ノー天気画家の本音生活 

これが私の生き方などとヤセ我慢するよりも、今日の風に流されましょう!

これからのメタンハイドレートには、面白くてスリリングで、もう目が離せない!

2013-10-20 09:43:27 | 犬たち

メタンハイドレートを契機として、産業面で立ち遅れていた日本海側に、巨大産業が創出されるかもしれません。

世界経済の一翼を担う日本ですが、大きな問題点を抱えており、その最大の問題は技術力や開発力は世界をリードしているものの、産業の元となるエネルギーのほとんどは海外に依存していることです。
特に原子力発電が事実上ストップしてからは、石油や天然ガスなどの化石燃料の追加購入費は、1日100億円とも言われており、日本の経済収支に大きな足かせとなっています。
その中で大きな期待を込められているのが、日本の近海で次々と発見されているメタンハイドレートです。

メタンハイドレートとは天然ガスが低温かつ高圧という条件下で氷状の形態を言います。 だから水圧の高い海底では、メタンハイドレートとなって埋蔵されているのです。
メタンハイドレートが日本近海に多いのは、その生成は地震と関係があるという説が高く、地震多発地帯の日本近海には大量にメタンハイドレート埋蔵されており、これまで発見されただけで日本で使用するの天然ガス100年分が埋蔵されているといわれています。
これは地球規模で見ると、日本は最も集約された地域のひとつととなっており、この資源が有効活用できれば、日本の経済構造はガラリと変わってしまうのです。
地震は悪魔だけでなく、天使も連れてきていたのです。

日本国政府はメタンハイドレートを次代のエネルギー戦略の重要な柱として、大規模予算(500億円)を投入して太平洋・南海トラフを中心として、調査研究を行ってきました。
そしてその集大成として今年3月、愛知・三重県の沖合水深1000メートルの海底を300メートル掘削し、メタンハイドレートのガスとしての抽出に成功しました。
地球深部探査船「ちきゅう」の船尾の塔の先から天然ガスの赤い炎が噴き出したのですが、それは世界初の快挙でした。

しかし実はこのプロジェクトに、大きな計算違いがありました。

太平洋側を中心とした大規模な調査研究と開発に対し、日本海側も小規模な調査を行ったところ、メタンハイドレートの埋蔵に関して、日本海側が太平洋側よりも圧倒的に優位にあることが分かったのです。

まず太平洋側は深い水深の海底から相当の掘削が必要なのに対し、日本海側の海底は浅く、その上メタンハイドレートが地表に露出した表層型だったのです。
その上決定的だったのは、太平洋側は砂や岩との混合なのに対し、日本海側は純粋な塊として存在していたのです。
現在までに日本海で発見された225ヶ所のひとつ新潟県では、上越市の街の灯が見える水深の浅い海底には、真っ白いメタンハイドレートがむき出しのまま広がっていたそうです。
その調査研究の予算の累計として、太平洋側が500億円に対し、日本海側は270万円だったのは、まさに大誤算だったのです。

とはいえ、メタンハイドレートが日本の主要エネルギーとなるためには、多くの課題をクリアしなければなりません。

まず大量に、そして安定的に、そしてなにより既存の石油や天然ガスより低価格で、生産・供給が可能なシステムの構築が必要となるわけです。
そして最大の課題は、採取方法の確立で、前期の三重沖で成功した方法は、あくまでも太平洋型の採取方法であり、それは採算ベースから見れば遠く及ばないとのことでした。
そのため採取が容易であると想定される日本海側をターゲットとして、全く新しい採取方法から商品までシステムを構築することが急務となっているのです。

今こそ画期的な採取方法の開発による「技術の日本」を証明する、またとないチャンスが訪れたのです。
言い方を変えれば、巨万の富を得る、またとないチャンスが訪れたのです。 

                   

話変わって、アメリカが採取方法を開発したオイルシェールの話をします。
それまでのアメリカは世界最大の石油輸入国でした。
しかしアメリカの地下には岩の中に染み入っている石油がオイルシェールとして膨大にあり、その採取が不可能とされていたのですが、その不可能に打開策を求めました。
それは国を挙げての研究開発であり、ついにオイルシェールの採取に成功しました。 
それによりアメリカの石油生産が飛躍的に増大し、そしてなんと石油輸入国が輸出国までになったのです。
その上新たに40万人の雇用を創出したのです。 

石川県生まれの私は、能登・それも奥能登が大好きで、何度も旅を重ねているのですが、上の絵はその印象を描いた1枚ですが、旅には老人ばかりで全くといっていいほど若者との出会いがありませんでした。
それは雇用のチャンスを求めて若者は街に出るしかなく、残ったのは老人だけになってしまったからです。
能登の周りの海もメタンハイドレートの有望地と言われており、もしメタンハイドレートに関連した産業が興れば、能登は大きく変わるに違いありません。