前半は、ミクスチャーなロックをバックにタイトル通り「ノリ」で即興ダンス。後半は、山賀ざくろが登場して、女子制服姿で二人でなにやらはしゃぐ。山賀は二人で最初持っていたバトミントンラケットを置いて、赤いパンツだけになってほぼ全裸のベジャール状態で、踊る。全体が、なんか生煮え。即興というのは、実は振付よりも単調でスリルのないものになりがちなのだ。だいたい癖でからだが動くだけで、それ以上の意外な動きというのは出てこない。自己表現、以外の何ものでもなくなってしまうのだ、たいてい。自己から超越しようとして音楽で踊る(=ノリガール)ということなのかもしれないが、そうは問屋が。そもそも音楽と踊るというアイディアはなんら特別なことではない。特別なことと思うのは歴史を知らないからだ。2000年以降の日本のコンテンポラリー・ダンス史を振り返ってみても、塩澤典子なり、康本雅子なりを検討した上で、自分はこうやる、ということでなくちゃ、前進など無論のことどんどん後進するばかりではないか(二月の「超詳解!20世紀ダンス入門」の成果はまだ出ていないと言うことか!つーか、あのときダンサーの受講者が僅少だったのだ、、、残念)。山賀からもなにか浮ついた感じしか受け止められず、今回はどうしてもこれを見せたい、という強いものが見えてこない。いいのかこれで。会場の空気も何やら内輪のりが濃厚で、ダンサー同士でちゃんとだめ出しをし合っているのかなあ、と思ってしまう。なかよしこよし会?
最近ダンス公演を見に行くたび、切ない気持ちになる、悲しくなる。
(写真は、多磨美大生作品のつづき)
最近ダンス公演を見に行くたび、切ない気持ちになる、悲しくなる。
(写真は、多磨美大生作品のつづき)