世界に先駆けてメタンハイドレートの採取に成功したとのことです。関係者のこれまでのご苦労に敬意を表したいと思います。
何はともあれ目出度いことであります。エネルギーの殆どを輸入に頼る日本にとって、自前のエネルギー源を持てることは大きな意味を持ちます。まだ課題は多いようですが、日本の優れた技術で必ずや克服できるものと信じます。
これまでメタンハイドレートの調査・研究に対しては、金食い虫などといった様々な批判が寄せられてきました。そもそも、このような研究・開発には金が掛るものです。出来るか出来ないかすら分からない。それでも人類は挑戦し続けてきたのです。その結果が現代の科学・技術の進歩をもたらしたのであって、現代人はそれを当たり前のように享受しているのです。
このように多額の費用が掛る事業は、とかく批判に晒されます。スパコン然り。宇宙開発然り。海洋開発然りです。しかし、スパコンは再び世界一に輝き。「はやぶさ」は見事に帰還し、世界で初めて小惑星の物質を採取してきました。そして、今回の快挙です。
やはり論より証拠です。頭の固い政治家に対しては、実績を見せ付けるしかないようです。何んでもかんでもコスト削減の名の下に切り捨てることが、様々な弊害を産み出してきております。例えば先にご紹介した「超高純度鉄の製造技術消滅の危機」のように。この他にも数多くの研究が埋もれてしまっていると思われます。
問題は、実績を示せない研究です。基礎科学の研究の殆どはこのようなものでしょう。これらを無駄なものとして切り捨てるのか、それとも無駄と承知で将来大きく化けることに賭けるか。そこに人間の英知が問われるのではないかと考えます。