対局日誌

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トリノオリンピック私的総括

2006-03-03 00:07:11 | スポーツ
今回のオリンピックほど、マスメディアと自分との競技に対する認識のズレを感じた大会はなかった。
総じて「日本不振」というニュアンスの報道。
そして「荒川静香に救われた」という形である。
ここ数日の荒川選手に対する注目は、大会前から考えると
「どっから降って湧いたんだ?」
といいたくなるほど。
「金メダルに至った心理戦」などという切り口は馬鹿馬鹿しい。
そんなことは結果からみれば、いくらでもいえる話である。

もっともメダルという結果をみれば報道通りではあるので、そういった観点を否定しようとは思わないが、あらゆるメディアが画一的にこのスタンスなのはいかがなものか。

私としてみれば前回のソルトレークシティオリンピックより、格段に楽しめた有意義な大会だった。
どこかアメリカ的雰囲気が嫌いなところもあるので、そこは割り引いていただきたいが、フィギュアの採点問題など余計なファクターが少なかったし、純粋にいろいろな競技に接することができたのが大きい。
ここで再三書いているカーリングだけでなく、距離のスプリント、スプリント団体やスノーボード大回転、エアリアルなど新しい発見や興奮が沢山あった。
さすがにボブスレーやスケルトン(これは観たかった)、アイスホッケーや長距離クロスカントリーまでは手がまわらなかったが、メダルに全く届きそうにない選手の一挙一動にも心を揺さぶられた。
ほとんどが他の競技でメダルが取れなかった反動での放送らしいが、私には嬉しい誤算。

そりゃ、メダルを取れるほうが良いに決まってはいるが、勝者がいて敗者がいるのが競技というもののコトワリだもの。
逆に考えればアテネのメダルラッシュの裏側に、こういう悔しい思いをしている国、そこから頑張ろうとしている国があることを知ることができた意義もあるのではないだろうか。

日本代表選手団長はこの結果を受けて
「国民のみなさまに謝罪を申し上げたい」
とコメント
した。
どこかの不祥事でもあるまいし、私からすると謝罪されても困る。
むしろ感謝したいくらい。
恐らくここで団長の語る「国民」とは一般的な意味でなく、
「スポンサーや関係者の方々、オリンピックを国威の発露の場と考えている人たち」
に向けたものなのだろう。
団体のトップとしては結果が全てだから、これもわからないではない。

しかし続けて団長は強化への手段として
「選手団のスリム化も考えなくてはいけない」
と発言した。
これはどうか?
一応、タテマエは「選手の競争を促す」という意味であるらしい。
穿った見方をすれば、多数の選手団に掛かる費用を、もっとメダルを狙えそうな競技の強化費に充てるという意味だとも、私は読んでいる。
しかしそれだと一方で、今大会のカーリングやボブスレー、スケルトンでクローズアップされた、マイナー競技を続ける困難はより増してしまうのではなかろうか。

メダルを取れる競技は強化されるが、ただでさえマイナーな競技は裾野は枯渇してしまう。
これは私のような「オリンピックファン」にとっては困る。
どんな競技でも日本人選手がいるというだけで、やっぱり競技の楽しみが格段に違ってくるから。

団長は
「50番などの順位で国民の方々を、ガッカリさせるのは忍びない」
というようなことも発言しているが、全然ガッカリなんてしてませんから。
(注:ネットでは原文を発見できませんでした)
第一その「50位」という経験が、将来メダルという結果に繋がらないと、どうして言えますか?
スピードスケートに絞っている韓国のような強化もあるだろうが、私は賛成できないなぁ。
もう一つの冬季ナショナルトレセンには期待。
そもそもtotoが本来、そういう目的に使われるはずだったのに…。

一番重要なのは選手が積極的に競技に取り組める環境作りだと思う。
これはいつもいわれていることではあるのだけど。
今日、小泉首相が
「選手強化に取り組む」
という談話を発表したが、こういうところで
「競技に真摯に取り組める、環境作りをする」
と、ひと味違ったコメントを残してくれれば、また評価もかわってくるのになと感じた。
まぁ、望むべくもない話だが。


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