こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ボーっとしてたかな、ここにも正常性バイアス

2020年12月15日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
”すごく”寒くはなかったが、朝晩の冷え込みはいよいよ冬らしくなってきた。
昨晩、鎌倉の駅前の木がピンクというか紫色にライトアップされていた。この春ろくに楽しむことのできなかった桜をイメージしているとのチラシを先週末にどこかの店先で見たが、このご時世クリスマスイルミネーションでもあるまい。もともと夜は地元人間だけになる街、かえって寂しい感じがしたが、本番はもう少し先らしいから、あれは予行演習だったのか。

昨日、年末年始のGoToトラベルが全国一斉停止となった(GoToトラベル、全国一斉停止へ 28日から1月11日 東京・名古屋は先行 産経新聞)。観光業界を下支えしようという政府の目論見は残念ながら不首尾に終わったということになる。せっかくの経済活性化対策で、GoToで移動した人の新型コロナ感染数はそれほどではなかったのに、うまくいかなかったのは、

「GoToやってるぐらいだから、うちらも楽しもうぜ」

みたいな、気の緩みを引き起こし、スタンダードプリコーション(標準感染予防策)を取ることのできない人が、大いに飲んで、台無しにした可能性があるように思う。この辺りはプライバシーの問題があるので、公にされないが、感染経路をもう少しつまびらかにしてもいいのではなかろうか。いずれにせよ、みんながみんなまともだという前提でやるからうまくいかないのだ。正常性バイアスにとらわれている愚かな人はとてつもなく多いという前提でGoToを進めなくてはならなかった。

さて、この鎌倉のライトアップ、この先どうするのだろう。

そんな私も昨日、ちょっとしたミスをやってしまった。インシデントというほどのものではないのだが、技師さんに二度手間となることをやらせてしまったり、相互の連絡不足がわかったりとか、そんなこと。ブログでも新型インフルエンザの型を始め誤って書いていて後から訂正した。どれもこれもボーっとしていたからに違いない。どれも、”絶対”正しいと思い込んでやっていたことだが、ミスはそういう過信をくぐり抜けてやってきて、やがてはインシデントとなり、アクシデントとなる。

今の医療で、病理診断だけでアクシデントとなることはまずないはずだが、スイスチーズモデルでいくと、他の検査・診断があってもアクシデントに繋がることは大いにあり得る。
自分は大丈夫、そんな正常性バイアスはいたるところに潜んでいる。日常生活、仕事、年末で慌ただしくなくこの時期こそ、気をつけたい。
警句はあまた

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