メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

メキシコのお墓

2008-04-22 04:50:44 | 雑談
日本の隅っこ」も無事終了しましたが、
その中で、日本のお墓が面白いと紹介。

で、先日ちょっと時間のあった週末に、ふと通りがかったカルメンの墓地に
見学に行ってきました。
墓地というより、霊園といったほうがいいのかな。
スペイン語ではpanteon(oにアクセント記号)です。



カルメンには二ヶ所あります。
実は、それぞれ知ってはいたんだけど、今回行くまで
きちんと区別がついてませんでした。
この入り口の門がちょっと似てるからかな?

まず最初に行ったほうは、門から入るとまっすぐに伸びるメインストリート?
そしてそこから左右に、

 

こんな感じになってます。

ここは一律、三階建て。
たま~に、ちょっとお金持ちとか名門一家のお墓があって、



こんなふうに独立したお墓になってます。
この写真は、私たちも知っている一族のものでした。
カルメンはちっちゃいので、ちょっと名士だと誰でも知ってるもんです(笑。

メインの中央を歩いていくと、奥にはちょっと違う感じの区画があって、



もう少しランダムになってました。
でも道らしい道はついてなくて、けっこう草ぼうぼう?
まあもちろん、奥になるほど行く人も少なくなるわけですが。

そしてメインストリートの正面はこんな野原で、



向こうのほうに十字架がぽつぽつと立ってるの、見えるでしょうか?
これは……たぶん資金力の違い?
と思いつつも、実は私は、こういうのが一番いいなあ、と思ったりして。

というか、ですね。
この三階建てで並んでいるアパート、要するに棺おけにぴったりの大きさなわけですよ。
まっすぐに寝かされてコンクリート詰めって、うーん、どうなんだろ?
まあ死んじゃってるんだから、別にどっちでもいいっちゃいいんですけどね。
何となく、気分としては素直に土に帰りたいかもな~。

さて、もうひとつのほうは、と行ってみると、これがまた
ちょっと雰囲気が違って、もっとおしゃれ?



何となく、それぞれ個性を追求した感じになってます。
まあ端のほうには一律アパートもありましたけど。



 これも一族っぽい

 

いろんなタイプがあります。

 空き家

 なかなか涼しげ

というか、これと同じタイルのトイレとかシャワーのところありますよね。

こちらの霊園のほうが、木が多くて、鳥の声もにぎやかで、
そして、どん詰まりにはイグアナもいました。

 イグアナのお墓参り

このイグアナ、ホントにここで首を上下させて、
お参りしているような感じでした。
邪魔しないように遠くからズームで撮ったけど、
こういうときやっぱりズームのもっと効くカメラがほしいよなあ。

ところで、この霊園ではランニングシャツのお兄さんたちが働いてました。
草抜きとかしてるんだろうなと、あまり気に留めてなかったんですが、
帰りに近くを通りがかって、そこに置かれた手押し車に
どーん、と乗っけられたブツをよく見ると……

横っ腹の丸い金具に複雑な模様がついて、丸い輪っかがついている。

え、これ、もしや……棺おけですか?

金属でできてましたが、相当錆びて、朽ちてました。
中は……土くれとゴミが入ってましたけど……。

うーん、その辺、どうなってるんだろ、
もう家族も子孫もいなくなって、誰も手入れしないところは、
こうして掃除しちゃってまた次の人に?
そうでないと、どんどん増えていくばっかだもんな。
でもメキシコは火葬はほとんどしないと聞いているし、
こうやってお墓に入っている遺体って、どうなるんだろうか?
いくら密閉されていてもやっぱり自然に朽ちて崩壊?
それともミイラ化?

まあ金属の棺おけってやっぱり珍しいらしいので、
金具部分のすばらしかったであろう細工を見ても、
これはそれなりの身分の人だったのかもな~、なんてことも思い……
何となくドラキュラとか思い出したりもして。



ずっと以前、シティで語学コースに通っていたころ下宿していたおばさんが、
11月の死者の日に霊園に連れていってくれたことがあります。

話せば長いことながら、このおばさん、元軍人さんで、
偉い軍人さんの、愛人をやっていた人、らしい。
アデナウアー(だったっけな?)と握手している「ご主人」の写真とかありました。

おばさんの若いころの写真を見せてもらったこともありますが、
うーん、今のぶっといおばさんからは想像もつかない美女でありました。

で、愛人だった立場から、そのご主人のお墓には、正式な家族が錠前をかけちゃって、
お参りもできないとか何とか、まあいろんな話を聞かせてもらい、
外からだけおまいり。

それはまあいいんですが、そのシティの霊園はもっと広くて豪勢でした。
有名な喜劇俳優カンティンフラスのお墓とかもあったから、
やっぱり相当お金持ちと有名人が集まるところなんでしょうね。



