります。

私たち医療の立場では、熱は重要な症状ではありますが、あくまでその子の状態を判断する色々な症状所見の中一つでしかありません。

高熱で何か障害が起きるのでは?
特殊(希)な状態を除けば、熱が原因で障害が起こることはありません。

なので、熱以外の状態をみて変わったことがなければ特に熱がでてすぐに慌てる必要はありません。

ただ、熱が急に上がる時には機嫌が悪くなったり、頭痛や腹痛などを訴えたり、などがみられ心配になるとは思いますが、少し(1~2時間)様子をみて熱が上がり切ってしまうと結構状態が落ち着いてしまうものです。

慌てて病院を受診したら、病院に到着した頃には熱以外の訴えも落ち着いてしまい機嫌もよくなってしまった、といったこともあるのではないでしょうか?

発熱後すぐに受診しても、その後にいろいろな症状が出現してくることもあるので
、的確な診断をするためにも少し様子をみることも必要になります。

熱以外に嘔吐を繰り返す、咳がひどい、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、うとうとして様子がおかしい、けいれんを起こした、等の症状がある時には熱が高くなくてもすぐ受診する必要があります。

ただ、文章だけで伝えることは難しいことなので、自分で判断できない場合や心配な症状がある時には、病院を受診して診察を受けるようにしましょう。
何回か受診しているうちに、受診の加減も分ってくるのではないでしょうか。

「日本脳炎ワクチン」で思う事

2009-03-08 21:48:51 | 雑記
少し前に、新しい日本脳炎ワクチンが承認され、もうすぐそのワクチンでの接種が開始されるといった内容の新聞記事を目にしました。

平成17年5月に、「積極的接種推奨の差し控え」の通知が厚生労働省より出されてから、ほぼ4年が経過しようとしています。

この間、差し控えの通達が出されて以降現場に対して行政からは今後の具体的な予定や指導などはありませんでした。

特に、この間に定期接種対象年齢を過ぎてしまう子ども達をどうするのか(対象年齢を過ぎていても定期接種と同等に対応してくれるのか)、接種が途中で中断してしまった子ども達の今後の接種をどうするのか、など当然通知があってもよさそうですが、何もありませんでした。

そして、新しいワクチンが接種可能になるといっても、供給量が十分ではないので積極的接種は控えるよう指導するようなことが記事には書いてありました。

本来なら十分供給できる体制になっってから接種を再開するのが理想だとは思いますが、足りないなら足りないで、接種すべき対象者の順番などのガイドラインを提示するなり、前に述べたような対象者に対してどのように行政として対応していく予定なのかをはっきりさせてもらいたいと思います。

定期接種に4年間の空白を作った行政の責任は大きいと思います。


一方で、ワクチンを受ける側のみなさんにも落ち着いた行動をしてもらいたいと思います。
接種推奨の差し控えになった経緯はさておき、定期接種の対象年齢を過ぎてしまうということで、慌てて接種を希望する方が去年ぐらいから増えてきました。

今まで私の日本脳炎ワクチン接種に対するスタンスは、現行ワクチン自体の副反応の僅かな危険性を考えても、ワクチンの有用性を考えれば継続して接種してもよいと考えており、現行ワクチンが十分に供給されているころには、平成17年5月以降も接種した方が良いかと聞かれた時には接種を薦めていましたが、そのころには説明しても接種を控える方がほとんどでした。

それが、現行ワクチンの供給が十分でなくなってきたころから、対象年齢などの期限もあってか、接種希望される方が昨年夏ごろから増えてきて、逆にそのころには確実にワクチンを確保できなくなったため、接種は中止し新しいワクチンがでるまで待つ様にお話するようになりました。

ワクチン自体は、対象年齢を過ぎていても問題なく接種することができます。
ただ、行政が対象年齢を過ぎた場合に定期接種と同様に対応してくれるかが今のところ分りません。
一つは、費用の負担の問題、もう一つは、万が一副反応が発生した場合の対応の問題があります。
この点に関しては、今後の厚生労働省や地方自治体の通知を待つしかありませんが、被接種であるみなさんが行政に働きかける必要があるかもしれません。


海外に仕事や留学などで長期滞在した方は分るかもしれませんが、日本の予防接種行政や予防接種実施状況は、世界の中の最後進国で、悪い言い方ですがよく医療関係者の中では北朝鮮並みと言われています。

この様な状況を出来るだけ早く改善するには、行政任せにするのではなく、ワクチンを実際に受けるみなさんの予防接種に対する意識を高める必要もあるのではないかと思います。

B型インフルエンザ

2009-03-06 20:30:08 | 雑記
一旦終息に向かうかと思われたインフルエンザですが、2月後半から再び増加傾向に転じ現在に至っています。

当院の診療圏内では、ほとんどがB型インフルエンザです。

いきなり高熱と言う感じではなく、微熱だったり熱も上がったり下がったりと比較的症状が軽い印象の患者さんが多いように思います。

はっきりした症状(熱)がでてから、少し時間が経たないと(少なくとも6~8時間)検査しても検査の検出率は悪いので、熱がでたからといって慌てずに、熱以外に特に症状がなければ、お子さんの状態を良くみてあげて、少し経過を観察してから病院にかかるとよいと思います。

協力し合うということ

2009-03-01 21:50:19 | 雑記
最近の日本の政治の動向(報道など)を見ていると、
どうも何か基本的なことが間違っているように感じている方も多いのではないでしょうか?

内閣総理大臣やその他大臣の資質の問題や責任の重さを考えれば、色々な評価や非難をされるのは当然なことだとは思いますが、
多くの国民が選挙で投票して選んだ政党からさらに選ばれた人たちな訳ですから、もう少し何かみんなで知恵を出し合って協力して物事を良い方向に進めていくことはできないものでしょうか?
足の引っ張り合いや自分の地位の確保ばかり目につきます。

今の様な状況では、人や政党が変わっても同じ事の繰り返しで何も変わらないように思います。

国民も、政治を非難ばかりして、何かから逃避しているようにも感じます。


この様な状況を、子ども達も見ています。

国の代表となる人たちや我々自身がこのようでは、学校や社会で起きている子ども達の問題も良くなるとは思えません。

小学生が大人の真似をして「今の総理大臣はだめだね」などと言っているような社会は、あまり望ましい状況ではないと思います。

何か目標に向かって、協力し合うことも必要ではないかと思います。