ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

新緑の風をうけて、オープンカーでドライブしよう

2014-05-07 02:38:01 | 犬たち

上の絵は、私の愛車「レクサスSC430」で、SCとはスポーツクーペ、430とは排気量4300ccのことで、コンバーチブル(ボタンひとつで屋根付きにもオープンカーにも代われる)が特色となっています。
この車を買った理由は、オープンカーに乗ってみたかったからです。 

スポーツクーペといえばド派手な車が多い中、この車はちょっと地味といいますか大人の雰囲気のデザインであり、そのデザインも気に入っています。
ついでに言えば、運転しているサングラスの男は私自身を描いたつもりなのですが、かっこ良過ぎの誇大表示ではないかと文句が出そうですが、現実から自由に逃避できるところが絵のすばらしさでもあるのです。

私の運転免許の取得は50才と遅く、取得の次の日は会社へは仮病を使って休みをとり、当てもなく西に向かって家を出発したのですが、右折するのが怖くて直進または左折で進み、額にビッショリ汗して着いたところは伊豆半島の突端の下田でした。
さてそこからどのようにして帰ればいいのか、途方に暮れた記憶があります。

それ以来ドライブのとりことなりました。
私のドライブは目的地に行くためというより、ドライブそのものが好きで、自分の中にある孤独好きや巣ごもり好きと、子供のような好奇心がそのまま実現してくれたのがドライブで、ドライブは自分の性分に合っていると思っています。
具体的には、メカにも運転技術にも、車種などにもまったく興味がなく、名所旧蹟にも興味がなく、ひたすら素晴らしい風景との出会いのまさにその一点に見せられたのです。

そのうちに出会う情景や感動を何とか残したい、表現したいという強い動機が生まれ、それがきっかけで絵を描くこととなり、結果として画家としての道を歩むこととなったのです。
それだけでなく私の提唱する「トレース水彩画」は、写真を素に描く画法ですが、使用する写真の多くはドライブで出会った風景だったのです。
だから私にとってのドライブは、絵を描く行程の一部であり、車は絵の道具のひとつになったのです。

振り返ってみると、私と車との出会いは、人生観を変えてしまうほどの衝撃的な出会いだったのです。

ドライブの行先は必然的に絵の素材が多そうな都会よりも自然豊かな地方となり、本州の先の青森から四国まで素晴らしい風景を求めてひたすらドライブを楽しみました。
故郷は石川県の金沢ですが、10回近い帰郷はすべてドライブ、伊豆半島一周や富士山一周は数十回となるなど、我が家から半径100キロの神奈川・東京・千葉・山梨の道はずいぶん走り込みました。
それ以上に日々の散歩(散歩でも車でいくのだ)はもちろんのこと、買い物のアッシー君を引き受けるなど、ハンドルを握らない日はないというまでに、ドライブするたびに何がしかの新しい感動を発見できるような、なくてはならない生活必需アイテムとなりました。

何台目かの車の乗継の後、レクサスSCと出会いました。
そしてオープンカーにすることにより、より深い情景との出会い、より強い感動を知ることとなったのです。

たとえば新緑の中を走るとすれば、これまでの車では、エアコンの効いた室内でガラス越しにその情景を見ることとなりますが、オープンカーともなると、新緑の空気や音・匂いまでも共有し、一体感を味わうことが出来るのです。
もっと言えば情景を視覚だけではなく、五感で味わうことが大きな違いかもしれなく、その感動が、絵の中に臨場感や高揚感として反映させうることがわかったのです。

とはいえオープンカーは何時でも快適とはいかないのです。
まずエアコンは効きませんから、外の気温は13度から25度が限界領域で、冬の寒さは服を着込めば何とかなるのですが、夏の暑さには弱く、夏は冬より不向きなのです。
車が走れば風に当たるとお思いでしょうが、前方からの風はほとんどなく、むしろ後方からの微風という状態ですが、騒音・特にトンネル内の騒音は大きなストレスとなります。

そしてオープンにした最大の障害は、人から見られる・注目されるということです。
それは好意的な視線よりも、羨望や侮蔑的、生意気だとか成り上がりだとかの冷たい視線が多く、そんなことを無視することこそオープンカーの上手な乗り方かもしれません。


・・・というわけで、オープンカーの乗り方の秘訣は、
自然や世間の風を受けながら、ひたすらやせ我慢することにあるようです。

 

大型連休が終われば、そろそろ悠々自適組の出番となります。
5月の風をうけて 琵琶湖→京都・美山→丹後半島・伊根→竹野海岸 とオープンカーの2泊3日の旅を、妻と一緒に楽しんで来ようと思っています。
そのおみやげとして、旅先で出会った風景を描きますので、ぜひご期待ください。