小学校を卒業して55年。同窓会に出席してきました。
石川県の白山を見上げる水田地帯の中の小学校が私の母校で、当時の同窓のほとんどは(兼業農家の私も含め)稲作農家の子供だったのですが、今は数名がこの地でしっかり農業を守っており、K君もその一人でした。
K君は半世紀にわたりひた向きに米作りに取り組んできたことは、寡黙な彼の口から出る言葉からひしひしと伝わってきました。
それは集落のほとんどの耕作地を受け入れる大規模化に成功し、最新の農法や機械を積極的に取り入れるなどの近代化に取り組んできたのですが、70歳に手の届く今にして大きな障害に阻まれています。
血と汗の結晶を引き継ぐ「後継者」がいないことでした。
統計を見れば。後継者問題を含む農業従事者の減少は深刻で、過去5年間で30%も減少もしています。
その農業従事者も高齢化し、平均年齢は65歳を越えてしまいました。
日本の食料自給率は低下の一途をたどり、40%を切るまでになりました。
政府は自給率を50%に引き上げるといっていますが、それは口先だけのことで、現実の農業は留まるところを知らない凋落の道を歩んでいるのです。
理由はカンタン、「儲からない仕事には、人は集まらない」からです。
私は同窓会での酒の勢いもあり、失礼を省みずK君に以下の思いつきを話しました。
グローバル化で敗北した日本農業は、グローバル化で勝つしかない!
「グローバル化で勝つ」とは、具体的にこのようなことを考えました・・・
●農業従事者を海外に求める
これからの日本農業の担い手を、やる気のない日本の若者だけに頼らず、開発途上国の若者にも対象とすることを検討すべきではないでしょうか。
最初は海外農業研修員として行政主導で受け入れるのですが、継続して雇用すれば、リーズナブルな賃金でひた向きに働く立派な外人後継者が育つのではないでしょうか。
●海外に農地を求め、理想の大規模農業を展開する
中国や韓国では海外(アフリカ等)に土地を購入し、農業そのものの海外進出を真剣に検討しているのですが、国土の狭い日本こそ積極的に検討する必要があるのではないでしょうか。
日本は世界最先端の農業技術を持っているわけですから、海外で理想の大規模農業を行い、良質な産品を日本だけでなく世界をマーケットとして販売するのも可能なのです。
日本農業を守るとのことで「安心安全」だとか「地産地消」もいいけれど、そんな程度では日本の農業は抜本的な救済にはなりません。
日本の農業はグローバル化の中での価格競争で敗北したのですから、日本国内だけでの対応では根本的な解決は不可能に近く、グローバル化の中にしかその答えがないのです。