FORZA世界史inBLOG

世界史の復習をサポートするブログです

2000年一橋大学本試第3問 16-18世紀前半の銀経済

2020年05月03日 | 論述問題
次の文章を読んで,問いに答えなさい。
 15世紀末に始まるヨーロッパ諸国のアジアヘの進出は,主役とその形態を変化させながら,今日に及んでいる。初期の段階について考えると,彼らのアジア進出の目的は,当時のヨーロッパにおいて珍重されたアジアの物産を入手することにあった。この時期,彼らはアジアの物産を買い,それをヨーロッパ市場で売りさばいて利益をあげたばかりではなく,アジア内の貿易にも参加して,大きな利益を得ていた。

問 下線部分をよく読んで,16世紀から18世紀中頃にかけて,ヨーロッパ諸国はアジアの物産を買い付けるための貨幣をどのように得ていたのかを,金銀の産地や経由地を明示しつつ,説明しなさい。(65字以内)



【考え方】
時期は16-18世紀半。重商主義を展開し覇権国家となったのは16世紀前半ポルトガル、16世紀後半スペイン、17世紀オランダ、18世紀前半イギリス・フランス。銀の産地はスペイン領ポトシ銀山やサカテカス銀山と日本の岩見銀山。経由地はスペイン領マニラ市、ポルトガル領ケープタウン・マラッカ・マカオ、オランダ領ケープタウン・マラッカ・台湾・平戸。
【解答すべきポイント】
各国が銀をどのように獲得したか、について解答する。スペインはインディオの強制労働による銀山経営。ポルトガルは南シナ海の中継貿易に参入して香辛料を獲得しヨーロッパでの売却益。オランダは東シナ海と南シナ海の中継貿易と対日貿易の独占。英仏は毛織物工業を保護育成する貿易差額主義により貿易の黒字化。