メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

モレリアの水道橋

2006-09-30 08:07:55 | 
二回の旅行でネタだらけになってしまって、
どこから出していこう?と悩んでしまう贅沢な日々なんですが、
ちょうどNANAOさんが私と同じようなところを旅行なさっているので、
それと連動しつつ紹介していけるところは連動させようかと。
(決してそれで説明をサボれる!とか考えているわけでは!!)

というわけで、NANAOさんのケレタロの水道橋紹介に合わせて、
私はモレリアの水道橋です。
そうそう、コスモスのところでもちらっと水道橋出てきましたけど、
あれはちゃんと撮影できなかったので、またいつか。

しかしこれもまた、カフェ・メヒコの山田俊彦氏写真展第四回でも
ケレタロに続いてすでに紹介されています。
詳しい解説はそちらをご覧ください。
それに、町の風情がだいぶ変化しているのを見比べるのも楽しいです。



街中を通る水道橋。
お天気はこれまた果てしなく悪かった……。
ぱらつく雨の中、それでも散歩する親子連れがほほえましいです。

今は使われてないと思うんですが、
それにしてはしっかりと綺麗に残ってるもんですね~。



くねって道の下のほうに左へ回っているところまで見えてます。
長い長い。



広場の反対側には教会が控えめに塔を覗かせ、
そこにはハトが点々と止まってました。

余談ですが、モレリアといえばサッカーチーム・モナルカスの本拠地。
ふと公園の向こうを見ると、



赤黄の縞模様にMの字のモレリアチームのロゴが。
うーん、あそこは何だろう、チームの練習場とか、
それとも単に個人のファンが自分ちのタンクを塗りたくっただけか……?

水道橋に沿って車を走らせると、
アーチをちゃっかりお店の入り口に利用しちゃっているところもあり、
おいおい、いいのか!?

そして水道橋は緩やかな登り坂に向かって、
アーチがどんどん低くなり……



最後のほうのアーチ下は倉庫みたいに使われて、
とうとう地下水道へと流れこんでいく、ようになっていたみたいです。

うーん、もったいない、今も使えそうなのに、
と思うくらいよく整備されて綺麗な水道橋でした。
アーチというのは単純な形だけれど、連続しているととても美しいもんですねえ。
教会の中でもよく使われていますが、
水道橋というのは、青空の下(まあ今回は曇ってましたが)
伸び伸びと続いていく姿に、
いつまでも残したい気持ちがとてもよくわかる、
と思いました。

飛ぶ人 - ボラドーレス

2006-09-29 08:24:55 | 催し物
メキシコの伝統的な「踊り」に、Voladores
「飛ぶ人たち」があります。
もともとはパパントラ地方のトトナカ族の伝統だったようで、
遺跡エル・タヒンでもやっていますが、
今ではけっこうメキシコ全土のあちこち、
人が集まるところでやっていることが多いです。

今回、人類学博物館の前でやっているのを写真に撮ることができました。
お天気は果てしなく良くなかったですが、
まあそれも一興?

まずは30mあるポールのてっぺんに、5人のおじさんたちが登ります。
ひとりは笛を吹き、残りの四人は腰に紐を括りつけます。



そして、四人は頭を下にしてぶら下がり、
回転するポールヘッドに振り回されるように……



飛ぶわけです。
空が不穏にグレイなのがいっそう不安をかきたてます……かね?
てっぺんに残るおじさんは、くるくると回りながら
終始ピ~ヒョロロと笛を吹き続けています。

 

飛ぶおじさんたちをズームで捕らえようとしたんですが、
難しいです。
けっこうなスピードで飛んでいて、シャッター速度の遅いカメラでは
紐しか写らない写真がいっぱい出ました。
どうにか二枚だけ。

ますます暗雲立ち込める空から



どんどん舞い降りてくるおじさんたち。
どこかで読んだ説明では、この人たち、きっちり13回転するんだそうです。
4人が13回転、掛け算で52という数字はマヤカレンダーで一周期を表す数字。
ちゃんと意味があるんですね~。
でも本当に13回転したかどうかは、数え損ねました。



