イラストゥ~ンの穴

旅するイラストレーターのスカンピン生活

版画カリカリ

2013-07-21 | 版画
きっちり研いだ彫刻刀で彫ることはエクスタシーを感じます。
木目に逆らって彫るのは、そこそこ切れる彫刻刀なら案外簡単ですが、
木目に沿って彫ろうとすると刃よりも少し先に木が割れていきます。
十分によく研ぐと木目に負けずシュパシュパ彫れて気持ちのいい事この上なし!

木目に直角に彫ると深く彫りすぎることが多く、
平行に彫ると木の抵抗が不快なので、
直角よりやや斜めに彫り進めるとカリカリと快感で
いつまでも同じ動作を繰り返していたくなります。
彫りが楽しすぎて、刷りが溜まっています。

仕上りの結果を見るが恐くて、いつまでも逃げていられる版画が好きです。
下絵を反転して版にトレースする時点で、失敗したらトレースの責任。
一本の線も2回に分けて作るから、内側の彫りと外側の彫り、
どちらかに責任のなすり付け合い。
刷るときにインクの濃淡、バレンの圧力でまたまた責任逃れができます。

いつまでも完成品を見たくない、過去の自分に責任を押し付けようって、
こんな気持ちでいいのかしらん。