goo blog サービス終了のお知らせ 

山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

減反政策について(2)

2013-12-02 | 農業

 昨日(12/1付)の朝日新聞-波聞風問に「減反廃止 農政大改革、看板に偽りあり」と題する同社編集委員である、原 真人氏の一文が掲載されておりました。この中に次のような記述がありました。

 -以下引用- 《コメの競争力を強められるかという目線でみれば、減反廃止の改革は「看板に偽りあり」と言わざるをえない。例えば、減反補助金を減らすというが、実態は民主党政権が作った補助金をやめて、「安倍政権の補助金」につけ替えるだけだ。これでは週末農業の小農家も超高齢農家も、補助金に期待して農地を手放さないだろう。本来はそういう農地を手放させ、若い担い手に集約する。そんな流れをつくるべきなのだ。》 -以上-

 私は、その名指しされた兼業農家です。この言われ方に対して、腸が煮えくり返るような怒りを覚えます。10アール当り、たった一万数千円の補助金に期待していると本気で考えておいでなのでしょうか。畦草を刈ったり、水路の維持管理作業に費やす一日分にも満たないような金額じゃありませんか。どうせ休日返上するなら、別の仕事をしてもっともっと稼げますよ。農地を維持していくために何日このような作業をしていると思いますか。こんなはした金欲しさに農業をやっているとでも本気でお考えとは、オメデタイとしか言いようがありません。

 そんなにタップリと補助金があると仰るのならば、何故に耕作放棄地が増えているのでしょう。この問に対して明確に回答ください。ちゃんと耕作している農家を批判するのは、それからにしていただきたいものです。耕作農地の集約などといった考えは、減反政策がどうなろうと大して変化はありません。むしろ、耕作放棄地を何とかする方が先なのではないでしょうか。

 耕作放棄地が耕作地の合い間に存在すると様々な弊害が生じます。中山間地では水路維持作業が耕作放棄地が増加すると困難になります。本来ならば当該農地の耕作者がすべき作業まで負担しなければならなくなります。農地集積を言うならば、こういった耕作放棄地を再度耕作することに力点を置くべきでしょう。

 そして、耕作放棄地は集積しようにも出来ない事情が増加しつつあります。それは、耕作放棄の要因は、もとより離農にあるのですが、それは経営不振であったり、後継者がいなかったり様々でしょう。そうなると、行く行くは所有関係が複雑になってきます。戦前の民法では、家督相続となっておりましたので、相続関係は比較的簡単に処理できておりました。しかし、現行民法では代襲相続に代襲相続を重ねれば相続人の数が爆発的に増加することになってしまい、もはや手の付けようのない事態となりかねません。耕作放棄地は、既にこのようになっているものも多いのではないかと思われます。現に近在の農地でも未だ名義は先々代のままだとかそのような話をよく耳にします。このような農地が一旦耕作放棄されたならば、たとえ次世代の担い手が現れ、農地を集積したくても出来なくなってしまいます。

 補助金などとそちらばかりに目が行ってしまいがちですが、問題の本質はもっと別のところにあると思いますが・・・。

 なにはともあれ、私は私の出来る範囲でこれからも農地を守っていきます。外野席から農地を手放せなどと言わないでいただきたい。こんなにガタガタ言われるくらいなら、補助金は返上いたします。

<参考> 「減反政策について