かな~り降りてきました。



うわ、頭をぶつけそうです。
どうするのかと注目して見ていると、



ギリギリのところでちゃんと体を起こして、
足から着陸。さすが。

これはもう完全に観光でやってますので、
飛ぶ合間に周囲で見ている人たちに帽子を差し出して寄付をお願いします。
みんな、チャンリンチャリンと小銭を入れます。

このあとチャプルテペック公園を散歩してぐるっと戻ってくると、
この派手な衣装を着たおじさんたちが
木の下に座ってサンドイッチを食べてました。
なんか、微笑ましい風景でした。



関係ないですが、ビールのCMでこのボラドーレスを使ったものがあります。
ビルの谷間、ひときわ高いビルのてっぺんから、
ボラドーレスたちがゆったりと飛びながら降りてくる。
それを驚いて見上げる人々。
ビルにぶつかったら死にますわな~~

鳥を模することで、神への祈りでもあったダンスのひとつだそうです。
綺麗な青空をバックにした写真が撮れればよかったのですが、
まあ今回はこれで我慢してください。

コスモスと虹

2006-09-28 09:36:21 | 植物
またまたのお出かけから帰ってまいりました!
今回もいろんなところへ行きましたので、またのんびりと
ここで紹介していこうと思います。

今回は飛行機の安いのがうまく取れなくて、
トルーカへ飛んでそこからシティまでバスで、というコースでしたが、
初めて降り立つトルーカ空港は、工事中とはいえ、
滑走路のあいだあいだに華やかなピンクの花が。
もしかしてコスモスかなあ、と思っていたら、
やはりそうで、今ちょうどメキシコ高原では季節でした。

それで、シティの北側へ出かけた日、
私と友人Yさんのために自らアッシー君を買って出た
Rさん(ちなみに私より二周り歳上)が、コスモス畑を見に連れてってくださいました。



お天気はいまいちだけど、花はやっぱり綺麗だよ~。
なだらかな丘の続く風景に、一面のコスモスです。



ほら。
うーん、電線が邪魔だけど。



風に揺れて、一輪を撮影するのは難しかったです。

ふと見ると……



虹だぁ!
うんうん、お天気が悪いのも、こういう効用があるなら許せます(?)。



反対側にも立ってます。
まるで山から生えているよう。

あ、こちら側は二重になりました!



コスモス畑を歩いていくと、虹のたもとに辿り着けそうです。



眺めるうちに、虹はだんだん伸びて
空を昇っていきました。
虹のちょうど真ん中に見えているのは、
道の突き当たりにある水道橋です。
公園になっていて、渡れるそうですが、
この日は時間が遅くて、中には入れませんでした。
でもそのおかげで、通る車もなく、ゆっくりとコスモスと虹を楽しめる。

あら、見てください。



谷の向こうにあるように見えていた右端が、
いつの間にかコスモスから生えてます。

そうしてとうとう空のてっぺんで虹がつながりました。
水道橋をぐるっと囲むように、そして両側にコスモスの海。
一枚に撮影したかったのですが、無理。
合成してみたけど、やっぱり継ぎ目がくっきり出てしまいますね。



皆さんの脳内で継ぎ目は修正して、
雰囲気だけでも味わってください。

絵本にでも出てきそうな風景を、じっくり堪能できた午後でした。
同じ道端に、もう一台車を停めて、携帯で撮影しているお兄さんがひとり。
雨が本格的に降りだして帰るときに、片手をあげて挨拶してました。
この見事な風景を共有した数少ない人類ですもんね?



ちなみに、コスモスと言うと
メキシコ原産のオレンジコスモスなるものがあるそうで、
そんなことを知らなかった私は数年前、帰国したときに
園芸好きの父親にバカにされました~。

へぇ、そんなもんあるのかなあ、と思っていたら、
今回行ったクエルナバカ近郊のショチカルコという遺跡に、
オレンジコスモスの群生が、あっちにもこっちにも。



なぜか写真では黄色っぽく見えてしまいました。



ちょっと黄色っぽいのも混じってるんですね。
でもオレンジ色です。



遺跡や世界文化遺産の町なんかも面白かったけど、
こういう風景はいつでも見られるものではないので、
それを友人と一緒に眺めて、綺麗だねえと溜め息をつける時間は
本当に人生の中でも貴重なものだったと思います。

皆さんにも何分の一かでもおすそ分けできると嬉しいですが……。

メキシコに関するちょっとマイナーな本

2006-09-19 05:10:36 | 文学
今日は午後から出かけます。また一週間ほど(正確には26日まで)留守になります。
そのあいだ、またまたブログはお休みです。
申し訳ありませんが、ネタを頑張って仕入れてきますので、
26日からまたどうかよろしくお願いします。



