メキシコの隅っこ

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生きた化石カブトガニ

2010-02-03 08:32:27 | 動物
昨日、月曜日は祝日だったので、お出かけしました。
って昨日も書いたっけ?
ボートに乗ってきたんですが、今日はそのボート周遊で立ち寄った無人島での収穫物、
興奮が冷めないうちに書かせてください。

ボートから島に上がって、砂と貝で覆われた浜に立ってわずか数秒。
ワンコが何やらふんふんと匂いを嗅いでいるので、ふと見下ろすと……。



うわああああっ、カブトガニだ!!!

メキシコにいるのはアメリカカブトガニ Limulus polyphemusですが、
日本にも普通のカブトガニがいます。(リンク先はウィキ)
古生代からずっと同じ姿で生き続けている古代生物です。

まだかなり臭かったですが、ワンコのウンチ袋を大量に持ち歩いているので、
それに包んでお持ち帰りしました。



これは昨晩、ダンナがフラッシュを焚いて撮った写真ですが、
今日の午後、これをきれいに磨きました。
ふふふ、生物屋はこういうのはお手のものです。



どだっ!
生きてるみたいでしょ~。

すでに昨日の晩ホルマリンを買いにいったんですが、見つからず。
実験用具とか売ってる店を教えてもらったけど、閉まってました。
ホルマリン漬けにするための平べったい蓋つき容器も買ってきたんですが、
これまた適当な目測で買ってきたら、尻尾が5mm長かった……orz
というわけで、臭いまんま洗濯場に放置。
今日、ダンナがホルマリンと容器を買ってきてくれる予定です。

でもホルマリン漬けにしたら、今はやわらかい部分も固まるし、
色も変わってしまうので、今のうちにと写真をたっぷり撮りました。



ナウシカに出てきそうな姿です。



左右に一個ずつあるこの目は複眼。
ウィキによれば1000個以上の単眼が集まっているそうです。

 脇腹のとげとげ

 頭のてっぺんの模様

 尻尾

尻尾の先は残念ながら、やや欠損していました。
でも尻尾にまでとげとげが生えてます。
とにかくこの甲羅はものすごく硬くて、そしてあちこち棘だらけです。

さて、裏返しますとちょっとグロくなるので、
そういうのが苦手な人は要注意です。

 裏から見た全身像

実は、持ち帰ってこの洗濯台に出して一晩明けたら、
蛆虫がいっぱいたかっていたことに気付きました。
磨くときにどんどん、出てくる出てくる。
いっそこのまま放置しておけばきれいに食べつくしてくれるんでは、
とか思いましたが、蛆のままではいてくれず、何かに変身するだろうし、
もうほぼ食べつくされているし、
関節部分まで食べられたらばらばらになってしまって困るので、
ごめんなさい~、と謝りつつ、全員流れていっていただきました。

 うじゃうじゃの足

カブトガニは、ウィキにも書いてありますが、
カニではなく、クモに近い仲間だそうです。
でもまあ足の感じとか見ているとやっぱりエビやカニに近いですけどね~。

スケッチしている暇はないので、足の一本一本、
棘の一本一本までわかるように大量の写真を撮りましたが、まあそれは割愛。
しかし古生代(4億年くらい前)から生きている動物の、
精巧な爪のひとつひとつ、並ぶ棘の精密さ、軽くて頑丈な殻の造りに、感動します。

足の下にある半月形をした膜をべろんとめくると……



半分くらい取れてなくなってますが、えらがあります。
肋骨みたいに、内臓を支えていた突起も並んでいるのが見えます。



えらの感じをわかってもらおうと、ホースで水を流しつつ撮ったんですが……
難しいですね。
平べったい丸いひらひらが、ぎっしりと一列に並んでいるんですが。

まだまだ乾いてないし、ホルマリン固定もしていないので、
こんなふうに……



関節のところでだらんと折れ曲がります。

 

ぶら下げて、裏表。
裏から見ると、半透明なのもわかるでしょうか。



改めて、正面顔。
左右の複眼の他に、中央正面に鼻の穴のように小さく二つ並んでいるのは、
鼻の穴ではなくて単眼です。



斜め後ろ姿。
こんな姿で、4億年も、どんな気持ちで生きてきてるのかなあ。

カルメンにカブトガニがいるという話は前から聞いていたんですが、
ダンナも私も実物を見たことはありませんでした。
今回、小さめの個体とはいえ、こんなのを見つけてラッキー。
いつか、生きているのを見てみたいものです。
どこへ行けば見られるのか、そのうちどこかから情報が入るのを期待してます。



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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マル)
2010-02-03 09:38:24
亀さん
生物学に三行半を突きつけて
ブログ学(?)に遺跡(じゃなかった移籍)したのはやっぱり
もったいなかったなと思いました。
いや、カブトガニを持ち帰り
写真をいっぱい撮り
解説も適度で、教科書のようだから
というのではありませんよ。
なんとなくね、今日のブログ全体から
流れてくる亀さんの匂いがね
私にはそう思わせただけです。
まあ道楽だからこそ
こういうことも出来るんでしょうけど。
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わんこお手柄~ (かおっぺ)
2010-02-03 11:19:54
亀さんすごいっ。カブトガニ!正面の姿がキュートですね。裏側は怖いけどもねぇ。世の中で蜘蛛が一番嫌いなので、蜘蛛に近い裏側の足とかはちょっと鳥肌立っちゃったけど。
磨いてぴかぴかになりましたね。亀さんコレクションに宝物が増えたのは、わんこのお手柄あってこそ(?)自然と亀さんの好きそうなものをサーチする能力が備わったのかな。
亀さんのコ―フンが伝わってきましたよ~。
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昔を思い出しました。 (koyuki)
2010-02-03 11:24:08
小学生のとき、学研でしたっけ、「科学」のおまけで卵がついてきました。うまく孵せませんでしたが……
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Unknown ()
2010-02-03 11:33:53
>マルさん
うーむ、13行にも分けてそんな恨み言を書かれてもねえ……。
まあ動物が好きなだけでは科学者にはなれないってことですかね。
でもホルマリンとかの知識がこんなところで役に立ったのは昔取った何とやら?