さいごについでに、霊園で思い出した写真、
2003年に車でモンテレイに行ったときのものですが、
うちのダンナのお父さん、私がこっちにくる前に亡くなっていて、
私は面識ないんですけど、
ダンナも実はお父さんのお墓に行ったことがないとかで
(ここはここで、またいろんな家族の事情が 笑)、
このときは車だったので、一度ぜひ、と行ったんですよね。

それがまた、モンテレイから外れて村から村へと辿りたどり、
シエラマドレがどんどん近付いてきて、
やっとたどり着いた村の、そのまた外れのオレンジ農園の小道をガタガタと揺られ、
コヨーテの遠吠えを聞きながら着いた、お墓がここ。



うちの犬を連れていたので、一応まずかろうということで
私とワンコはちょっと外で待ってたんですが、
お父さんのお墓がどこだか見つからない~、というので、
結局入って一緒に探しました。
でも……見つかりませんでした。

あとでダンナがお兄さんに文句言ってましたけど、
せめてどの辺りなのか、地図でも書いてもらえばよかったのに。
そんなに広くはないんですけど、
ここは土葬で、十字架に名札がぶら下げてある形式で、
まあ普段手入れしてないほとんどのところは荒れ放題。
名前もなくなったような十字架もたくさんありましたしね。

でも、私には、こういうところに行ったというだけでも貴重な体験でした。
なんかあの辺は、ぜんぜん空気が違うんですよね。
でもそういう話はまたいつか。

幽霊なんか写りそうにない(デジカメには写らないという話もあったけど)
メキシコの霊園でありました。


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14 コメント

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墓地 (忍者)
2008-04-22 22:25:19
流石!亀さん面白い所に気が付かれましたね
私は海外旅行で時間が有れば植物園と墓地を見ています
日本の画一的な墓と比べ外国のはそれぞれ個性があって興味をそそられます
カルメンの様に平らな所にずらりと墓標が並ぶのではなく集合墓と個別の建物風が主なのも面白いですね

DFの歴史のある有名墓地も豪華なのが有って驚かされますが戦後に開発された新しい墓地も素晴らしいです
母を案内したら一生に一度で良いからこんな所に入って見たいと言ってました(2度入るのは難しい?)
小さな一軒屋か教会の様な大きな墓には驚くばかり
ワインセラーが付き壁面に高価なワイングラスの棚があるのにはこれがお墓と信じられませんでした

金属の棺ではハプスブルグ家の廟所の大半が鋳鉄製でこんなに大きなものをどうやって地下の墓地に収納したが驚くばかり マキシミリアン皇帝のは簡素な銅製でケレタロから此処に来るまでに数回入れ替えられたのも興味深い話です
ご希望が有れば広場に写真を出します 
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Unknown (Egoist)
2008-04-23 00:14:52
日本の隅っこ、バッチリチェックしていましたよー。
最後のワンちゃん、カワイかったな。

ところで、メキシコのお墓は何だかホント
アパートとかお家みたいで面白いなー。
全体がミニ街みたいな感じで。

でも、私も亀さんがいいと書いているポツンとした
タイプが好きです。
コッチのが、ゾンビとかになれそうな気がするので。
土の中から腕がー!みたいな。(ナニソレ・笑)

で、棺桶の中ですがたぶん朽ちて骨っぽくなるんじゃないかな…。
所謂、白骨化ってヤツでしょうか。
数年かかりそうだけど。
ミイラ化はしなそう…密閉されてるから腐敗が進んじゃうような。

って、何でしょう。
この変な話は。
アヤシイ人じゃないですよ!(笑)
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お待ちしておりました (さくらんぼう)
2008-04-23 05:27:12
お墓、私も興味があって、色々お聞きしました。

壁のように重ねてあるのは、亡くなって、3年以内の方です。
そして、そのぐらいの年月がたつと、土葬なわけですから、自然と、風化して、骨になります。
次に、その壁を壊して、中から、骨を取り出すわけです。