というわけで、今日は少し趣向を変えて、
あまり知られていないけれどもメキシコに関心のある人になら、
と思える本をいくつか紹介しておこうと思います。
アマゾンに(古本であっても)ある場合は、リンクを張っておきます。

まず、これは以前よそにも書きましたが、
遠藤周作の『』という作品があります。

 (この画像はたくさんあったので、どこかから拾ってきました、あしからず)

17世紀に貿易の許可を求めて日本からメキシコ(当時はヌエバ・エスパニヤ)へ、
そしてそこからさらに欧州へと渡った侍、
支倉六右衛門常長をモデルに、その長い旅程と、
新しい世界を見る侍の驚きや葛藤を描いたものです。

メキシコはその旅のほんの一部でしかありませんでしたが、
アカプルコに到着して、メキシコシティまで、
そしてさらに欧州へ渡るためにベラクルスまで、
メキシコを横断した部分は、メキシコを知る人には興味深く読めると思います。

さて、その中で私がとても気になったのは、
支倉に同行した下級武士や商人たちの大部分が欧州行きには加わらず、
メキシコに残って支倉たちの帰りを待ち、
さらにはそのあいだにメキシコ人の妻を娶ったりして、
最終的に日本にすら帰らずにメキシコに残った、という記述でした。

その子孫について調べた本を、偶然人から借りて読んだことがあります。
城山三郎の『望郷のとき―侍・イン・メキシコ 』という本でした。
これは私もいまだ入手できず、画像が見つかりません。

二部構成になっていて、前半は当時の歴史を、
後半は当時の日本人の子孫を探し出してのインタビューを、という形だったと記憶してます。
が、借りて読んだころは私には、
むしろ日系の血を引くメキシコ人たちに、日本の血はあまり意味のないものだ、
という話くらいしか印象に残りませんでした。
またいつか手に入れて読み直そうと思ってますが。

さて、それから最近ようやく手に入れた本ですが、
大泉光一『メキシコの大地に消えた侍たち―伊達藩士・福地蔵人とその一族の盛衰』。

(画像はアマゾンから)

これは、もうまんまですね。
遠藤周作で私が気になったところを調べてある本です。
て、まだ冒頭を少し齧っただけなんですが

こういう裏の歴史みたいなものって、どうしてこう面白いのでしょうか。
無名の、けれども異国でしっかり生きていった人たちの話は、
なぜかいつもワクワクします。



さて、少し趣が違いますが、
ル・クレジオという作家をご存知でしょうか。

メキシコインディオの神話や民話を研究した本を何冊も出している人です。
が、もともとは素晴しい物語作家でもあり、
海を見たことがなかった少年―モンドほか子供たちの物語 』という短編集は
その文章の美しさに、胸がいっぱいになります。

 (画像はアマゾンから)

日本語で読んでもおそらくその美しさは感じ取れるのではないでしょうか。
文庫もありますね。

そのル・クレジオの、
マヤ神話―チラム・バラムの予言』。

 (うちのボロ本なんで汚ないです)

そして『チチメカ神話―ミチョアカン報告書

 (上に同じ)

ル・クレジオの素晴しい筆で、メキシコインディオの神話が描き出されています。
すみません、せめて冒頭を引用しようと思ってたんですが、
ちょっとでかける時間が迫ってきました。帰ってから書き足します……。

そしてこれまた最近手に入れて嬉しくて自慢しちゃいたいのが
ル・クレジオ『メキシコの夢』。



これもまた、インディオの習俗や神話を調べ上げた、
けれども学術書というよりは文学として仕上げた本です。

すみません、ホントは沢木耕太郎の『深夜特急』文庫版第4巻の巻末対談、
これもよそですでに書いたりしてるんですけど、
そこにもル・クレジオの名前が出ていて、
インディオや古い文化に接するやり方、みたいな話があって、
それにも言及したかったんですがぁ~~。

最後に大急ぎで、もう一冊。
ル・クレジオ『砂漠』という、これはメキシコには関係のない小説で、
おまけにアマゾンでは検索しても出てこなかったんですが。



実は私が読んだル・クレジオはこれが初めてでした。
アフリカのベルベル族の血を引く少女がフランスの片隅で生きている、
彼女の内側にはベルベル族の神話が生きている、
人の生きる力には、過去の神話と未来への夢と、両方が必要である、
そんなテーマを感じさせる物語です。

初めて親元を離れてドイツへ旅立ったとき、持っていった数少ない本の一冊でした。
外国で暮らす上で、いろいろ考えてしまうことってあると思います。
これらの本が、そういった事柄へのきっかけやヒント、勇気付けになってくれればと思います。

すみません、いっぱい書き落とした話がありますが、
またそれはいつか、ということで。
では、行ってきます!

