医局で仕事をしていると、突然隣の先生の話声が聞こえてきておどろくことがある。顔を上げてみても、話し相手はいないし、PHSで話しているわけでもない。机上をチラ見するとモニターに何人もの顔が出ていて、Web会議中だということがわかる。やっとこの状況にも馴れて来たが、いまだに違和感を感じるのは電車内で携帯で喋っている人への思いと似たようなものだろうか。
Web会議をするにしても凝る人とそうでない人がいる。立派なヘッドセットを購入して使っている人もいれば、PCのカメラとマイクをそのまま使っている人もいる。それどころかカメラすら付いていないと言っている人もいて、画面にはその人の名前だけが表示されている。どうも、そういった先生には年配の方が多く、PCのカメラが目の前についていることがわかってないのではないかと思っている。私は、PCについているカメラをそのまま使っていて、会議前にはモニターに映る自分を見て、高さを調整したり、PCとの距離をとったり、背後におかしなものが映り込んでいないか気をつけている。幸い、病理の部屋を使うことができるので、先日登場した顕微鏡を背中にして座っている。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレビでも個別収録が常態化してきているようで、色々な芸能人や評論家、専門家が個別の部屋からカメラに向かって話している。なかには自宅からという人もいるが、背景に気を使わない人も少なくない。また、ヘッドセットを使っている人が少ないのは、そういうことを知らないからかもしれない。電波で流すのだから、テレビ局が機材を提供して質の高いものを流してほしいが、簡単に回収もできず、なかなかそうもいかないのか。
あと、多くの人が出ていると、喋るのがかぶってしまうこともある。みているとちゃんと人の話を聞くことができる人かどうかがよくわかる。意外なところでそれぞれのキャラクターが透けて見えてくる。これからはWeb上でどれだけ自分個人を魅力的に見せることができるかということも必要な芸力になってくるかもしれない。
私もWeb会議にもすこし馴れてきて、自分が喋らないときはこまめにミュートするとか気を使うこともできるようになってきた。こういったのは、会議の司会者が最初に説明してくれておけばすぐに適応できるのだが、わかってない司会者だと、全く駄目だ。がやがやしたまま進行して、よくわらかなくなる。誰かが教えてあげたらいいのだけど、偉い先生が司会者だとなかなか言えない。
私としては、自分が主催者となる自信はない。先日のCPCは院内のIT通の先生に手伝ってもらって乗り切ることができた。”マイク渡しますね”なんていう会話を聞いていても何のことだかよくわからない。まずは、カメラとヘッドセットを購入して、なんとなくイケてる感を出そうかと思っているが、いざとなるとどれがいいのかよくわからないし、”それゲーム仕様じゃない”なんて言われるようなものを買っては、目立ちすぎてかえってみっともない。結局のところ、それらのものを購入するのはこの状況が落ち着いて、ある程度評価が定まってからのことになりそうだ。
マスク、届きました