「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

地球温暖化急ピッチ! 1人1人の自覚が大切 ①

2008年01月18日 | 雑感
  地球表面の大気や海水の平均温度が、長期的に見て上昇する現象を地球温暖化(現象)といっています。
  生物の生態系の変化や、海面上昇による陸地の水没といった、気温上昇に伴う2次的な問題まで含め、人類の生活(生存)に極めて大きな影響がある、と言われているのです。
  ことに近年観測されている20世紀後半からの温暖化については、現在、将来の人類や環境へ与える悪影響を考慮して、さまざまな対策が立てられ、実行され始めています。

   限りなく進む温暖化


  最近頻繁に取り上げられる京都議定書というのが、温室効果ガスを減らすことを国際的に定めた、たった一つの約束です。しかし最近までは、各国に約束を守らせる力をもっていませんでした。
  アメリカのブッシュ政権が京都議定書から離脱したのが、その最も大きな障害でした。
  しかし、その後の関係者たちの努力により、2004年11月4日にロシアが批准。その結果、25条に定められている、①条約の締約国55カ国以上、②1990年における先進国の、二酸化炭素排出量の55%を占める先進国の締結、という2つの発効要件を満たし、その90日後の2005年2月16日に国際法として発効したのです。
  しかしこれは2012年までしか定めがありません。13年以降が大きな焦点になっています。

  面倒な話はさておき、地球の温暖化を進める温室効果ガスの中で、効果が一番大きいのはフロンやメタン、亜鉛化窒素だと言います。しかしこのガスの排出量はごくわずかで、割合を見ると二酸化炭素(炭酸ガス)が9割以上を占めていますので、温暖化への影響としては主として二酸化炭素を取り上げている、というわけです。

  限りなく進む温暖化現象によって、北極の氷はあと30年で溶けてしまうといいます。そしてこのまま温暖化が進むと、ホッキョクグマやアザラシが激減して、やがて絶滅すると考えられるそうです。そのほか、世界中の生態系が大きく変わってしまうことでしょう。

  やがて東京、ロンドンも水没?

  しかしそれだけではありません。海水面の上昇によって、水没する都市(国)が頻発し、大問題になるというのです。
  石原慎太郎・東京都知事が、産経新聞(2008.1.7)に「日本よ」と題して文章を寄せています。一部をご紹介します。

 「NASAのジェイムス・ハンセン教授の指摘によると、このままあちこちの氷が解け続け大洋の水位が高まっていけば、今世紀末には大洋の水位は5メートル高まるだろうと。とすればその行程の半ばででも、30、40年先には東京、上海、ロンドン、ニューヨーク、シドニーといった世界の臨海の大都市は半ば水没してしまおう」  

  そのあと、いまや水没しかけている赤道に近いツバル(英連邦王国のひとつ)を視察したときのことを述べ、これらの国はそれを待たずに水没消滅し、回復することはあるまいと述べているのです。  

  ツバルだけではありません。赤道近くのバヌアツ、フィジーそのほか水没が時間待ちの国が数多くあります。しかもこれらの国は、堤防を築いても海水の侵入を防ぐことができません。 
  なぜでしょう。その国土は「島」ですが、その島は珊瑚礁からなり、その土地は珊瑚が砕けた砂でできています。ですから、たとえ周囲を堤防で覆っても、満潮時になると地面から海水が湧き上がってくるのです。しかも標高が極めて低いため、満潮時には街の中で膝まで水が上がるというところもすでにあるようなのです。  

  オーストラリアなどの近隣へ、移住を要請した国もあります。しかしこの問題は、そうやすやすと受け入れられるものではありません。遅々として進まない現状をテレビで見たことがあります。

  学者はさまざまな説を唱えています。
  南極・北極だけではなく、世界の山の雪が溶け出したら、海面は今より70メートル上昇する、という恐るべき論文を目にした記憶もあります。
  中には「南極の氷床は広範囲には融解しない」(毎日新聞 2008.1.11)と国連の「気候変動に関する政府間パネル」が予測するなど、手探りの部分も多くあるようです。