メスカルの作り方

2006-09-18 09:13:38 | 食べ物・飲み物
リュウゼツラン、アガベ、もしくはマゲイから作るお酒いろいろに関しては、
以前にもその違いや神話をこことかここで書いたことがあります。

あら、そこにも私、書いてますね、
メスカルはオアハカって。
忘れてました~。

でも行けば一目瞭然。
ミトラへ向かう道の途中には広々とリュウゼツランの植わった畑が広がり、
点々とメスカル工場が、と言っても実に控えめな農家に毛の生えたようなもんですが、
散らばっています。

で、私たちの参加したツアーの一環で、
連れて行かれたレストランの裏で作っているメスカルの工程を見せてもらいました。
まあこれはオーソドックスな観光コースのようなので、
ご存知のかたもたくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。

まずはこれです。



巨大パイナップル、ではありません。
リュウゼツランの葉っぱをすべて切り落とした芯の部分です。

これを、こんな地面の穴に……



入れて、上から石を積んで蒸し焼きにするんだそうです。
それから、それを取り出してくるとこんな感じで……



じっとりと甘味が出て、全体が柔らかくなってます。
これをしゃぶってみろと薦められて食べてみました。
するめみたいに筋が残りますが、じんわりと甘い味がにじみ出てきます。
手で簡単に割けるくらい柔らかくもなってます。

そして今度はそれを……



こんな装置で曳きつぶします。
車の部分は人でもロバや馬でも回せるそうです。
ぐ~るぐる、と気長に回ってじっくりつぶすんでしょうね~。

そしてすっかりほぐされてバラバラになったものを、



こんな木桶に入れて発酵させる。
ちょっと見、肥え桶みたいですが、間違えてはいけません。

そして充分発酵したものを、今度は蒸留します。



中央のバケツみたいなところに木桶の中身を移し、
下からかっかと熱すると、管の部分を伝ったアルコール分が
両脇のプールに滴って溜まる、というわけです。

うーん、この激しく原始的な装置が、中世っぽくってステキだなあ~。



そのあとは販売の時間ですね。
レストランのカウンターに連れて行かれて、
ココナツ味、
マンゴー味、
バニラ味、
コーヒー味、
イモムシ味、
などなど各種味付けを施したメスカル酒を
もう次から次へと手渡されます。
もういいッ、もういらん、もう飲めん!
とどれほど喉を嗄らして断わり続けようとも、
カウンターのお姉さんは耳などないような顔をして注いでは差し出すロボットです。
下戸の私は慌てて、「写真を撮ってくる」とその場を逃げ出しましたがね。

しかしまあ、実際おいしいです。
アルコール分もさほど強くないですし、
まあ一通り全部味見をしても、立てないほどベロベロに酔っ払う
という心配はないでしょう。

そのあとも、あちこちでメスカル販売コーナーがあって、
そのたびに試飲を強制されて参りましたが。
銘柄によってわずかに味や風味の違いもあるのでしょうね。
どれがおいしいとか、そんな微妙な違いまでは私にはわかりませんでしたが。

まあお酒の好きな人は、遠慮しないであちこちで気がすむまで
味見を楽しんで、おいしいところを見つけてください。

海辺の風景

2006-09-17 12:18:52 | 風景
週末だし、というか独立記念日だし、
と言ってもサッカーは普通に、いや、普通以上にやってまして、
我が家も別にどうってことはなく、シティならいろいろ普段の独立記念日と違って
面白いことがあったようですけど、まあいいとして(いいのか!?)。

ともかくもそういうことなので、ちょっと気分を変えて、
今日は海辺の風景です。
これももちろん、亀弟夫婦と行ったところなんですが。

カルメンはまあ泳げるところはあるんですけど、水はそんなに綺麗じゃないです。
メキシコ人は泳いでますけどね、
私も大学にいたころは必要に迫られて入りましたけどね、
カリブ海の透明度に慣れていると、とうていわざわざ入りたいとは思わない海です。

