和英特許翻訳メモ

便利そうな表現、疑問、謎、その他メモ書き。思いつきで書いてます。
拾った用例は必ずしも典型例、模範例ではありません。

日航123便墜落事故陰謀論:ファンタジーに水を差す(6)

2024-08-16 00:39:22 | 日航123便

角田氏が13日夕刻から18日早朝に東京を出発し現場へ向かうまでに感じた疑問:

1)なぜ現場特定に15時間もかかるのか?レーダーで追い続けているはずで、自衛隊は優秀な機器を備えているはずだ。

2)同じ事故翌日13日の朝刊でありながら、なぜ航跡図が新聞によって異なるのか?東京新聞は伊豆半島通過後逆S字を描いて群馬・長野県境に向かっているが、日経は大島からほぼ一直線に現場へ向かっている。レーダーで追跡しているはずで、ソースは1つのはずだ。しかも図に用いられている墜落地点や方位マーク、字体、県境の線等は完全に一致している。新聞社が勝手に航跡を変えることなどあり得ない。

3)日航発表(13日朝刊)によれば事故機は18時41分にR5ドアの異常(「R5のドアがブロークン」)を自社(日本航空社用無線:COM)だけに通報している。なぜ事故の状態や操縦不能の具体的報告が自社だけなのか?

4)スコーク77(緊急信号)を発して民間航路を外れ32分も迷走しているのに、米軍も自衛隊も補足・誘導しないのか?56分に墜落後、5分で入間のファントムが基地を離陸しているのだから可能だったはず。高度が10000ft(3000m)まで下がり米軍横田基地へ10キロ、入間の自衛隊基地へ20キロに迫っているのに基地は傍観していただけというのは信じたくない。

5)R5ドアの異常は前記の日航発表では41分だが、後の運輸省発表では18:35となっている。なぜ6分もズレが?

6)R5ドア異常の報告が運輸省発表通り35分だとすると、それから46分の「このままでお願いします」まで一切交信に応えてない。この間大月上空で一回転し高度を大幅に下げているのに、なぜ高度の報告も着陸に関する交信も一切ないのか?(*1987年の最終報告書では羽田進入管制(APC)と交信している(36分「このままモニターしておいて」)

7)18時56分に墜落後、長野県側から具体的な現場の目撃報告があり、長野県は「現場は群馬側」と公式発表(12日23時30分)までしているのに、なぜ自衛隊や日航は翌朝3時、4時になっても長野県側の御座山や北相木村に人員を送り込み一晩中現場を捜すのか?

8)14日、テレビ中継を見ていると日航のつなぎ服を着た人員が現場で機体の調査をしている。まだ遺体の捜索の最中で警察が現場検証する前なのに、加害者かも知れない日航がなぜ事故現場を弄っているのか?また、同日14日、日航重役二人が集中治療室の落合氏に、事故調査委員会や警察をさしおいて面会し詳細な「証言」を得ている。上司でもない重役が周囲の遺族や関係者を尻目に救出後24時間も経たない重症の生存者に話をさせる日航の残酷さを感じ、不信と疑心を抱いた。

上記疑惑のうち3)の異常報告に関し、事故調の最終報告書(1987年6月19日)のCVR(コックピットボイスレコーダー)の筆記録によれば、事故機は「アンコントローラブル」とは複数回(28:35("But now uncontrol")、 45:46("Japan Air 123 uncontrollable")、47:19(「アンコントローラブル」)言っているが、油圧ロスに関してはまったく機外に報告していないのが確かに不可解。コックピット内では油圧ロスを認識しているのは明らか(25:19「プレッシャおっこった」、26:00「ハイドロプレッシャがおっこちてます」、27:47「ハイドロプレッシャオールロス」、47:16「ハイドロクオンティがオールロスしてきちゃったですからなあ」、すべて(FE))。

特にこの「オールロスしてきちゃったですからなあ」という、間の抜けたとも取れる言い方が気になる。47分と言えばもう最終局面近くで、27分に「オールロス」と分かっているなら「してきちゃった」などと悠長なことは言わないと思う(緊張を和らげるためか?)。この発言はこれまでの記事に貼った動画では聞き難いが、以下の動画ではっきり聞こえる(動画時間の6:30あたり)。

Japan Airlines Flight 123 Accident (12 Aug 1985) - Cockpit Voice Recorder [English Subbed]

乗員はオールロスと言ったが、イコール油が油圧配管および油圧装置内にまったく無い状態だったのか?車の運転中、燃料計がゼロを指して「ガス欠!」と言っても車がすぐ止まるわけではない。ボーイング747の操舵系は「フライバイワイヤ(ワイヤ=電線、すなわち電気信号による油圧の制御)」だそうで、機械的に操縦稈の動きが直接舵面に伝わる訳ではないらしく、油圧は必須らしい。また、配管がどこかで切断されれば油が多少残っていようとも「正常な動作に必要な」圧がかからなくなるだろうとは想像できるが、実際の挙動がどうなるかは実験しないと分からないのではないかという気もする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当ブログの例文について

本ブログの「特許英語散策」等題した部分では、英語の例文を管理人の独断と偏見で収集し、適宜訳文・訳語を記載しています。 訳文等は原則として対応日本語公報をそのまま写したものです。私個人のコメント部分は(大抵)”*”を付しています。 訳語は多数の翻訳者の長年の努力の結晶ですが、誤訳、転記ミスもあると思いますのでご注意ください。