ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

わが家は「スズメのお宿」になりました

2014-06-17 01:34:38 | 犬たち

わが家は「スズメのお宿」になりました。

愛犬モモタロウを亡くしてから半年、今だにその喪失感から抜け出せない私たちですが、妻は毎朝部屋に飾られたモモタロウの絵(私が描いた)の前に新鮮な水を置き、お祈りしている状態です。
私の人生を振り返っても、独身時代の数年を省けば、たえずペットとの共同生活で、今になって同じ屋根の下に、人間以外の動物がいないことは実に寂しいことと実感しています。

それでは新たにワンちゃんを飼えばいいのではないかとお思いでしょうが、夫婦とも70の大台を超えてしまい、もし今飼えばワンちゃんが15才になれば私たちは85才を過ぎるわけで、ワンちゃんの一生に責任が持てないために飼わないことに決めたのです。

そんなわけで「わが家も寂しくなったナ~」とぼんやり窓の外を見つめていると、数羽のスズメが遊んでいるのが目に入り、パンの切れ端を置くと、ほどなくスズメたちがつつき始めました。
その姿を見て、突然!本格的にスズメの餌付けを行うことを思い立ったのです。

わが家の居間は6帖ほどのバルコニーと床続きとなっており、そのバルコニーに接するように太い常緑樹の木があるのですが、その木の枝ぶりのいいところに、日曜大工の粋を結集して、40センチ四方の餌箱を設置しました。
餌として、お米やポテトチップスなどもトライしましたが、安定供給と栄養のバランスから市販の小鳥の餌を用意しました。
餌付けは継続こそ大切で、設置の初日から4.5羽のスズメが餌をつつき、2日目は10羽程度、3日目以降は数十羽の満員状態となり、わが家はすっかり「スズメのお宿」になってしまいました。

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このブログを書くにあたって、スズメについて調べているうちに、驚くべき事実を知りました。
無数にいると思っていたスズメの数が、50年で10分の1までに減少しており、深刻な事態になっていたのです。

その原因として
   ●木造住宅の減少により、屋根瓦や建物の隙間など、巣作りの場所の確保が困難になったこと。
   ●農業用機械であるコンバインの普及で、餌となる落ちモミが減ったこと。
   ●特に都市部での未舗装の小道や空き地が減り、植物の種などの餌が減ったこと。
   ●減反による水田面積が減ったこと。

そしてもうひとつ重要な事実がわかりました。
それは、スズメは人間の生活圏の中でしか生きられないということです。
たとえば山間の集落は里山としてスズメにとっても格好の住環境ですが、その集落が過疎化することでスズメも減少し、そして廃村となればスズメもその地で住むことが出来なく、人間の住む地域が縮小している中で、それがスズメの減少につながっていることになるのです。

スズメは人間に寄り添ってしか生きられない、それゆえに人間の都合によって、減少を強いられている鳥でもあるのです。
そんなスズメたちを見ていると、実にかわゆく、そして愛おしい鳥として、映るようになりました。

それに加え、お米や人間の食物を盗みどりする悪鳥としてのレッテルを張られてきたのですが、実情は私達の生活圏の中で、害虫を駆除する益鳥だということは知られていなく、誤解され続けてきたことも愛おしさが増すのかもしれません。

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今の私達の楽しみは何といっても「スズメの観察」で、飽きることなく観ています。

数十羽が来ると前記しましたが、常時餌場の周りにたむろしているわけではありません。
最初はリーダー?ぽい1羽が餌場に下りることから始まり、アッという間に四方八方からスズメが舞い降り、餌箱が混浴状態になります。
お腹いっぱいになると、その場は餌場というよりコミュニケーションセンターのようににぎやかになり、そして突然一斉に飛び立ちいなくなってしまいます。
その飛び立つ原因として、台湾リスやカラスの出現もありまずが、どうもメンバーの総入れ替えにあるようです。
その間は、人間も百人百様のようにスズメも百鳥百様で、機関銃のように餌をつつく者、一口ごとに味を確かめる者、キョロキョロ周りを見渡す者、すぐ小競り合いをする者・・・。

そんな観察を楽しみながら、このスズメたちも間違いなく家族の一員=ペットとなった実感を感じる私なのです。