しかしまあせっかくメキシコの海まで来たんだし、
泳ぎた~い、ということで、いろいろ思案した挙句、
島の反対側までワンコを連れて行くことにしました。



どうやって行ったかとか(弟の無免許運転だ!)、
行くはずだったところ通り過ぎて橋を渡っちゃったじゃないよ!とか
まあ深く追求されたくないところも多々ありますが、そこらはすっ飛ばして。



辿り着いたビーチ。
うん、これは海岸とか砂浜より、ビーチと言っても恥ずかしくはない、のでは?
水の透明度は相変わらずいまいちですが、
カルメンほど淀んではいない、はず。



ワンコもごっきげんさぁ~。

でまあ、人間とワンコと、それぞれ
泳いだり走ったり穴を掘ったり近所のワンコたちに挨拶したり、
しながら、夕焼けを待ちました。



夕暮れの空に舞うカモメ。



夕陽に向かって飛ぶ(クリックしないと見えないか)。



おうち(?)へ帰るペリカンたち。



そして落日。

日が沈んでから車で帰ったんですが、その途中の橋からは



さらに残照。



いやもう、堪能した半日でしたよ。

特にワンコはね、お客様は好きなんだけど、
特に遊んでくれる人なら大歓迎なんだけど、
今回はどうも私の長期不在の原因がこのふたりらしい、と薄々感づいていて、
しかもまた出かけようか~、ということになると、
すっかりいじけた顔でうずくまってしまって、
亀弟が慰めようと、しゃがみ込んで撫でてやったら、小さく唸る始末。
「ちゃぁんとわかってんだぞ~」ってことでしょうか。

でもドライブで海まで連れてってもらえて、
唸ったことを少しは反省したか!?
まあさすがに、これだけたっぷり遊んでもらったら、
満足して疲れたようで、その晩ぐっすり幸せに眠ったようです。
人間もかな

※亀弟夫婦の写真も使わせていただきました。上二枚です。

アメリカ大陸で一番でかい樹

2006-09-16 07:35:59 | 観光


サンタ・マリア・デル・トゥーレ Santa Maria del Tule という村が
オアハカ市から東に10kmほど行ったところにあります。
小さな村なんだけど、でっかい樹があることで有名。
上の写真がその樹です。
あんまり大きく見えないかもだけど、
手前の市役所が前掛かりに倒れかけているように見えるのは、
決して地盤が緩んでいるわけじゃなくて、カメラの角度のせいなんです。

アメリカ大陸で一番高いのではなく、
一番体積が大きい樹だそうで。



高さは42mですが、周囲が52m、直径14m。
体積80万立方メートル以上、重さは約64万トン。
重さって、どうやって量ったんでしょうか?

学名はTaxodium mucronatum、和名はヌマスギとかラクウショウとかいうようです。
ナワトル語でアウェウェテというそうですが、
これは「水の老人」という意味だとか。
樹齢2000年以上といわれるこの樹がここに育ったころは、
このあたり、今よりもっと水の豊かな土地だったようです。

ちょっととにかくでかくて、一枚の写真には収まりきりません。
樹の下に立って見上げると



まるで森の中。



幹はもこもこと複雑な形を描き、鳥があっちでもこっちでも飛び交って、
巨大な小鳥のマンションです。



まあ2000年のあいだにはいろんなことがあっただろうが、
この枝の形はいったい何があってこんなことになっちゃったんだ!?



ずっしりと緑の細かい葉っぱをつけた枝は、地面まで垂れ下がってます。

ちょっと和名を探していたら、こんなサイトがありました。
うーん、なるほど、これが一本の樹ではなく複数の合体したものだという「疑い」もあるのか……。
まあ一応一本の樹だということになってはいるようです。

しかしどっちにしても、その見事な姿に変わりはなく、
鳥たちの天国であることも疑いようはないし。

そして、この樹は教会の敷地内に生えているんですが
(じゃなくてこの樹の横に教会を作ったんでしょうが)
その庭もなかなかきれいで、散歩をするのに気持ちがよく、
こんなお茶目なものも。