  しかし温暖化が刻一刻近づいているのは間違いのない事実です。この危機を実感している人が、果たしてどれほどいることでしょう。 
  三車火宅の譬えという言葉があります。自分の身に迫りくる火事に気がつかず、遊び戯れえている子供の姿を譬えたものです。タイタニック号が、やがて氷山に激突して沈没するのに気がつかず、船内で遊び興じている人たちのようです。 

  私たち1人1人がこの温暖化にどう対処するべきか、今こそ真剣に取り組むときではないでしょうか。(次回に続く)

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タツヤ君が好転、お母さんも指圧学校の受験を決意

2008年01月17日 | 素晴らしい指圧効果
 1月14日(成人の日)の10時半から13時まで、心身技術研究所の矢野龍彦・長谷川智両先生を迎えて、私の治療所(基本指圧研究会では川越道場と言っています)で「ナンバ式 骨体操」のグループ・レッスンが行われました。 昨年9月23日(秋分の日)に第1回目、11月23日(勤労感謝の日)に第2回目のレッスンが行われ、この日が第3回目でした。  

 レッスンの中で、いつものようにタツヤ君の動きを両先生に検証してもらい、その状態にふさわしい指導をいただくことができました。  

 彼は生まれつき身体に障害を持っています。歩行にも障害があるので、当然リハビリにも手を尽くし、大学病院で4回の外科手術とリハビリをやったそうですが、それでも歩くとき、踵(かかと)がどうしても床につきませんでした。 
 背中や腰が硬直しているので、歩くために足を出すときは、その方向に身体全体と腕を、大きくゆすらなければならなかったのです。

 昨年9月から、指圧では鈴木林三先生(日本指圧専門学校講師)の、骨体操では矢野先生(桐朋学園大学教授)・長谷川先生(同大学講師)の指導を頂きながら、週4回、指圧と体操を組み合わせたリハビリをやってきました。

 14日、お2人の先生に検証していただくのは、およそ1カ月半ぶりです。その間、よい方向にあまりに大きく変化していたため、とても驚いていらっしゃいました。
 昨年末あたりから、何人もの近所の人たちに私は続けて声をかけられました。
 
「あの子、ずいぶん変わりましたねぇ」
「あんまり歩き方が変わったので、違う子かと思ったわ」
「村岡先生に巡りあえて、あの子は本当によかったですね」等々。
 
 嬉しい! よくなる喜びを共有できることが、私には何よりも嬉しいことなのです。
 
 タツヤ君が、今までどうしても不可能だった動きができるようになったことで、腎機能がかなりよくなっている手応えを感じました。 
 以前、左右の腎機能が、それぞれ10%と30%しか働いていないことが検査で確認されています。いずれ、人工透析への道が確定しているのです。
 先週、血液検査をしてもらいました。腎機能の数値はもちろん異常が出るとは思っていますが、多少でも機能が改善しつつあるのは事実ですから、途中経過として数値を知っておくのもいいのではないか、と思って検査をしてもらったのです。結果は来週判明します。

 今回また新たな運動の指導を頂き、すでにこの1回で大きく変化を顕しつつあるから驚いています。
 次回は4月29日の予定ですが、その間の変化を考えると、あい間にもう1度検証の機会を作りたいと考えています。今は彼の変化についていけない不安を感じるほどなのです。

 この3~4カ月の大きな好転により、タツヤ君のお母さんが指圧専門学校入学の決意を固めました。ただしこの時期ですので一般入試は終了しており、2次募集になります。わずか数名の合格者の中に入れるかどうかが心配です。 
 彼女は「だめだったら、また今秋受験しますから」と爽やかな顔をしていました。受験に当たって願書とともに提出することになっている志望理由を、次のように書いています。

「現在13歳の私の長男は、先天性二分脊椎症のため先足歩行です。出生時から名医を探しては診察、リハビリに通いましたが、10歳の頃『もうやる事はないよ』と医師に告げられてから、私は為す術もなく、日に日に退化する長男の足指や固まる背中、腰を(見ながらも)3年間あきらめてきました。 ところが私の通う指圧治療院の先生が、私の長男のために指圧と体操の併用治療を始めてくださり、たった4ヶ月間に安定した歩行と13才の足指を取り戻してくださいました。 時々指圧中に『先生腰が痛い、足が痛い』と訴える息子を見て、私は13年間体が痛くても痛いと言わなかった息子にはじめて気付かされ、私の指でも息子を楽にしてあげたいと思い、貴校を受験するに至りました」

 この志望動機の文章を読まれた矢野先生は、「ボクが校長だったら、あなたに1番に入学許可を出すのに……」と仰っていました。今、タツヤ君のお母さんも、タツヤ君も、私も、みんなが希望に満ちた日々を過ごしています。

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人それぞれ、これだけ考え方が違う!

