子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ヒブ(Hib)ワクチンと肺炎球菌ワクチン

2010-03-30 08:05:51 | 雑記
一昨年登場した「ヒブ(Hib)ワクチン」と今年2月に登場した「肺炎球菌ワクチン」について、
「何か新しいワクチンができて周りで接種した子もいるようだけれど、、、
接種した方がよいのかどうかよく分らない」という方も多いように思います。

世界的には導入されてからヒブワクチンは約20年・肺炎球菌ワクチンは約10年の実績があり、その効果と安全性は十分の評価されているワクチンです。

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンは、それぞれヘモフィルスインフルエンザ菌b型・肺炎球菌による感染症を予防するためのワクチンで、どちらも重症の感染症として髄膜炎を起こす菌で、この2種類が細菌性髄膜炎の原因菌の約8割(ヒブ6割・肺炎球菌2割)を占めています。

肺炎球菌の方が割合として少ないのですが、肺炎球菌が原因の髄膜炎の方が症状が重く、死亡や後遺症の数としては、ヒブと肺炎球菌では同じぐらいの人数になってしまいます。

また、どちらの菌も抗生剤に耐性を持った菌が存在するので、ワクチンでの予防が大切になってきます。

どちらも乳児期の接種は複数回接種が必要で現在は任意の接種のため費用もかかるので負担が大きいため、出来るだけ早い時期に定期接種としてワクチン接種ができるようになることが望まれます。

現在私のクリニックでは、ヒブ1回6500円・肺炎球菌1回10500円で行っています。

肺炎球菌ワクチンは随時予約接種可能な状況ですが、ヒブワクチンについてはメーカーのワクチンからの供給不足の状態が続いており申し込んで頂いてから実際の接種まで正確な時期はお約束出来ない状況です。
最近になり多少ワクチンの供給に改善がみられますが、今申し込みで夏以降年内に出来るかどうかといった状況です。

接種のご相談・ご希望の方の予約などは、電話や来院時など対応していますのでお声掛け下さい。


診療報酬明細書の発行

2010-03-29 01:04:42 | 雑記
4月1日(診療所は7月1日)から原則として領収書とは別に診療の内容が記載された明細書の無料発行が義務化されました。

当クリニックでは4月1日から発行出来るよう準備をしています。

明細書には診察料や処方料の他に、検査や処置があればその内容とそれぞれについての診療点数が記載されることになるのですが、診療所で診察だけの場合には領収書と大きく変わらない内容ではないかと思います。

ただし診察料の中には、初再診料の他に、外来管理加算・特定疾患療養管理料など通常の診察のみで算定されている無形のものがあり、みなさんには何に対して請求されているか分かりにくいものあります。

疑問な点があれば問い合わせて頂くことになりますが、内容が分ってしまえば毎回同じ内容の明細書は必要ないのではないかとも思います。
明細書の必要性を感じなければ、必要ない旨を申し出て頂ければと思います(資源と業務の軽減になります)。



明細書の発行体制を整える為に、再診料に1点(10円)加算されますが、今まで会計の電算化に対して初診料に加算されていた3点(30円)は廃止されました。

蛇足ですが、4月1日より診療所の再診料は71点(710円)から69点(690円)に減額されます。
皆さんの窓口での支払いは、診療報酬点数(1点10円換算)の内の自己負担分(2~3割)となります。
松戸市で就学前のお子さんは、乳幼児医療助成制度により窓口支払いは0円または200円になっています。


黄砂

2010-03-23 02:57:31 | 雑記
少し前から、肉眼的に確認出来ない程度は飛来していたようですが、先日(21日)肉眼的に黄砂が確認されました。

黄砂による飛行機などの交通機関への影響がニュースなどになっていましたが、
以前にも書いたように、黄砂はただ単に砂だけが中国から飛んでくるのではなく、
大気汚染物質も一緒に運んで来る(越境汚染)ことが指摘されています。

このため、喘息の症状悪化や喘息とまではいかなくても咳嗽症状との関係が危惧されています。

すぎ花粉症との時期とも重なるため、花粉症症状の増悪との関係も否定できません。

黄砂についての観測状況は、黄砂情報提供ホームページなどで見ることができます。

最近の外来

2010-03-10 18:07:26 | 雑記
花粉症での受診が増えています、
今年は花粉の飛散量が少ないと言われていますが、ある程度以上飛散すれば多かろうが少なかろうが症状はでますで油断しないで下さい。

インフルエンザは、新型の流行も終息し季節性の流行もなく、今シーズンの流行は終わったようです。
ただ新型の流行がまたいつから始まるのか(例年どおり年末~冬期の流行に戻るのか、昨年の様に夏前から始まるのか)注意は必要だと思います。

ウイルス性胃腸炎の発生も続いていますが、一時期より減少傾向で、症状も軽症が多くなっています。

RSウイルス感染症の流行が年末より続いており、乳児で喘鳴や咳嗽症状を呈するお子さんが比較的目につきます。

小学生・幼稚園の年代のお子さんの溶連菌感染症が少し目立ちます。


現在、年長(今春入学)のお子さん・中学1年生・高校3年生で、麻しん風しん(MR)の予防接種(それぞれ2期・3期・4期)を済ましていない場合は接種期限が3月31日までですので、忘れずに接種をしましょう。