ちょっとわかりにくいでしょうか。
ペナチョ(羽飾り)をつけて両手を掲げた格好に剪定された植木です。



そしてなぜかいきなり日本語が……。
てか、スペイン語訳がついていることにもびっくり。
スペイン語は「人類」だけではなく「地球」すべてと、さらに広大な願いになってますね。



市役所の向かい側も、こんな綺麗な公園になっていて、
うわ~~、い空~い雲~の山脈~い花~、
こんなところで一日のんび~~り座って
そこらで餌をついばむ鳥を眺めたり、
小説書いたり昼寝をしたりして過ごしたい。

と思ったんですけど、まあそういうわけにも行かず。
観光客は無情にも車に押し込まれて次の観光スポットへ。
いやいや、もちろん次の見学地もその次も、充分面白かったんで、
すぐにそんなことは忘れましたけどね。
でも写真見てたらまた思い出した~。
今度オアハカに行くときは、ゆっくり時間が取れるといいなあ。

食べられない虫特集

2006-09-15 00:14:41 | 動物
今日は虫特集、というか動物特集。
オアハカだけじゃないですが、なんか目につく動物をすぐ写真に撮りたくなる亀。





これはテオティワカンでふと見つけた、アリの巣。
赤いアリがグレイの砂利に映えてとっても綺麗だったんですが、
写真は色があまり綺麗に出ませんでした……。





こちらは先日紹介したイエルヴェ・エル・アグアで見つけた蝶、
と思ったんですけど、もしかしたら蛾かなあ?
まあ生物学的には大した違いはないわけですが、
背中にモシャモシャ毛が生えてるし、羽を広げて止まるところも蛾っぽい。
でも綺麗でしょ?





これもオアハカのあちこちで頻繁に見かけました。
大きさは1cmくらいなんですが、ド派手なのですぐ目につきます。
ツノゼミの一種じゃないか、ということなんですけど、
これは食べられませんと表示してあるような色合いですね。
本当かどうかはわかりませんが。
(擬態の一種で、警戒色を見せつつ実は毒なんかないハッタリ屋もいる生物界です)





このトカゲもイエルヴェ・エル・アグアで撮ったもんです。
見た目は腹の横の縞が虹色でとっても綺麗だったんですが、
変だなあ、写真に撮るとただの黄色になってしまいました。

ところで、オアハカってイグアナは少ないんでしょうか?
S子ちゃんが見たいというので、遺跡とか行けば絶対いるよ~、と安請け合いしてたら、
でっかいトカゲばかりで、イグアナがいませんでした。



モンテアルバンのイグアナ、かと思いきややっぱりトカゲ。
飛んでいる虫を狙っているのか!?
ズームを利かせすぎて、ちょいと画粒が荒くなってしまいました。



おっ、グリーンイグアナ!か?と思ったら、やっぱりトカゲだし~。
結局イグアナはカンペチェ州に行くまで見られませんでした。



まあイグアナは少ないとしても、
昨日紹介した『オアハカ日誌』によれば、
オアハカはメキシコ中でももっとも植物種の豊かなところだそうで、
となればきっと動物種も多いに違いありません。
三日やそこらではとうてい見尽くせない、広大な州ですね。

バッタの佃煮・続き

2006-09-14 08:54:42 | 食べ物・飲み物
え~、亀弟から写真を送ってきました。



こないだのバッタの佃煮のところで、aliciaさんがコメントくださった、
生きたまま食べるカメムシです。
aliciaさんはクエルナバカで遭遇なさったそうですが、
亀弟は数年前にメヒコに来たとき、タスコでこの写真を撮ったらしい。

……。
亀弟がこれを食ったのかどうかは……聞いてません。

なんか、見た目は
この辺でもときどき家の壁にへばりついているカメムシとよく似てる……。
食べられるんでしょうか?
む、とにかく今は、もしかしたら食用ということを、
万が一の天変地異で食料がなくなったときのために
覚えておくだけにしようと思います。



バッタの佃煮に関してですが、
S子ちゃんからも、「匂いがけっこうきつくて他に移りそうだった」
という話がメールで寄せられました。
そう言えばそうだっけねえ。
メルカードではまあいろんな匂いが充満してるし、
レストランで食べたときはチーズとトルティーヤにくるまっていて
さほど感じませんでしたが、
確かに匂い、けっこうしてたかも。
まあバッタの匂いよりも、チレの匂いかもしれません。

