子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

健康なからだづくり(1)

2010-06-06 19:05:29 | 健康なからだづくり
最近本屋に行くと「自然治癒力」「病気になりにくいからだづくり」などといった見出しの本や雑誌をよく目にします。

まぁ、中を見ると食事、運動、睡眠等についてごく当たり前の事が解説付きで書いてある訳ですが、この様な出版物が売れるのは、そのごく当たり前の事が現代社会では当たり前の事として通用しなくなって来ているためなのかと考えさせられます。

生き物として健康な状態を保つには、その生き物にとってできるだけ自然な状態でいることが基本になるのではないかと思います。
人間はいろいろな状況に適応するために、環境自体を変えながら現状に至ってきました。その過程で、生き物としての人間の自然の状態ということ自体が分らなくなってしまったように思います。

農業などでは、確実な収穫や作業の軽減を目的として農薬や化学肥料を使用してきた結果、長い年月を経て健全な作物の成育に必要な土壌環境などの悪化を招き、作物の病害や栄養価の低下など健全な作物の成育を妨げることとなり、土壌環境を改善するために有機的な栽培が見直されています。

我々人間も、生活習慣・食事・空気や水などなど、短期的にすぐ分るような悪い影響がなければ大丈夫というのではなく、子どものころから長い時間をかけて、場合によっては世代を越えてどのように影響がでてくるのか?
今まであまりにも無頓着だったのではないでしょうか。

「健康なからだづくり」に関して、回を分けて(不定期になると思いますが)考えて行きたいと思います。