イラストゥ~ンの穴

旅するイラストレーターのスカンピン生活

愛着はこうして作られる

2024-03-21 | TW200
昨年からお仕事でない諸々が忙しくてツーリングどころか、バイクに跨ることが少なくて心身ともに消耗しています。果たしてキャンプツーに出かけなかった年なんて過去あっただろうか。

出かけられないなら工作しましょう。まずはTW200のキー。鍵屋さんでスペアキーを製作しましたが、簡素で味気ないので持ち手部分に木材をサンドいたします。
材料はゴミとして捨てるには硬くて良い素材だなぁと確保していた、アジアのおみやげ的、竹風鈴的なパーツ。繊維が密集したとくに硬い部分を削り出し使います。



グラインダーで大まかに成形してヤスリでちゃちゃっと形を整えたら、カラーインクを染み込ませ、乾いたらペーパーでエイジング。再度カラーインクで着色して蜜蝋を塗りこんで完成です。
こんなことの積み重ねが自分だけの一品になるんですよね~

最近観た映画のラストシーンにあったセリフが頭をよぎります。
『人や物に愛着を抱いてしまうと 悲しい思いをすることもあるが それこそが生きている証なのだ』



こんにちはTW200

2024-01-03 | TW200
わーーーい、完成いたしました!!
キャブの調整に手間取りましたが、なんとか形になりました。

第一印象は、パンチのないエンジンにコーナーで粘っこいハンドリング。
パンチはないけどは高回転までよく回ってくれるので、いつの間にかスピードに乗ってる感じ。それに思った以上に低回転で粘るのでトコトコ走りもいけます。
ハンドリングは太いフロントタイヤのせいでやむなし。すぐに慣れる程度だが、思ったラインの一本外をトレースしてしまう。早く慣れよう!!



始動性は良いとはいえず、とくに冷間時はセルモーターがなかったら厳しいだろうなぁ。
よく言われる「ヘッドライトの暗さ」は別に気になりません。6VのKLに比べたらちゃんと明るいもの。
シフトの硬さやニュートラルの出にくさは、硬めのオイルの影響があるかも。
フロントブレーキが効かないってのも「最近のバイクに比べたら」で、全然効きます。
ちょっと驚いたのが、一速がかなり高めになってること。これだとトライアル的な使い方は難しそう。



ELECTRICのデカールは「最新の電動バイク」ってことじゃないよ!
まぎらわしいけど、おそらく「セルモーター装備」ってことだと思います。


近所の川原も余裕だよん!

次から次へと(2)

2023-12-21 | TW200
エンジンがかかって意気揚々と近所を試走していると・・・・・・不整爆発が連発! アイドリング時は問題ないがアクセルを開けると不均等に爆発してまともに走れなくなりました。こ、こ、これは「TWあるある」のCDIの故障かしら?


白線と緑線がピックアップコイル
赤線と茶線がCDIチャージ
ライトなど発電系は黄線と白線

純正品はまだ入手可能ですが、高価なのと同じ不具合が起きる可能性があることからデイトナのプログレスCDIに交換してみました。万が一を考慮して純正ハーネス側は加工せず、CDIにつながる追加ハーネスを作成しました。

不正爆発はあっさり解消、しばらくはこちらで様子を見てみます。

次から次へと(1)

2023-12-08 | TW200
さあ、すべての準備完了。
いざ始動!! と思ったら、爆発しない・・・

おやおや?? プラグに火花が飛んでない。プラグは新品、イグニッションコイルは正常、始動時バッテリーは関係ないはずだけど・・・

メインハーネスは以前すべて通電チェックしましたが、何年も前の話なので取り外して再度の点検。それでもやっぱり異常なし。
ということはエンジン左側の発電系かぁ。オイルを潤滑させたばかりなので、開けるの面倒くさいなぁ・・・腰が重い。
文章にすると一瞬ですが、原因究明に数日、寝ても覚めても頭の中には配線図が浮かんでおりました。


エンジン左側カバーを開けると案の定ピックアップコイルからの配線をはさんで一本を完全に切断していました。んもー俺のバカ!

