こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

人間にあって、人間以外の動物にないもの

2012年05月21日 | 生き方について考える


乱暴な言い方だが、デカルト的自然観に立つと動物に感情は無いらしい。
だが、フラットコーテッドレトリバーのナイトの散歩好きは、見ればわかるし、夜、クレート(室内用の犬小屋)に入れられるのは嫌がる。
犬だって、好きなことは好きだし、嫌いなことは嫌い。
人間的な感情は無いが、動物なりの感情はある。

毎朝山から聞こえてくるシジュウカラ、ウグイスさらにはカラスの会話を聞けば、イルカでなくても動物同士が情報交換をしていることもわかる。

人間にわからない方法で行っているだけのこと。

この世で起きているありとあらゆる事象は人間が、人間の思考、言語で語っていることであり、人間がこの地球上での標準的な生物であるという前提で行っている。
そんな調子だから、自然破壊がおこり、結局はしっぺ返しが自身に来る。
話がそれたが、一面的な見方は、何が相手であっても厳に慎まなくてはならない。

人間にあって、人間以外の動物に無いものが一つだけある。
それは“好奇心”ではないか。

もちろん、人間以外の動物にも危険を回避するために、何らかの危険予知のための行動がある。
だが、犬が歩き回るのは、基本的には餌や安全な場所を探すためで、散歩もその延長であり、欲求がかなえられて犬は嬉しい。

人間の好奇心というのは、こういったものとは異質のものだ。
探検家は、領土拡大のためだけに世界各地をくまなく探したわけではないだろうし、多くの科学者は兵器を作るために研究をしているわけではない。
地球の成り立ちを知るために、ハヤブサをイトカワまで飛ばすのは、人間の好奇心のなせる技だ。

人間の好奇心こそが、人間以外の動物との違いを規定しているように思う。
それとも、結局のところ、好奇心も人の衣食住の安心を求めることの延長であり、突き詰めて言えば、人間以外の動物と変わるところは無いだろうか。

日食をみて、あれこれ考えるのは人間だけなのは、確かだと思うのだが。
それとも、日食メガネさえあれば、辺りが急に暗くなって不安になったら、ナイトも確認のために、太陽を見ただろうか。
日食に際し、動物の動きを観察する研究があったようだが、結果はどうなるだろう。

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