2008年01月09日 | 雑感
 私は養老孟司先生の本が大好きです。先生は現在東京大学名誉教授、医学博士ですが、ここ10数年、書いたほとんどの一般書を私は読んでいると思います。
 彼は文章を書かせるとぜんぜん面白くないそうですが、会話を録音して活字にすると大変面白いというのです。その方法で出版部数を次々大きく伸ばしているようです。その養老先生が、産経新聞(2008.1.7)に一文を寄せていました。

「…でもその仕事の範囲は、普通は決まっていない。本人にかなり裁量の余地がある。それが秀吉の草履取りである。何も草履を懐に入れて暖める必要まではない。(中略)若い頃、秀吉のこの話をバカにしていた。そこまでゴマをすることはないだろう、とか。でも妙なもので、歳をとってくると、やっぱり思い当たってしまう。若い人に秀吉を見てみな、と説教したくなる」

 この文章を読んで、私の考えは真逆であることに気づきました。先生は「若い頃、秀吉のこの話をバカにしていた」と言いますが、私は子供の頃、この話を聞いて妙に感心したものです。
 
 次いで彼の言葉です。「でも妙なもので、歳をとってくると、やっぱり思い当たってしまう。若い人に秀吉をみてみな、と説教したくなる」。 ところが私は、歳をとってから「そこまでゴマをすることはないだろう」という気持ちが強くなっているのを感じます。
 同じ話を聞いても、考え方のタイム・ディファレンスというよりは、順序が入れ替わっている。感じ方は人によってそれほど違うものだ、ということでしょう。

 仏教で「一水四見(いっすいしけん)」という言葉があります。同じ水でも、立場で見方が異なるといいます。餓鬼(餓鬼道に堕ちた亡者。水も火に変わって飲めず、常に飢渇に苦しむという)は火と見、魚は棲家(すみか)と見る。人間は水と見る、天人は甘露と見る、ということです。夫は「俺は酒と見るから、一水五見だ」などと言っていますが、冗談はともかく、人によって、感想の前後がまったく逆になるのも生まれ育った環境によるものなのでしょうか。

 伊藤博文は初代内閣総理大臣を務めた明治維新の功労者で、併せて四回(1、5、7、10代)も首相に任じられた国家の重鎮です。ハルピンで韓国の安重根に暗殺されましたが、韓国ではこのテロリストを英雄として奉っています。
 ジョージ・ワシントンは、アメリカ初代大統領で独立を成しとげました。しかしイギリスから見ると、自国を奪った大悪人です。
  ウサマ・ビンラディンはテロ組織アルカイダの最高指導者、同時多発テロの元凶で、全世界から極悪人と思われていますが、イスラム社会では英雄です。

 こんなことをいろいろ考えるにつけ、自分の考えを強調しすぎるのはどんなものか、と最近つくづく考えさせられているのです。

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年頭のご挨拶

2008年01月01日 | 分類なし

    明けましておめでとうございます

  昨年、皆様には大変お世話になりまして有り難うございました。

 専門的な話になりますが、私にとりましては、指圧で「肩甲下部」を圧せるようになった感動の年でもありました。
 これもひとえに、鈴木林三先生(日本指圧専門学校講師)、矢野龍彦先生(桐朋学園大学教授)、長谷川智先生(同大学講師)を始め、大勢の方がたのお陰です。心から感謝しています。

 新年にあたって、いま新しい年への決意と喜びがみなぎっています。本年もどうぞよろしくお願い致します。

  元旦

         村岡曜子(村岡曜子治療院院長)
             (NPO法人基本指圧研究会代表理事)


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