完成間近まじか(2)

2023-12-04 | TW200
2JLの魅力のひとつである強制開閉のキャブレターY24Pです。高地補正機能の赤ポッチが誇らしい! 4ストでの強制開閉ははじめてです。
ピストンバルブの張り付き対策としての安全面を考慮したのだろうけど、2本引きワイヤーに加えてバネがやたらに強くて、アクセルが重い。アクセルが重いだけでツーリングも疲れちゃうんだよなぁ。
キャブの実油面はボディの合せ面から下に5.5~6.5ミリなので6ミリに合わせます。ドレンに透明パイプが取りつけられる親切設計キャブ。


古いシートは分解、表皮の型取りをしてオリジナルカラーの表皮で縫製します。青い表皮のPeace craftさんで製作された純正に近いシートは予備として保管。

「あんこ抜き」されていてボロボロのスポンジを再使用して純正よりもハイシートに改造していきます。簡単だろうと高をくくっていましたが、これがなかなかの難題で悩みました。
純正ウレタンよりもかなり柔らかいチップクッションでいくらかさ増ししても、座ってみると潰れてしまい効果が少ない。
硬すぎるかなと思えるスポンジゴムで下側をかさ増ししてみるといい感触だったので、ガンガン積み重ねました。外見は純正よりも少しハイ、座ると沈み込まないのでかなり高く感じます。

完成間近まじか(1)

2023-11-29 | TW200
バイクの顔フューエルタンクはオリジナルデザインです。純正のかたちで完成させないというのは初めてかも…むかしのTT500のタンクデザインをベースにして、全体に合うようにまとめてみました。丸っこいTT500のタンクデザインを角いTWに落とし込むのには、かなり無理がありましたけどネ。カッティングシートは手切り、ヤマハは直線が多いので楽ちんです。


ハンドルブレースのパッド。たかがカバーですが、買おうとすると結構なお値段なので、ビニールコーティングされている生地から作ります。イライラしたときにはリサ・ラーソンのマイキーを見て癒される仕組みです。

TWさんの組み立ても佳境に!

2023-08-01 | TW200
部屋がバラしたパーツであふれてきたので、そろそろ組み立てに入りますヨ。
ダイヤモンドフレームはエンジンに被せるだけなので装着は簡単。
何より先にフレームに入れておかなければならないのが1.8キロもあるエアクリーナー/バッテリーボックスです。
汗だくでタイヤを組み込むと、子供がはじめて立ったときのような感動に嫁さんと拍手の嵐でした。
もう毎度毎度ですが、今がもっとも美しいバイクの姿だと思います。



エンジンはバイクだ!

2023-07-28 | TW200
バイクの個性は何によって決まるかというと、フレームやキャスター角、タイヤ、ホイールベースなんか色々あってそれらの総合なんですけど、何かひとつといったらやっぱりエンジンですよね。
XT125のエンジンを196㏄まで大きくしたのがXT200、このエンジンは後のセローまで引き継がれる息の長いエンジンです。

腰下はクラッチ以外は触っていませんが、腰上は新品のようにして組みなおしました。毎回思うのは、指では押すことができないほど強力なスプリングが組み込まれたバルブを押さなければならないカムやクランクには申し訳ないほど重労働させているなぁ、おまえらばかり、ごめんなぁということ。

シリンダーにはクロスハッチングがまだ残っていました。まだまだいけたってこと。でもまぁ、分解しないことには状態がわからないからなぁ。必要ないかもしれませんが、ピストンリングも交換です。


タペットのカバー部分(シリンダヘッドサイド3)にご覧の通りすごいズレがあるんですよ! んも~、こういうもの作って平気な顔して売ることが信じられない!!

リヤタイヤ着脱の練習

2023-06-29 | TW200
どのくらい大変なのか、不安解消のために練習してみました。
リヤの180/80-14という百貫デブタイヤの着脱(の脱)はさすがに手間取りました~!
今までテコの原理と力技で敵わなかったタイヤはないのですが、こいつの取り外し(リムからの完全分離)は力だけではどうにもなりませんでした。
というわけで基本の理論に立ち返ってみます。
パンク修理だけなら図1の状態で事足ります。ここまではタイヤレバーで普通にできます。
細いタイヤならここからタイヤレバー一本で外すこともできますが、TWのリヤタイヤはどうあがいても無理でした。
なので、一度タイヤ内にリムを完全に落としてしまいます。(図2)
そして、一方のリムを少しだけタイヤの外に出しておいて、対極側のリムをタイヤレバーを使って外に出します。(図3)
図4のように回したら、あとは力だけで抜けます。
基本って大切! これで翌々日の筋肉痛ともおさらばじゃ!!

トップの写真は自作の口金通し(格好良くいうとエアバルブプーラー)

チューブ、君もか!?

