花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

国立西洋美術館「カラヴァッジョ展」感想・番外編(2)

2016-03-12 00:34:51 | 展覧会

「カラヴァッジョ展」感想文は続ける予定だが、寒気がするので今日は早く寝ようと思う(^^;;

ということで、カラヴァッジョの風俗画の作風がわかるように、オランダのユトレヒト派作品(特に音楽主題を特集した)2006年春、フランクフルトのシュテーデル美術館「CARAVAGGIO IN HOLLAND」展での解説文を、拙ブログから再掲したい。でも、美術ド素人&横文字苦手の私が勝手に訳したので、違っていたらごめんなさい(^^;;;

■ CARAVAGGIO IN HOLLAND ■

カラヴァッジョはネーデルラント(オランダ)には行ったことはなかったが、反対にオランダのユトレヒトの画家たちがローマに赴き、カラヴァッジョの劇的なキアロスクーロ(明暗法)を自分自身の目で確かめることになった。

ヘンドリック・テル=ブリュッヘン、ヘリット・フォン・ホントホルスト、ディレク・ファン・バビューレンたちは、信奉するカラヴァッジョの新しい絵画表現を熱狂的に取り込み始める。

このオランダ人画家たちはカラヴァッジョの新しい絵画技法だけでなく、《リュート奏者》に見られるような上半身サイズの肖像画スタイルにも魅了された。そして、イタリアの保守的な古典的絵画技法や様式を壊すことにも熱中していくことになる。

カラヴァッジョの攻撃的様式とも言えるスポットライト照明は、周囲の暗闇から確実に主題を浮き立たせる。そして、画面に向かう鑑賞者に対し、画面との間の垣根を取り払い、劇的場面への臨場感を更に強める効果がある。絵画的空間の深さとコントラストによって、画面上の人物像の立体感といったら、まるで「触る」ことができそうではないか。

しかしながら、その両側面、ドラマとパトス、野蛮と宗教的熱情、エロチシズムと皮肉を伴いながら、人物の描写と場面についての論争を引き起こす。

1620~1625年の5年間は、激しい共通の興奮と論争を呼んだ。3人がイタリアから持ち帰った新しいバロックの多様な革新は、すぐにレンブラントの高度な発展へと向かうことになる。それは、シュテーデル美術館にある彼の《目を潰されるサムソン》によっても証明されよう。