kintyre's Diary 新館

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映画『17歳』を観て

2014-02-28 16:08:27 | ヨーロッパ映画

14-22.17歳
■原題:Jeune & Jolie(英題:Young & Beautiful)
■製作年、国:2013年、フランス
■上映時間:94分
■料金:1,800円
■観賞日:2月28日、新宿ピカデリー(新宿)



□監督・脚本:フランソワ・オゾン
◆マリーヌ・ヴァクト
◆ジェラルディン・ぺラス
◆フレデリック・ピエロ
◆シャーロット・ランプリング
◆ファンタン・ラヴァ
◆ヨハン・レイセン
◆ナタリー・リシャール
◆ジェジェ・アパリ
◆リュカ・プリゾール
◆ロラン・デルベク
◆ジャンヌ・リュフ
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
フランソワ・オゾン監督が、少女から大人へと変化を遂げる17歳の女子高生の心理とセクシュアリティーをあぶり出す青春ドラマ。主演は、モデル出身のマリーヌ・ヴァクト。『輝ける女たち』などのジェラルディーヌ・ペラスや『まぼろし』などのシャーロット・ランプリングが共演。
夏。パリの名門アンリ4世高校に通うイザベルは、医師の母シルヴィとその再婚相手の義父パトリック、弟のヴィクトルと共に、リゾート地でバカンスを過ごしている。華奢な身体にあどけない顔立ちながら、その眼差しはどこか大人びていた。ある夜、こっそり外出した彼女は、知り合ったドイツ人青年フェリックスと海辺で抱き合い、初めての体験を呆気なく済ませる。
翌日、再び会いに来たフェリックスに対して、イザベルは素っ気なかった。数日後に開かれた17歳の誕生パーティーにも、フェリックスは招かれなかった。そしてバカンスが終わると、別れの挨拶もないままイザベルは去って行く。

秋のパリ。イザベルは、SNSを通じて知り合った不特定多数の男たちと密会を重ねていた。放課後になると家から持ち出した母の洋服を纏い、駅のトイレで身支度を整え、待ち合わせ場所へ向かう。名前は“レア”(母方の祖母の名前)、身分は20歳のソルボンヌ大学文学部2年生と偽っていたが、相手には直ぐにそれが嘘だとばれるのはご愛嬌。
帰宅すると、男たちから受け取った300ユーロを誰にも見つからないようにクローゼットにこっそり隠し、お手伝いにさんにもバレずに。
彼女の若さと美しさに心を奪われ、たびたび連絡してくる初老の男がいた。既婚者で娘もいる彼の名前はジョルジュ。その紳士的な態度が気に入ったイザベルは、定期的に会い続ける。そんな時、事件が起きた。ジョルジュが心臓発作を起こし、ベッドの上で息を引き取ってしまったのだ。動転したイザベルは、心臓マッサージを施すが間に合わず、逃げるように部屋を立ち去る。

冬。何も知らないシルヴィの病院に突然、警察官が訪れる。亡くなったジョルジュと最後に一緒にいた相手がイザベルであることが判明し、捜査の手が伸びたのだ。状況が飲み込めないシルヴィだったが、娘の部屋から大量の札束が発見されたことで、ようやく事態を理解。だが、イザベルは未成年であることから起訴されず、カウンセリングに通うことで放免になる。稼いだお金は母が慈善団体へ寄付すると言い放つが...(売春で稼いだお金を寄付するのはどうよ?)。

問い詰める母の言葉に、イザベルは何も答えない。医師の母は多忙な仕事を理由に放任主義、義父との関係は悪くはないがイザベルが信頼を置けるような関係でも無く、実父とは疎遠のような間柄。
イザベルの相手が父以上に歳の離れた男性ばかりを相手にしていることからファザコンかとも想像出来るが、会話からはそのように感じないし、逆に若い男には興味が無い様だ。夏に誰でも良いから初体験だけを済ませたことで何かのスイッチが入ったイザベル。SNSを駆使して相手を物色するのは現代的だが、何を考えているか判らない?そんな17歳像をオゾン監督自身の視線で描いたのだろう。
オゾン監督作品には欠かせないシャーロット・ランプリングがどこで登場するのか注目していたが、ラストで登場。腹上死したジョルジュの老妻として、自分の夫が最後を共にした女と会いたいと亡くなった部屋で面会する。こういう登場の仕方が有ったか~、これはかなりインパクトがあった。そこで夫には常に女の影があったことを告白、それを清聴するイザベル。このシーンでエンドロールへと突入した。

主役イザベルを演じていたマリーヌ・ヴォクトはモデルらしく17歳ではないが美しい女優さんだった。今後のオゾン作品への再登場もあるのだろうか?際どい会話でイザベルに突っ込みを入れる弟も良かったな~。



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