そのための、墓堀職人さんが存在いたします。

そこで、お骨を、骨壷に入れれば、次の方用に、新しいお墓として、使えるわけです。

骨壷は、ご家族に渡され、個人のお墓を作って、今度は、広いお墓にお入りいただくことに。

ですから、壁のお墓の周りは、いつも、お参りの人がいるでしょ。
お花や、旗や、お飾りもしてあります。
寂しくないようにかもしれませんよ。

パンテオン(後ろにアクセント)、道路沿いにあるところがあって、そこは、いつも、人で賑わっていました。
メヒコにも、お墓事情がいろいろあるみたいです。


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墓堀職人と黒土 (金太な郎)
2008-04-24 22:17:08
亀さんのお墓のお話とさくらんぼうさんのコメントで 今晩から庭が怖いかも。
ご存知のようにこの辺は掘り返しても固い石灰質の痩せた土地。
黒い土を売りにくるオジサンがいて、せっせと
買っては、庭にいれて木や花を育てていました。
そんなある日、近所のオバサンが「あの土は
お墓から掘り出してきて売ってるみたいだから
もう買わないほうがいいよ」と衝撃のアドバイス!!!
「まさかぁ~!」と思いましたが、今日確信に。
うちの犬が庭をせっせと掘り返すのも、掘り返した穴に向かって吠えまくるのも、このせい?
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Unknown ()
2008-04-24 23:00:22
>忍者さん
何となく観光客ではない私は、お墓の写真を撮るのは気が引けて、
これまで行きたいと思いながら行ったことがなかったんですが、
たまに通りすがりに見かける小さな村の霊園など、本当に綺麗なところがありますよね。
これからはもっと勇気を出して、気軽に見学させてもらうことにしようと思います。
有名な人だと、何度も埋葬しなおしたり、日本でも分骨とかありますし、
お母さまも一度と言わず二度三度、いろいろなところを、
というわけにはやっぱりいきませんでしょうか(笑。
マキシミリアン皇帝の棺、写真をぜひともお願いします。

>Egoistさん
Egoistさんはゾンビ志望ですか(笑。
でもやっぱり何となく、死んだら土に埋めてほしいですよねえ?
メキシコの死者は例外なく骸骨さんなので、まあ骨になるんだろうとは思いました。
けど、掘り返されていたあの棺の中身は……? と考えるとちょっと……。
ミイラ化は、埋葬前の遺体処理をどうするかによって不可能じゃないと思うんですけど、
もしかしてEgoistさん、その関係のお仕事でも……?
いや~、そういうことって案外一般には知られてないので、すごく興味あります。
私も充分アヤシイ人ですかね(笑。

>さくらんぼうさん
おお~、話題に出してみるもんですね!
なるほどなるほど、と思ったんですけど、こちらのアパート式は、
もっと古いのもそのまま残っているようです。
写真に写っている限りの死亡年代を確認してみましたが、
古いものでは1950年代とか、80年代90年代も多く、
まあ中にはもう花も水もなく、誰もおまいりしてない感じのもありましたが。
さくらんぼうさんがお話を聞かれたのはどこの墓地だったのでしょう?
霊園によって、また払う金額によっても事情はいろいろあるのかもしれませんね。
人口の多い都会では、3年ごとくらいに取り出さないとすぐ満杯になるでしょうし。
私が見た、掘り出された棺は、本当に古そうでした。
写真を撮ってる罪悪感で、そのままコソコソと通り過ぎてしまいましたが、
お兄さんたちに話を聞いてみたらよかったかもしれません。
今度チャンスがあったら聞いてみますね。

>金太な郎さん
うーん、メキシコじゃありそうな話だから余計に怖いですね……。
ワンコ……何に向かって吠えてるんでしょう???
でもある意味、私なら、死んで分解されて土になって、
その土をせっせと手入れして綺麗な花を咲かせてもらえたら嬉しいけどなあ。
花に生まれ変わった、みたいな(笑。
でもやっぱりそのおじさん、お墓を勝手に掘り返すのはよくないから、
買うのはやめたほうがいいかもですね……。
金太な郎さん、夜こっそり庭を覗いてみてください、
骸骨さんたちが集まってドンチャン騒ぎしてるかもしれませんよ!?(笑
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Unknown (Egoist)
2008-04-24 23:52:27
そうですね。
ミイラ化は処理をすればたぶん…。
環境などによっては、何もしなくても
ミイラ化しちゃう場合も…。

って、残念ながら全然そーゆう仕事ではないです。
重ね重ねアヤシイ人ではないですヨ。(笑)
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メキシコ・シティーでのお話でした (さくらんぼう)
2008-04-25 04:18:00
インスルヘンテスのほうじゃなくて、もうひとつのトルーカに行く方の道は、パンテオンの横を通ります。
そのときに、説明をしてもらいました。

都市のお墓は、場所が限られているので、3年で使いまわしは、納得でした。
その後の、もう少し広いお墓は、ご家族が決めた石碑や、銅像みたいなものとか、いろいろですよね。

地方のお墓も、意外に、土地土地で、習慣みたいなものが変わるかもと予想されますね。
今度機会があったら、聞いてみてください。
お願いいたします。
現地調査は、亀さんに、おまかせ? いいでしょうか?
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所変われば・・・。 (あやたろう)
2008-04-25 22:34:21
人が亡くなれば、その体は火葬されてお墓に入って・・・。
っていう一連の流れってのを、当然の事のように
思ってたアタシですが・・・。
そうですよね・・・そんなん日本の習慣であって、
他の国では、そこそこでそれぞれの習慣があるとですよね。
なんだか、不思議。

ハナシはちょいとずれますが、長崎では
お墓で花火をします。(お盆の墓参りの時とか)
日本全国、共通のことだと思ってたアタシでした。
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新潟では (さくらんぼう)
2008-04-26 05:35:25
新潟のお友だちのところは、新盆の人は、お盆の夏、打ち上げ大花火をあげてもらうそうです。
そのためのお金をためてね。
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写真 (忍者)
2008-04-26 10:13:24
ちいちゃな広場に写真を掲げました
http://xbbs.knacks.biz/kamemexico
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