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ちょこっとドライブ その1 ( 伊豆の長八美術館 )

2013-02-02 09:54:02 | 不思議紀行
 去年の12月、だんなさんとちょこっとドライブに出かけたお話。
私たちが住む富士市は、南が駿河湾、北が富士山、伊豆も箱根も近く、温暖な気候(日本のカリフォルニアと呼んでいます、もちろん勝手にですが・・・。)の街です。
ですから、我が家では、ちょこっとドライブで伊豆にということがよくあります。中でも西伊豆や南伊豆は、首都圏からは交通の便が悪いので、あまり混んでいなくて、まだ幼かった子供たちを連れては、何度も訪れました。
 この日は、何度も行くので、かえってわざわざ寄ったりしないけれど、一度行ってみたいなあと思っていた「伊豆の長八美術館」に行くことにしました。


     
     美しい白い建物 「伊豆の長八美術館」


 日本随一の漆喰芸術の美術館
「伊豆の長八は江戸の左官として前後に比類のない名人であった。浅草の展覧会で長八の魚づくしの図のついたての出品があったことを覚えている。

殊に図取りといい、こて先の働きなどは巧みなもので、私はここでいかにも長八が名人であることを知った」。

高村光雲 長八の漆喰鏝江は西洋のフレスコに勝るとも劣らない壁画技術として、芸術界でも高く評価されています。

両者は共に漆喰の湿材上に図絵する技法で、フレスコは漆喰面と顔料溶液との科学的融合により堅固な画面を作り出すのに対して長八は、特殊な方法で下地を作り、色彩を自由に駆使する鏝画で、薄肉彫刻を併用する長所があります。

この様に貴重な長八の代表作品約六十点を二棟の展示館に集めました。」(頂いたパンフレットより)



     
     入江長八氏


 鏝(こて)と漆喰の芸術家 伊豆の長八
「入江長八は天佑又は乾道と号し、文化十二年八月五日(一八一五年)伊豆国松崎村明地に生まれました。父は兵助、母はてごといって貧しい農家の長男でした。

生来の手先の器用さに将来は腕をもって身をたてようと志し、十二歳のとき同村の左官棟梁関仁助のもとに弟子入りし十九歳の時、青雲の志やみ難く江戸へ出て絵を狩野派の喜多武清に学びました。

かたわら彫塑の技を修めてこれを左官の業に応用し、漆喰を以て絵を画き或は彫塑して華麗な色彩を施し、新機軸をひらいてついに長八独特の芸術を完成しました。

日本橋茅場町の不動堂再建にあたっては、当時二十六歳の長八は選ばれて表口御拝柱の製作にあたり左右の柱に見るからに風を巻き雲を呼ぶかと思われる一対の龍を描き上げて一躍名人として名声を博しました。」(頂いたパンフレットより)



 以前、どなたかの写真で、白い着物に赤い袴の女性が御簾を上げているような作品を見たことがあり、その女性の口から花びらが散っていてとても綺麗だったので、是非実物を見ていたいと思っていました。

     
     清少納言をイメージしたといわれる「春暁の図」

 明治8年、長八氏、61才の作品。旧岩科村役場一室の内壁に描かれていたものだそうです。


     
     修善寺 旧あさば旅館の戸袋に施されていた龍

 龍は雲を呼び雨を降らせることから、火災除けとして制作されたとのことです。独鈷の湯からちょうど見えるような場所に作られていたそうです。


 細かいところまで見たい方のために、受け付けでルーペを貸し出しています。
彩色された鏝絵は、他の物にはない独特な雰囲気を持っていて、不思議な魅力がありました。
白いだけの龍も生き生きとしていて迫力がありました。


  施設紹介   伊豆の長八美術館   賀茂郡松崎町松崎 23
                         ☎ 0558-42-2540

 ホームページに割引券有り。その他、松崎町の他の施設との共通券(少しお得)も有り。 

                                                    つづく