山浦清美のお気楽トーク

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省エネ屋のつぶやき(11)-提案書編

2011-11-07 | 省エネ
 省エネに関する提案書に関して「省エネ提案書の不思議」で述べておりますが、今回は若干補足したいと思います。

 提案書によく表れる現象に「償却期間3年の法則」と「もう一声の法則」というのがあります。もっともこれらの名称は、私が勝手に名付けたものです。前者は先に紹介したページに書いておりますので繰り返しません。「もう一声の法則」というのは、いわゆる純利益額(メリット月額-リース月額)で良く見られます。例えば、計算結果の純利益額(月額)が9,800円だったとしますと、ほとんどの場合10,000円を超えた金額に書き換えられてしまうであろうという法則です。これは金額の多少によりません。ほぼ確実に一桁アップしていることでしょう。どのような操作をするかは、償却期間の計算と全く同じです。そしてこの2つの法則を同時に実現したところが提案書の落としどころといったことになります。

 「償却期間3年の法則」では書かなかったことですが、通常は償却期間が短縮する方向に働く法則のように思われるでしょうが、実は償却期間を引き延ばす方向に働くこともあります。例えば、計算結果の償却期間が1.5年であったとするとこの期間が引き延ばされて3年に近い期間になることとなります。安全率を考慮して、メリット額を減らす方向に働けば、それなりの合理性がある訳ですが、メリット額の変更を抑えて導入費用の増大の方向に働くことが一般的です。即ち、業者の利益が増加します。

 ある程度の値引代を確保しておきたいということであるなら未だしも「どこまで儲ければ気が済むのかい?」と言いたくなることもあります。一度ある代理店にそのことを指摘したことがあるのですが、「何時も儲かる訳ではない。損する時だってあるから、儲かるところで稼いでおかなければならないのだ。」との返答でした。その時は、こちらも売ってもらっている手前、これ以上の追求はしませんでしたが、釈然としない気持だけが残っておりました。

 このように提案書を作成する際には様々な要因が働いており、その結果として出来上がっているということを知っていただきたいと思います。そのような目で提案書を眺めてみると、また違った地平が見えてくるかも知れません。

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