>かおっぺさん
そーなんですよ! ワンコお手柄でしょ~。
実はこの発見に大興奮したのは、古生物学が専門のダンナのほうだったんですが、
でも第一発見者はワンコだよねえ、とあとで私が言ったら、え? という顔。
だってほら、ワンコがふんふんと匂い嗅いだから見下ろしたらそこにあったでしょ?
と言っても、ダンナの脳内ではそのシーンは消えてしまっていたようです……。
私もクモはあんまり好きではないんですが(触るのとか勘弁)、
このカブトガニは足の先まで硬くてしっかりしてるんですよ~。
私はクモの、うっかり触るとべたっとつぶれそうなところが苦手なので、
カブトガニはまったく平気でした。
でも足の多さが嫌いな人にはこれも同じようなもんでしょうか……。
上から見てる分には、でもそれなりにかわいいでしょ~?

>koyukiさん
それはたぶんカブトガニではなくカブトエビだと思います。
同じく生きている化石ですが、もっと小さいです。
昔は田んぼとかにすいすい泳いでましたよね~。
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Unknown (OTTO)
2010-02-04 02:30:53
ややや...これは良いコレクションが増えましたな。 羨ましいぃ~。 
僕だったら臭い部分は捨てて、甲羅と上側だけ干すところですが、腹までとはさすがですな。 夫婦そろって生物学者の面目躍如でござんす。 
ところでカブトガニ、食べられるらしいですね、ふっふっふ...(料理人の面目躍如?)。  
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Unknown (Unknown)
2010-02-04 03:08:32
すげえ。
 カブトガニ、なんだかカッコいいですね。
 カブトガニのフォルム、素敵ですよね。かっこいい。(裏側は薄目でぼんやりとだけ見ました)

 色もまたいいですよね。乳のように滑らかな泥の色。陶器の色ですよねえ。
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 (ふく)
2010-02-04 03:09:37
 あ、上のコメント、名前入れるの忘れてました~
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カブトガニ憧れてました (はねたん)
2010-02-04 09:25:48
普通にそんなのが見つかることが不思議で、うらやましいです。ひさびさですいません。ちょっと落ち着いたので、ぺこり。
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Unknown ()
2010-02-04 09:55:01
>OTTOさん
うふふふ、いいでしょう~~~。
うーん、オブジェとしてなら確かに甲羅部分だけにしたほうがいいですね。
でもうちとしてはそれではやはり標本として不完全だし、
せっかく足もすべて残っているのにもったいないので、残します。
昨日の晩、もっと大きな容器とホルマリンをダンナが買ってきたので、
目分量で薄めてカブトガニを浸しました。
一晩置いて、掃除のおばさんにひっくり返さないよう気をつけてね、と言いつつ
容器の横から覗いてみると(蓋は不透明なタイプなので)
さらに蛆虫が浮いてきてるではないですか~。
あんなに洗ったのにまだいたのね~、と思ってじいっと見たら、うわ! 生きてるよ!
ホルマリンって何時間も浸ってても死なないもんなの!?
と思って蓋を開けて二度びっくり。
何十匹もうじゃうじゃと湧いて出てました。いやあ、まいった。
ホルマリンの悪臭に耐えつつ、全部すくいだして、たぶんもうそんなに残ってないはず。
一ヶ月くらいしたら取り出して乾燥させます。
しかしカブトガニ、食べられるんですか!?
ダンナに、OTTOさんがそんなこと言ってた~と言ったら、
どこ食べるんだ、って言ってましたが。
まあカニと似たようなもんでしょうか???

>ふくさん
すごいでしょ、装甲車のようでしょ。ナウシカの王蟲でしょ。
でもそうそう、まさに極上の陶器のように上品な色とつやなのですよね。
アップで見ると、きめ細かなひび割れが走っているところまで似てる?
残念ながらこの色艶は今しか保てず、ホルマリンで色は褪せ、つやも消えるでしょうが……。
なんかラッカースプレーを買ってきて吹き付けるとピカピカになるという話も。
やってみようかな~。

>はねたんさん
お久し振りです!!
お忙しかったのでしょうか?
またいつでも気が向いたときにコメント入れてくださいね~。
カブトガニ、やっぱりワクワクしますよね。
まあこの発見はこの辺でも珍しい部類ではあると思いますが、
でも実際にカブトガニが生息しているのも事実ですね。
いつか、生きているのを見てみたいものです。
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Holbox島 (金太な郎)
2010-02-05 07:17:49
凄いですね~。研究者の眼差しを感じます。
私は最近観たアバターという映画を思い出しました。
子供がサイエンスの大会のご褒美でHolbox島に
行ったとき、ウジャウジャいたそうです。カブトガニ。先生が感激して、3匹ほど死んだのを持って帰ってきたんだそうですが 車の中が臭くて臭くて、みんな吐きそうになったとか。
それでも捨てなかったのはサイエンスの先生だからですね。
ちなみに観光客がいる方ではなく島の人たちが
住んでる方の海岸だそうです。あそこはフラミンゴもいるし、楽しそうですね。
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