平成24年1月4日、今年最初の三面大黒天さんの甲子会法要があり伺ってきました。雪が残る中、ピンと張りつめた空気が身を引き締めてくれました。
延暦寺会館まで車で入り、法要の前に広大な東塔のお堂を回ってきました。 景色は、延暦寺会館二階食堂からの琵琶湖方面です。
延暦寺会館の前にある大書院の庭園
モミジの木が多く、新緑や紅葉の季節は趣があります。
大書院玄関
大書院門の前には、文殊楼が建ちますが、冬場は、危険なため階段は封鎖されております。 文殊楼へは大黒堂の横からお参り出来る様になってお
ります。
左手の一隅会館は、参拝者のための無料休憩所です。休憩所内には、比叡山全景の立体模型が設置されていて、比叡山が進めている一隅を照らす
運動の実践や、延暦寺を紹介する映像を放映しています。 一隅会館前では、1月4日にも関わらず、比叡山高校野球部の部員が集合しておりました。
坂本から走って登ってきたのでしょう。
大黒堂東側から文殊楼にまいります。
文殊楼は高い石段を隔て根本中堂の東側にあります。延暦寺の山門にあたり、徒歩で琵琶湖側の坂本から坂を登ってまいりますと、まずこの門を潜
ることになります。 慈覚大師円仁が中国五台山の文殊菩薩堂に倣って創建したものですが、寛文8年(1668)に焼け、その後建てられたのが現建築
で、重層和唐の混合様式の建築で、楼上には文殊菩薩が祀られております。
楼上にも上ることも出来、文殊菩薩を拝むことができます。
楼上に上る階段ですが、勾配がきつく上り下りに皆さん苦労されております。
文殊楼から見下ろす形になる根本中堂ですが、こちらの階段も閉鎖中です。
第三代天台座主の慈覚大師と縁のあった、朝鮮青海鎮の張大使の石碑
文殊楼の北側に建つ、星峯稲荷社に続く参道
星峯稲荷には、吒枳尼天(ダキニ天)が祀られております。 大黒堂の甲子会の法要が終わった後に、こちらで護摩焚供養が行われます。
星峯稲荷の前の道を下りますと根本中堂の北側に出ます。
根本中堂 延暦寺では三塔即ち東塔・西塔・横川にそれぞれ中心となる仏堂があり、これを「中堂」と呼んでおりますが、東塔の根本中堂はその最大
の仏堂であり、延暦寺の総本堂となります。延暦寺を開いた伝教大師最澄が延暦7年(788)に創建した一乗止観院(いちじょうしかんいん)が元であり、
その後何回も災害に遭いましたが、復興の度に規模も大きくなりました。現在の姿は徳川家光公の命で寛永19年(1642)に竣工したものです。ご本尊
は、伝教大師が自ら刻んだと言われる秘仏薬師如来が祀られ、宝前には開創以来の『不滅の法灯』が1200年の時を超えて輝き続けております。
根本中堂側から見た星峯稲荷への鳥居です。
伝教大師童子像は、根本中堂の前に建っており昭和12年比叡山改装1150年を記念して建立されました。
根本中堂にお参りし「不滅の法灯」を前に正座いたしますと、凛とした空気の中、背筋が伸び気が引き締まる思い
がいたします。
廊下は、板張りなので、この時期は足裏が凍りそうになりますが、根本中堂の中はホットカーペットが何カ所かに敷かれ足を温めることが出来ます。
文殊楼への階段
一晩中流されてるのでしょうか、凍結いたしておりませんでしたが、水が冷たすぎて味が分かりませんでした。
根本中堂から右に折れ大講堂への階段を進みます。
北野天満宮では、よく見かける牡牛さまです。
大講堂前の梵鐘は、自由に撞くことが出来、静寂なお山のなかを心地よい鐘の音が響きます。
大講堂は、昭和39年(1964)に山麓坂本の讃仏堂を移築したもので、本尊は大日如来で、その左右には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀ら
れていおり、また、外陣には釈迦を始めとして仏教・天台宗ゆかりの高僧の肖像画がかかっております
大講堂から、法華総持院・阿弥陀堂に向かう坂道の右手には、戒壇院が建ちます。
戒壇院は、天台宗の僧侶が大乗戒(規律を受戒)するお堂です。比叡山中で最も重要なお堂で、我が国に始めて大乗戒坦院を建立すべく、心血を注が
れた伝教大師の入寂後七日目に勅許を受け、828年第一世座主・義真座主により創建されたお堂であり、内陣に得戒和尚釈迦牟尼仏と、文殊、弥勒
両菩薩が祀られ、年に一度授戒会が行われます。
これから向かう法華総寺院東塔は、古絵図によりますと、多宝塔を中心に、東に灌頂堂、西に真言堂を配した一塔両堂式であったと見られます。現在
の伽藍は、伝教大師が比叡山を開かれて千二百年たった昭和62年に、これを記念して再建されたもので、東塔(二重の塔)を中心に北の阿弥陀堂(昭
和12年建立)と寂光堂、南に灌頂堂が配され回廊でそれぞれつながっており、およそ400年ぶりに復興されたものです。
右手の阿弥陀堂は、昭和12年(1937)に建立されもので、壇信徒の先祖回向の道場です。本尊は丈六の阿弥陀如来像を祀ります。一般の方々の回
向法要もなされております。詳しくは「祈願・回向」をご覧下さい。 またお堂の前には、水琴窟があり、美しい響きを聞くことができます。
阿弥陀堂の左手に建つ灌頂堂
一隅会館隣に建つ萬拝堂は、日本全国の神社仏閣の諸仏諸菩薩諸天善神を勧請し、合わせて世界に遍満する神々をも
共に迎えて奉安しており、日夜平和と人類の平安を祈願している平成の新堂です。萬拝堂内部 時計回りに一周して願い
事をいたします。
法要が行われる、大黒堂は、伝教大師最澄が比叡山へ登った折、この地において大黒天を感見したところであり、日本の大黒天信仰の発祥の地と言
われております。本尊の大黒天は、「三面出世大黒天」と言われ、大黒天と毘沙門と弁財天が一体になった姿をしておられます。
11時40分より甲子会の般若転読法要が始まり御導師さまと六名の僧侶の方が600巻の経典を転読され約一時間ほどで
終了いたします。 60日に一度回ってくる甲子に行われますので甲子会と申します。写真は随分昔のものですが、お正月
と云うこともあり 法要のあと延暦寺会館でお弁当をいただき、お堂に戻り御札と御供え物のお下がりを頂いて山を下ります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます