と言うことで、Bunkamuraザ・ミュージアム「神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展」を観た感想をサクッと(^^ゞ
ルドルフ2世がプラハ城(フラッチャニ城)に収集展示した驚異の世界を紹介する展覧会ではあるが、去年の「アルチンボルド展」の続きのような気分で観てしまった(汗)。もちろん、サーフェリーとかスプランガーとかヤン・ブリューゲル作品等にも目が惹かれたし、天文学や錬金術にまで及ぶ広大でめくるめく趣味世界の面白さも了解された。でもね、やはり私的にはアルチンボルド《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》が今回のハイライトだったような気がするのだ
ジュゼッペ・アルチンボルド《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》(1591年)スコークロステル城
画面の保存状態は決して良くはないが、アルチンボルドの秀逸な寄せ絵構成力と、個々の静物描力の見事な冴え具合を目にすると、彼の一番の傑作と言っても良いかもしれないと思う。頭を飾る葡萄や麦の質感、洋梨鼻に丸々とした林檎のほっぺ。ハプスブルグ家特有のしゃくれ顎を隠す髭の毬栗など💦。更に、野菜の胸部を飾る花々の瑞々しさなどヤン・ブリューゲルにも負けてはいない。それに、何よりもルドルフ2世に似ており、観る者にも確かにその威厳が伝わってくるのだから(・・;
ちなみに今回の展覧会には若き日のルドルフ2世の肖像も展示されており、壮年のでっぷりした肖像(すみません💦)しか知らなかったので目新しく観てしまった。なるほど…清々しい青年時代もあったのだと…(^^;
それにしても、今回の出展元はプラハ国立美術館やハプスブルグ家と関わり深いエスターハージー財団からの出展の他に、スウェーデンのスコークロステル城からも多く出展されていたのが目を引く。1648年にスウェーデンがプラハを侵略した際、ルドルフ2世のコレクションから多くの作品が持ち去られたのだから...。《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》もね。