メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

こっちとあっち

2008-06-25 12:15:26 | ニュース
メキシコ関連ニュースで日本語のものに、こんなニュースがありました。


麻薬戦争から逃れて米国に転居するメキシコ人
2008.6.24 00:47

 【メキシコシティー=USA TODAY(クリス・ホーリー)】麻薬密売組織に関連した抗争や誘拐事件が多発するメキシコ。治安悪化に嫌気が差した多くの人々が、米国に移住している。

 米国境に近いメキシコ・シウダーファレスに住んでいた弁護士のサルバドル・ウルビナさん(45)は今年2月、自宅を売り払い家族とともにテキサス州エルパソに引っ越した。「本当は転居はしたくなかったが、シウダーファレスでは犯罪者が勝手放題に行動するので、妻や家族のことが常に心配だった」と理由を明かす。

 サンディエゴの不動産業者、ミレイア・デュラソさんは「米国の住宅価格の低下もあるが、多くのメキシコ人が米国に移り住むのは、18カ月に及ぶメキシコ政府の麻薬密売組織掃討作戦で、治安が悪化しているからだ」と指摘する。ティファナでは今年だけで誘拐事件が118件も起きているという。

 ウルビナさんはシウダーファレスで仕事をし、夕方エルパソに戻る。「高いガソリン代や大気汚染のことを考えるとこんなことはしたくないが、やむを得ない」と話す。

 ティファナで寝具の卸売業を営んでいたフランシスコ・モンロイさんは店をサンディエゴに移した。米国で開業し、米国人を雇用すれば永久的に米国に住めるE1、E2ビザが取得できるからだという。「昨年9月に誘拐されたが、家族が身代金を払い解放された。政府も助けてくれないこんな危険な場所から逃げ出そうと、家族を説得して移ってきた」と話す。

ティファナやフアレスでの治安の悪さは、これまでもニュースで耳に入ってました。
フアレスにはインディオスというサッカーチームがあって、
それがこのたびめでたく二部から一部リーグに昇格したんですが、
そのインディオスに移籍することを、治安の悪さを理由に断わった選手もいるほど。
麻薬撲滅に政府や警察が頑張るのはいいんですけど、
市民に犠牲を出していては元も子もありません。

にしても、ちょっと不思議なのは、メキシコ人がそんな簡単に国境を越えて
あっちに行けるんだろうか? ってこと。
まあそれができるのは、ごく一部の富裕なメキシコ人だけなんだろうな……。



その一方で、数時間差でこんなニュースもありました。

安いガソリン求めて国境越え 米住民がメキシコへ

2008.06.23 Web posted at: 20:27 JST Updated - CNN

メキシコ・ティフアナ(CNN) 米国内でガソリン価格の高騰が続くなか、カリフォルニア州南部の住民らが安価なガソリンを求め、国境を越えてメキシコ側で給油するケースが目立っている。ただ、専門家らによると、メキシコ国内で売られているガソリンは硫黄含有量が多く、車の故障につながる恐れがあるという。

メキシコ国境から数キロの町、カリフォルニア州サンイシドロに住むリカルド・フェルナンデス氏は毎週一回、仕事の空き時間に、自家用トラックでメキシコ側のガソリンスタンドを訪れる。米国側で1ガロン4ドル60セント(1リットル約131円)のガソリンが、当地では1ガロン3ドル10セント(1リットル約88円)。20ガロンで満タンにすれば、計30ドル(約3230円)も節約できる。

行きも帰りも渋滞で、1時間から1時間半のドライブになるが、「スーパーあたりで買い物もすれば、さらに節約になる」と、フェルナンデス氏は言う。

一方、国境から北へ約160キロ離れた同州サンタアナ在住のペドロ・エルナンデス氏は、「ガソリンスタンドへ行くためにわざわざメキシコ側へ来ることはない」と話す。ただ、当地に住む親類にはよく会いに来るので、その時は「ついでに」給油も済ませることにしている。満タンで40ドルの節約だ。

ただし、全米自動車協会(AAA)自動車研究センターのスティーブン・マゾア氏は、メキシコでの給油について「確かに目先の節約効果はあるが、長期的にみると損をする恐れがある」と警告する。同氏によれば、米国の車に硫黄含有量の多いメキシコのガソリンを使い続けると、排気コントロール装置に故障が起きる可能性がある。その結果、車が排気ガス検査で不合格となり、多額の修理費がかかってしまうケースも考えられるという。

だがフェルナンデス氏は、そんな警告も気にならない様子。「愛車のトラックは今のところ、メキシコのガソリンで問題なく走っている。米国内のガソリン価格が下がるまで、それ以上の心配をする余裕はない」と、肩をすくめた。

これまた、はぁ~そうですか、てな記事。
まあこれ、「アメリカ人」じゃないんですよね、「米住民」なんですね。
名前を見ても、明らかにメキシコ系?

にしても、あっちに行ったりこっちに行ったり、忙しいことです。



もいっちょついでに。
大使館から来たメールに笑いました。

 「オレオレ詐欺(振り込め詐欺)」への注意

日本で流行っている「オレオレ詐欺(振り込め詐欺)」がメキシコでも確認されました。グアダラハラ在住の邦人の方からの情報です。状況は以下のとおりです。

1.発生日時
  6月5日(木) 15:00頃

2.発生場所
  グアダラハラ在住の邦人宅への架電
  (受信番号表示から、発信元はメキシコ市と判明)

3.発生状況
  家人が電話を受けると、スペイン語で、泣いている様子の男の声で「人をはねてしまった」との内容で、相手は「Soy Yo, Soy Yo(おれだ、おれだ)」と言い、電話口で身内の者を演じている様子であっ た。「うちには男の子はいない」と応じると、途端に電話は切れたとのこと。

んで、まあ注意するように、とのことなんですけど。
メキシコでそんな手口に引っかかる人、いるんでしょうかね?
しかもスペイン語しゃべる家族がいる日本人、となると対象も限られてきて、
やるほうもご苦労さんなことです。

エビ様の帰還

2008-06-15 03:45:54 | 
前にも紹介した、私の住む町の象徴であり立役者であるエビの銅像が消えた話
皆さん覚えていてくださるでしょうか?

