昨季シーズン終幕直前の失速から端を発し、煮え切らないまま昨季を終えてそれをキャンプで精神的に引き摺ったまま大震災で開幕調整に失敗したチームは、特に課題だった投手陣の整備が遅れ、エース涌井がエースとしての働きを全く出来ず、涌井とエースの座を争うべき岸も故障の影響で出遅れたままシーズンを終えた。
昨季はシコースキーが抑えとして定着したものの、今季は右肘痛で開幕早々離脱して帰国してしまい、牧田を抑えに転向させるまで試行錯誤が続いた。
選手名 | NO. | 守備 | 勝利 | 敗戦 | SV | H | 防御率 | コメント |
岸 | 11 | 投手 | 8 | 9 |
3.80 |
来季は二桁勝利目標で大車輪の活躍を | ||
西口 | 13 | 投手 | 11 | 7 | 2.57 |
来季も二桁勝利でエース復活 |
||
江草 | 14 | 投手 | 0 | 1 | 3 |
5.63 |
左ワンポイントで50試合以上出場期待 | |
大石 | 15 | 投手 |
|
来季は新人王を(1軍未出場) | ||||
石井一 | 16 | 投手 | 6 | 9 | 1 |
4.31 |
来季はセットアッパーか?先発は微妙 | |
菊池 | 17 | 投手 | 4 | 1 |
4.14 |
左の柱として二桁勝利以上の期待大 | ||
涌井 | 18 | 投手 | 9 | 12 |
2.93 |
エースとして15勝以上厳命だ! | ||
平野 | 19 | 投手 | 1 | 6 | 1 |
4.50 |
先発失格、ロング中継ぎで定着目指せ | |
野上 | 20 | 投手 | 0 | 1 |
10.38 |
2軍での先発経験を来季は1軍で発揮 | ||
ミンチェ | 23 | 投手 | 6 | 2 | 1 | 22 |
1.98 |
来季は30ホールド以上を期待 |
星野 | 26 | 投手 | 0 | 0 | 9 |
2.66 |
今季はイマイチ。海外FAで退団か? | |
藤原 | 28 | 投手 | 0 | 0 |
3.52 |
速球は期待大。来季は1軍定着なるか | ||
長田 | 34 | 投手 | 0 | 1 |
4.02 |
昨季の勤続疲労で不調、来季は正念場 | ||
牧田 | 35 | 投手 | 5 | 7 | 22 | 1 |
2.61 |
先発、抑えに大活躍。来季は先発専念 |
坂元 | 37 | 投手 | 0 | 0 | 1 |
2.45 |
1軍定着出来るか?40試合以上出場を | |
松永 | 38 | 投手 | 1 | 0 | 1 |
1.29 |
江草と共に左のワンポイント期待 | |
木村 | 41 | 投手 | 1 | 0 | 1 |
2.88 |
大器開花の予感!オフ返上で頑張れ | |
藤田 | 45 | 投手 | 0 | 2 |
5.87 |
死球後遺症から抜け出せ | ||
帆足 | 47 | 投手 | 9 | 6 |
2.83 |
選手会長が裏切ってSB移籍濃厚か? | ||
武隈 | 48 | 投手 | 0 | 0 |
0.00 |
帆足の様なタイプとして1軍定着なるか | ||
シコースキー | 50 | 投手 | 0 | 1 |
4.91 |
抑え2年目期待も手術→退団済み | ||
グラマン | 54 | 投手 | 2 | 1 | 1 | 5 |
4.26 |
術後の回復遅く来季への期待薄 |
岡本篤 | 59 | 投手 | 5 | 1 | 7 | 11 |
2.11 |
セットアップとして大活躍。来季は抑えも |
田中 | 66 | 投手 |
|
リハビリ経て来季は1軍へ(1軍未出場) |
§先発§
今季は開幕時は涌井、帆足、平野、石井一、牧田でスタートして、谷間に西口を起用して約1月遅れで岸が加わり平野がローテ落ちすると、交流戦終了後は牧田が抑えに配置転換され西口がローテに完全に組み込まれた。菊池は当初は谷間要員だったが夏場はローテに組み込まれ、終盤は中継ぎ要員だった。
エース涌井は統一球に馴染めずGW時期に右肘痛が発覚するなど、この頃から常に痛みを抱えながらの投球で、特にリーグ戦ではことごとく負けが込むなどV逸の原因ともなった。一方で開幕当初は先発だった牧田は好投を続けるも味方の援護に恵まれず、交流戦後は抑えを任された。岸の出遅れもあり今季は先発が安定せず、シーズン終盤に西口が連勝し11勝を挙げたが涌井9勝に岸8勝で、軸になるはずの二人で最低でも25勝以上を期待も大幅減となった。その反面、西口の後半戦の安定感はかつてのエース時代を彷彿とさせ頼もしささえ感じた。来季は200勝へ向けての足固めの年になるか?
来季へ向けては菊池の成長でFA裏切り移籍が噂される帆足の分をカバーしたいところだ。牧田は来季は再び先発起用で二桁勝利を目標にしたい。
2軍ではほぼ一年間2軍のローテで9勝してイースタンの最多勝利投手賞を獲った野上、来季が2年目となる大石のどちらかがローテ定着となれば大きな戦力アップが見込めるのだが...。
§中継ぎ§
ここ数年の課題だった中継ぎ投手陣の整備は、シーズン前の予想とは多少異なりミンチェと岡本篤が大きな戦力となった。岡本篤はシコースキー帰国後に抑えとして起用されたが交流戦終盤に失速し一度は2軍調整となったが、夏場からはセットアップ役でミンチェと共に力を発揮した。二人共に来季はシーズン通して故障せず安定した成績を残せるかがカギだ。
左投手は星野とグラマンの不安定という要素があり苦労した。途中で阪神から江草を獲得したものの期待外れに終わった。江草はかつての球威を復活させパの野球に馴れることで来季は期待したい。終盤には石井一がセットアップを担い成功を収めたが、来季に向けて左腕中継ぎの補強は急務だ。
死球後遺症にもがき苦しむ藤田、昨季の登板過多が影響した長田、敗戦処理での登板で信頼を得たい坂元、来季は飛躍が期待される木村、中継ぎ投手としての地位を固めてもらいたい平野、1軍定着を望みたい武隈などに期待したい。
§抑え§
昨季はシコースキーがリーグ最多セーブ賞を獲得したことで安定したかと思えた抑えだったが、昨季終盤から右肘に違和感を抱えていたシコーが開幕直後にダウン。手術で帰国しそのまま退団となったのは誤算だったが、岡本篤と牧田の二人で29Sを上げた。
牧田は来季は先発として勝負するので抑えは新外国人投手か、岡本篤のどちらかが現時点では起用されるだろう。
投手陣の層が厚かったSBに比べて西武は戦力となった投手とそうでない投手との差が大きかった。新戦力の台頭は元ドラ1の木村と菊池が来季に向けて計算出来る存在になったのは嬉しい材料だ。だが、ベテラン勢の石井一や西口の年齢的な不安や帆足の移籍に伴うマイナス要因もある。
若手投手陣では今季のドラ1大石を来季は戦力として育成することが求められるのと、ドラフトでどこまで即戦力投手を獲得出来るかにも注目。2軍の投手成績も振るわなかったことから、新たに就任する投手コーチの指導力も重要だが、足りない部分は明確なのでトレードや外国人獲得など補強も積極的に行うべきだ。
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