Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

「日本画」という問題をダンスに照らしてみる

2005年04月19日 | Weblog
とどうなるのか。
なんてことを、今月号の『BT/美術手帖』の「特集 「日本画」ってなんだろう?」を手がかりにして考えてみている、ぶつぶつ。

この特集の見所は、自分の作品より大きい写真が掲載されている新進気鋭の日本画家松井冬子の美貌ではなく、山下裕二、内田あかり、会田誠による鼎談。ここでの、いわゆる「日本画」の描写(by会田+山下)が興味深い。

「若手の作家の中に、明暗表現というより、もっと逆光でギラッと光るような、フォトリアリズムに通じるような表現がたくさんあって、これは流行なんですかね。日本画の中では新しいという感じで受けているんでしょうけど……。いや上手いんだけど。」(会田 院展に出品された若手作家の作品について)

「上手いんだよ。だけど雪肌麻紙に厚塗りザラザラ、最近はデコボコも多いですよね。あの統制のとれ方っていうのはすごいわけ。やっぱり日本美術界最大の力をもった組織として平山郁夫を頂点に、百貨店の美術部というシマをおさえてね」「院展のの統制のとれ方って、ある意味みごとだとだと思う。親方がよしとする範囲はけっしてはみ出さずに」「子分たちの自主規制はすごいでしょ。題材の選び方から、技法的にここまでやっていいとかまで。」(山下 先の会田の発言を受けて)

「うんと端的に言ってしまえば、日本画は制度でしかない」(山下)「絵を見る一般の人も絵描きもそんな制度云々という面倒くさいこと考えてないですよ。」(内田)「たしかに無自覚にそれに属している人が大半だと思います。そういう意味では考えていない。だからダメなんですよ」(山下)

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