2023-06-27 | TW200
タイヤが30年以上熟成されていたことが判明したので、当然ながらチューブも年代物でしょうね。
ゴム製品保護剤のラバープロテクタントをスプレーして保管していましたが、折り目には亀裂が!
大きな亀裂部は指で広げると穴が!!
目につく二か所にパンク修理のパッチで補修したのですが、空気を入れてみると小さな亀裂に無数の小さな穴が…
こりゃ、ド根性貧乏人にも手に負えないゴムの劣化です。さすがに使用するには恐ろしすぎるなぁ。

frame of flame

2023-06-05 | TW200
ちょっと前ですけど、
ファラウェイブルーのダイヤモンドフレームをフレイム色にしたとこ。
ゆず肌の塗装面をペーパーがけして、コンパウンドかけて。
あ、もちろん見えない場所は気にしない。
暇を見つけてシコシコしてますもん!

ハブ穴

2022-03-24 | TW200
団子鼻のような、ハンバーガーにフランクフルトをはさんだような、横から見たファニーなUFOのような、縦にするとΦのような形状の穴。
これって名称あるのかな? ないのならぜひとも付けてあげるべきです。
2つのスポークを互い違いに収めるための穴の形状です。
このタイプなら後からでもスポークを刺せるようになっているため、まずは逆側を仮組みしてから作業できます。
あ~こっちが奥側だった!とはずしてから組みなおすという失敗もありません。
もう圧倒的に楽です!
これ発明した人、天才だわ!


アイアムタイヤード

2022-02-18 | TW200
TW200の象徴的な極太リヤタイヤ。
片側はなんとかはずせてチューブも出せたけど、反対側がリムからはずれなくて分解できないっ。もうね、タイヤが固すぎてプラスチックのようなの。オイルを塗りこんで柔軟にしたにもかかわらずね。
整備には適切な工具とテコの原理を使えば、非力な人でもできるってのがいいんだけど、タイヤ交換だけはゴリラのような腕力があったらいいなと思います。

タイヤ側面の刻印は「T8601」。ということは2001年の86週製造ってことかぁ・・・20年以上たってるんだから硬化して当然かぁ・・・いや待て86週って一年を余裕で過ぎてるよ! 
ってことは製造年月は「CAB267」の方か。3桁表示ということは結構古いぞ。1987年か1997年の26週だな。TW200の初期型は86年製だから87年製造もありえるぞ。だとしたら30年以上も熟成されていたことになるぞ!



いままで、どんなに古いタイヤでも自力で外すことはできたのに・・・
切断という判断は負けたようで・・・なかなか手をつけられないでいました。
が、とうとうグラインダーでビード部分をカットしてしまいました。火花とゴムの焼ける煙が敗北感満載でした。ビードが広がったのであとは非力な腕力でもはずせました。



ビード部には15本くらい鉄線が入っています。タイヤ内側にもメッシュの金属が入っていました。
さらばじゃ古タイヤ! I am tired

燃焼室は

2021-10-07 | TW200
さてさて、燃焼室を開けてみると「わっ!」と声を上げました。
それはそれはキレイだったからです。
オイル管理がきちんとされていたのだろうと想像できますね。
バルブを抜いてみるとカーボンの噛みなども少なくて状態がとにかくいいのです。

バルブコンパウンドは使ったことのない「細」で仕上げ程度で充分なよう。
トトトントトトトンと原住民の太鼓のリズムでタコ棒を打ち鳴らします。
擦り合わせは、かつてないほど短時間で終了しました。

「死ぬまでに使い切ることは不可能!」という前置詞が定番の光明丹(笑)
オイルで練って使うものですが、オイルが多くてサラサラだと滲んでキレイに判別できません。
粘度は高めでしかも薄く塗るっているのがコツでしょうか。
最後に灯油を満たして漏れがないか確認するのですが、インレット側から少し漏れていたので、修正して出来上がりです。



デコンプ付きのXT200のロッカーアームには強制的にバルブを押すための突起がついています。
突起なしの部品くらい簡単に作れそうだけど、後発のTW200もセローにもこの突起付きのロッカーアームが使用されているんですね。
なんの意味もないこいつは軽量化も含めてグラインダーで削り落としました。

カムシャフトの受けをベアリングに改造するのが定番のようですが、オイルフローティングはオイル管理さえしてれば信頼できるものなので、そのままでいきます。



今月号のゴーライドで、「人に車歴あり」のページを書かせていただいたのですが、一段目「フルパッング」は「フルパッキング」の間違いです。
すみませ~ん!