国会の代表質問を聴いていて、野田首相の答弁にやたら「国益」という言葉が出てきます。この国益というのは何を意味するのでしょうか?
国益と言われると何か反論し難いものがあります。その国益が何を指しているのかを明らかにせずに「国益・国益」と言われるとどうも胡散臭さを感じてしまいます。国益という抽象的な言葉ではなく、具体的にどのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるかを明確にすることが重要でしょう。議論をするすると言いながら、何も材料を提供せず議論をしましょうと言っても議論のしようがありません。TPPの協議に参加しないから情報が得られないというのは言い訳にしか聞こえません。であればどこから国益という言葉が出てくるのでしょうか?
国民が一致するような国益が存在すると仮定しましょう。外交交渉はまさに国益と国益が真正面から衝突するものでしょう。国会のねじれをはじめとする国内の諸問題にさえまともに対処できない政治家に虚々実々の駆け引きが繰りひろげられるようなところで、本当に国益を守ることができるタフネゴシエーターが果たして何人いらっしゃるのでしょうか。甚だ疑わしいことのように思われます。