それから、これも弟たちが持ってきてくれたもんなんですが、
オリヴァー・サックスの『オアハカ日誌』という本があります(リンク先はアマゾン)。
サックスは脳神経科医として有名で、
ユニークな病状を見せる人々を描いた本を何冊も出してますが、
この本はシダの愛好家としてシダ観察ツアーでオアハカを訪れた旅行記です。

その中でももちろん、バッタは(イナゴとしてですが)言及されていて、
「オアハカに来てはじめて食べたもののなかで、わたしはとくにイナゴが気に入っている--
 ポリポリしていてナッツのようでおいしく、しかも栄養がある。
 たいていは揚げてスパイスをくわえて食べる」

という記述がありました(145p.)。

さらにイモムシの話や、昆虫だってもっと食べればいいのに、という話、
しかし蛍だけは食べてはならない、三匹食べたら死んでしまう、
ジギタリスに似た成分を持っているから、
などなど、興味深い話がいっぱい。

さらには、せにさんがコメント欄で、
ユダヤ人はエビを食べない、禁忌の昆虫の仲間だから、
というお話を書いてくれてましたが、
この本を読んでいると注釈に、
「ユダヤ教の戒律では、イナゴはほかのほとんどの無脊椎動物とはちがって、
 適法(コシエル)とされている。(中略)
 古代イスラエルでは収穫がかなり不安定だったことや、食糧不足のときにイナゴは
 マナのような天の賜物だったことを考えれば、
 これは理に適った、なくてはならない戒律だと思う」

ともありました。
普段なら読み飛ばしていただろう注釈ですが、今回はほほ~~っ、と感心。
そうかぁ、エビはダメでバッタ(イナゴ)はオッケーの民族もあるんですね。
いや、世の中広い&面白いです。

そうそう、さらに面白いお話が。
オアハカにお住まいのチャベスYUKOさんからの情報ですが、
オアハカでは、「バッタの佃煮を食べると必ずまたオアハカに戻ってくる」
という諺があるそうで、そう書いたTシャツなんかも売られてるとか。
うーん、ぬかった、そんな面白いもの見落としていたとは!

でも大丈夫、ちゃんと食べましたから、またいつか行くことになるはずです、オアハカ!



今日は皆さんのコメントやメールから広がったお話だけで
こんなに豊富な話題になりました。
一部了承を得ないで勝手に引用しちゃったりしてますが、ごめんなさい。
お嫌なかたはスミマセンが、ご一報くださればすぐに書き換えますので。

今日は写真が少ないですが、これで。

鍾乳の滝

2006-09-13 07:04:25 | 観光
すごく適当に、思いついたところからネタを拾っていくので
順不同ですが、これもオアハカです。

ツアーに頼んだおじさんが連れていってくれた、
イエルヴェ・エル・アグア Hierve el agua という滝、
名前は「水が沸騰する」というような意味ですが、
湧き水がボコボコと沸騰しているように見えるだけで、
実際には常温の水です。



こんな山の中に、かつては50ヶ所も清水の湧き出る ojo de agua 「清水の目玉」があったそうです。
が、今ではその清水もどんどん涸れてしまって、残っているのは
ここに見えている池を作り出すふたつと、
反対側にある滝の下にあるふたつの、合計四つだけだとか。



こんなふうに、岩からボコボコと水が湧いてます。

この水は、ミネラル分を大量に含んでいるため、
ここらの岩を溶かし、鍾乳洞に滴る水のように、白い滝の形の岩を作り上げていったわけです。



緩やかに流れる水は、水流の周りに白い層を作り上げるため、
こんなふうに、恐竜の背骨みたいな峰を作ってその頂上を流れる、
なかなか不思議な光景でした。



そしてこれが、もう一方の固まった滝。
知らずに見たら、普通に流れ落ちる滝に見えますが、
凍結してます。

オアハカの町から山地を越えた向こう側で、
その山地、Mixe ミシェ、とかいったかな?
山地は険しすぎて、アステカ族もスペイン人も踏破することができず、
そこに住んでいたインディオたちはそれゆえに征服されたことがないのだとか。

まあ……今ではこの滝もこうして観光客に踏破されちゃって、
緑色の美しい池ではアメリカ人らしい一団が楽しげに泳いでましたけどね。
でもそこまでの道は、チアパスを思い出す山のくねくね道、
崖側にガードレールなんて発想はそもそもなく、舗装さえしてないので、
雨が降ると泥で滑りやすくなるのだとか。
まあ、帰り道は別のもう少し遠回りだけど安全なコースを通ってくれました。

