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時空を旅する その2 ( 旧岩崎邸庭園 )

2013-08-05 07:34:23 | 建物紀行

 旧岩崎庭園

『この庭園は、越後高田藩江戸屋敷から元舞鶴藩知事・牧野弼成、そして岩崎家本邸へと変遷し、往時には、1万5,000坪余りに20棟もの建物が並んでいました。
 第二時世界大戦後、国有財産となり、最高裁判所司法研修所等として利用されました。平成6年(1994年)に文化庁の所管となり、平成13年(2001年)東京都の管理となりました。昭和36年(1961年)に洋館と撞球室が重要文化財に指定されました。和館大広間は洋館東脇にある柚塀とともに昭和44年(1969年)に、さらに宅地、煉瓦塀を含めた屋敷全体と実測図が平成11年(1999年)に重要文化財に指定されました。
 このような経緯をもつ旧岩崎邸は、明治29年(1896年)に三菱創始者・岩崎家本邸として建てられました。現存するのは洋館・撞球室・和館の3棟です。洋館・撞球室は、英国人ジョサイア・コンドル(1852~1920年)の設計。コンドルは、明治政府の招聘で、明治10年(1877年)、工部大学校造家学課程(現・東京大学工学部建築学課)の教授として来日し、大学で教鞭を執る傍ら、百を越える洋館を日本で建てました。旧岩崎邸は現存するコンドルの作品では最古の建物で、邸宅建築の中では傑作と言われています。
 大名庭園の形式を一部踏襲している岩崎邸の庭は、本邸建築時に池を埋めて芝を張り、庭石・灯籠・築山が設けられました。建築様式同様に和洋併置式とされ、「芝庭」をもつ近代庭園の初期の形を残し、その後の日本の邸宅建築に大きな影響を与えました。』(東京都 都立公園・庭園案内より)


    
   袖塀  

中央に見えるのが、『岩崎家家紋の「三階菱」で、→土佐 土佐山内の「三ツ柏」→九十九商会の船旗号→現在の三菱(スリーダイヤ)の社章の基となった。』(案内看板より)


     
     木造2階建て・地下室付きのヨーロッパ式邸宅。大きなシュロの木が異国のようです。


 これが個人の持ち物だったなんて・・・。すごい・・・。
しかし、残念ながら内部は撮影禁止・・・、内部の写真はありません。


     
     正面玄関。ここから入館します。


 内部を1階、2階と見学して、和館を見学してお庭に出ます。


     
     和館は、元は、14室もあったといわれる居室部分。洋館と同じ時期に大河喜十郎を棟梁として建築。


     
     広大なお庭に面した洋館南側。

『洋館南側は、列柱の並ぶ、ベランダで、1階列柱はトスカナ式、2階列柱はイオニア式の装飾が特徴的である。』(パンフレットより)


          
          ベランダのタイルは、ブルーの美しいイスラム風のデザイン。


     
     和館(木々の奥、左側)と洋館(右側)


     
     手前、テラス部分は後から増築されたそうです。


     
     美しい洋館。


     
     山小屋のような撞球場(ビリヤード場) 洋館とは、地下でつながっているそうです。


     
     大きなヒマラヤ杉

          
          この巨大な卵みたいなものは・・・? ヒマラヤ杉の松ぼっくりだそうです。(杉なのに松ぼっくり?)


 洋館の方は、それはそれは豪華で、天井も高く、本当にお他所のお宅という感じですが、和館の方はやはり日本人、なんとなくしっくり落ち着く感じでした。一番気に入った場所は、日当たりのあまりよくない場所がしっとりと落ち着いた苔むしたお庭、苔に差し込む光がとても美しかったです。
それから、洋館の地下に続く階段(未公開)付近、階段を覗き込むと、「昔の匂い」がして、(だんなさんは、カビ臭いんじゃない?と言っていましたが・・・。)時の流れを感じました。
 関東大震災の時には、本邸を含めて地元の住民に開放されて、1万人位が避難したそうです。受け入れられる人数にも、受け入れる心意気にも感動してしまいました。
 
 


  施設紹介   旧岩崎邸庭園  東京都台東区池之端 1-3-45
                      ☎ 03-3823-8340(旧岩崎邸庭園サービスセンター)

 上野公園、不忍の池の近くです。次の「旧安田楠雄邸」に向かう時、不忍に池が見えました。蓮のお花が綺麗でした。

         
         設計者   ジョサイア・コンドル
               
                 鹿鳴館(現存せず)、ニコライ堂(御茶ノ水)、三井倶楽部(港区)など

         お弟子さんには、あの辰野金吾氏(東京駅、日本銀行を設計)がいます。

                                        
                                                 つづく