あそこ、あれから(見れば四月ですね、いや、消えたのは二月か)ずっとずっと
工事中で、何やらいろいろいろいろやってましたが、
最近どうやら土台ができてきたなあ、前とはえらく違う形だなあ、
エビはもう戻ってこないんだろうか……
と遠い目をしていたら、
この金曜日に街中に出かけて通りがかったとき、ちょうど取り付けてました!

エビが、エビが、戻ってきたよ~!

で、今日(土曜日)に車でもう一度通りがかったときに写真~。



まだ下のほうでは今日も人が働いてましたが、
エビ様は燦然と輝いて、なんか、前より金色になってますか?
きっと、降ろされているあいだに、全身ピカピカに磨いてもらったんでしょう。

さて、これが完成したら、どんな華麗な噴水が舞い踊るのか、
それを楽しみにしておきたいと思います。

手作りトルティーヤ

2008-06-07 12:20:37 | 食べ物・飲み物
チャヤの写真を撮らせてもらった民家というのが、ですね、
メリダ旅行でウシュマルとかに行くツアーに参加したんですが、
そのツアーガイドさんが、「伝統的マヤ民家」を見せてあげよう、という話を持ち出し、
まあこれ、ぶっちゃけ、ツアーを組んでる会社とは別口にコッソリ、
ガイドさんの身内とかなんだろうな、とは思いましたけど、まっいいか。

マヤ民家自体は、私はよそでも見てるし泊まってるし、
写真は別に撮らなかったんですけど、
手作りトルティーヤだけは、普段から見ていても写真はなかなか撮れないので、
このチャンスにばっちりと。



手前のお椀に入ってる白いものが、トウモロコシの挽いた粉をこねた「マサ(塊)」で、
それを適量手に取ってクルクルと丸めて、両掌でパンパンとたたいて広げます。



そして、右手にある鉄板の上で焼いて、出来上がり。

食べさせてもらいましたけど、ちょっと生焼けだった。
まあいきなり(でもないのかも)大勢のガイジンが押しかけてきたら、しょうがないか。

訊いてみたところ、この家族は大人子供含めて8人で、一日2kgくらいのマサから
トルティーヤを作る、とのことでしたけど、
まあその数字にどのくらいの信憑性があるのかは、やや疑問。
8人分としてはちょっと少ない気はします。

このマサは、トルティーヤ屋さんでも売ってます。
私も、メキシコに来てすぐに飼い始めたオウムがまだ幼くて、
何を食べさせたらいいのかわからず、人に訊いたら、このマサを食わせろと言われました。
マサを買ってきて、こういうふうに手で叩いて作る方法、
二枚の鉄板をカスタネットのように合わせてそのあいだで平らにする方法、
それからトルティーヤ屋さんで全自動の機械で作られるトルティーヤを買ってくる方法、
いろいろあります。
その人の技量と暇とに合わせて、ってことですね。

その昔、シティの大学に通ってたころ、校内にある屋台のタコスをよく食べたんですが、
そこのトルティーヤは鉄板ではさんで平らにする方式で作ってました。
それがまた見事に、満月のごとく真ん丸なんですよね。
あの鉄板に、何か仕掛けでもあるのかな、と日本人の友人たちと言い合ってたんですが、
そんなものはなくて、ただ一日に何百と作ってる人なので、
たぶん丸める段階で完璧な球形になっているのでしょう。
それを鉄板にはさむと、これまた完璧な円形に。
まあこれも、こだわる人とこだわらない人の差はあると思いますが。

トルティーヤ屋さんの、ブリキでできたあのレトロな機械、
一度とっくり観察して写真も撮りたいと思うんですが、
うちはそうそういつもトルティーヤを食べるわけではないので、
お馴染みの店というのもなくて、言い出せずにいます。
マサを作るための大きな釜に、セメントを混ぜる要領でぐいんぐいんとかき混ぜるもの、
それを人が適量(頭くらいの大きさに)取って、トルティーヤ機の口に押し込むと、
それがベコベコの筒を通りながらぺったんこにされ、丸く切り取られ、
クッキーのかたどりをしたあとのように、余った部分はまた下に落ちて
まとめてこねられ、また次のルーチンへ、という流れ、だと思います。
この機械発明したのは誰なんだろう、とかちょっと考えちゃいますね。

ちなみに、この細い枝を立てただけの壁(と言っていいのかどうか……)は
ユカタン地方では割とよくあって、
寝起きするところはしっかりとした泥の壁ですが、
ここのように作業をするだけのところはこんなです。
風通しがよくて、適度に明るく、かつ影にもなって、ちょうどいいんでしょう。



外には犬が、内には猫が、おこぼれを探してました。

これだけ見せてもらって(プラスアルファでチャヤも)、
ゾロゾロと入った観光客20人ほどから、それぞれかなりのチップをもらって、
まあはっきり言ってボロい商売やってんなあ、と思いましたけど、
(うちのダンナの一日の稼ぎに相当するだけ稼いでたような気がします)
こちとらいかにメキシコ在住であっても観光客の身には違いなく、
まあこれで、質素な暮らしをしてる人たちの懐が潤うなら、それもいいか、
と思いつつ、周りの同じような家を見ると、
やっぱり何となく釈然としないところもありながら、結局観光業の促進に協力してきたのでした。