というのも、滝の上から谷間とその向こうの町を見晴るかしていると、
雨雲とその下に降り注ぐ雨がこちらに近付いてくるのが見えるわけです。
私たちが見学を終えて崖の上に待つ車へ戻ったとき、
ちょうどその雨雲に追いつかれて、降り出していました。
まあいいタイミングだったと思います。

これは今回思いがけず訪ねることのできた、楽しい観光スポットでした。

オアハカのバッタ佃煮

2006-09-12 06:50:29 | 食べ物・飲み物
もうどこからネタにしようか、迷っちゃうんですけど、
やはり手っ取り早いのは食べ物の話?

オアハカに行って最初に入ったメルカードの入り口に、
インディオのおばさんがふたり立って、
バッタの佃煮 Chapulin を売ってました。
(ホントは i にアクセント記号です。文字化けするらしいのでそのままにしてます)



ゲテモノ好きな(違います)亀の弟も、やっぱりゲテモノ好きなようで、
さっそく試食。
え~、私は食べようかと思ってつまんだんですけど、
親切な振りをして弟に「はいっ」と渡しました。

ニョキッと足が突き出ている煮干みたいな感じですかね。
たぶん、チレの粉とライムで和えてあるんじゃないかと。

パリパリと食った亀弟は、「買う」といって、
三種類、大中小とある中からもっとも高価な(って言っても20ペソくらいだっけね)
特大サイズを一袋買ってました。



買うなら、ってことでS子ちゃん(亀弟嫁)が「写真を撮ってもいいですか」と訊いて
パチリ、と撮ったのがこの写真なんですけど、
いいよと言ったおばさん二人は、しかしススス、とカメラを避けてよそへ行ってしまった。
うーん、シャイだな~。まあいいけどさ。



で、私は結局食べなかったのか、というと、
実は食べました。

晩のレストランでちょっとしたつまみにケサディーヤを注文したら、
なんだっけね、マッシュルームだったかが品切れでないという。
で、代わりにチャプリン(バッタ)のケサディーヤを頼んだわけです。

まあ普通にトルティーヤを半分に折って、
中にオアハカチーズとバッタがはさんであるので、
溶けたチーズをわざわざはがしてトルティーヤを開かない限り、
バッタの姿は見えないわけだ。

まあ、普通においしかったです。
チーズの塩味がメインで、バッタのライムとチレのほのかな味わい。
別に、ツンツン突き出た足が歯の隙間に挟まって難儀する、とかいうこともなく、
喉に引っかかって困るわけでもなく、
しごく普通に、煮干でも食べるように食べられました。
ダンナが一緒だったら、きっと逃げ出したことでしょうが。
(註:亀のダンナは生粋のメキシコ人です)



オアハカはメキシコの中でも、虫をいろいろと食べる地域だそうで、
バッタの佃煮以外にも、メスカル(また紹介しますが、リュウゼツランから作るお酒)に入れる芋虫とか、
その芋虫もメスカルに入れるのではなくて普通に売ってたりとか、
まあいろいろ面白いものがありました。

今回はゲテモノ試食ツアーではなかったので、
こういう話題はバッタだけで、スミマセン。

メキシコ最高峰

2006-09-11 07:01:55 | 風景
帰ってきました~。
と~っても楽しかったですが、さすがに最後の二日は朝が早かったりして、
帰ってきてからの土曜日曜、ゴロゴロと寝て過ごしてました。

帰りの飛行機から、火山がとても綺麗に見えていました。



やや遠景ですが、ポポカテペトルとイスタシワトル。
このふたりの火山に関しては前に書きましたので、こちらをどうぞ。
この日は曇りがち、しかもすごく低くて、
雲が綺麗にふたりを取り巻いて、気持ちよさそうでした。

それから少し行くと、今度はメキシコで一番高いといわれる、
ピコ・デ・オリサバ Pico de Orizaba



Guia roji(メキシコ国土庁みたいなところの地図)によれば、
ピコ・デ・オリサバは高さ5610mだそうです。

同様に、ポポは5465m、イスタは5230mとなってます。



明日からは、旅行の先々での様子などを少しずつ紹介していきます。
お楽しみに~。