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山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

省エネ屋のつぶやき(2)-デマコン開発編

2011-10-21 | 省エネ
 いざ開発となると、デマンドコントローラー(面倒なので以下では、デマコンと呼びます。業界でもそう呼んでます。)という言葉は知っていてもその中身など皆目わかりません。空調機の制御方法も知りません。
 何にも知らないところからの開発です。「元来開発とはそんなもんですが・・・。」とはいうものの気が短い社長のこと半年以内に製品化せよとの厳命です。トホホの世界に入り込んでしまいました。
 先ずは各メーカーのデマコンのカタログや資料を片っ端から収集して分析することからスタートしました。そこで、気付いたのですが「省エネ業者のデマコンシステム(主に空調機を制御対象)は、大手電機メーカの汎用デマコンを組み込んで、その警報出力を利用して空調の制御部をシーケンサーなどを利用して盤を組んでいるんだなと」、これなら価格面で断然有利に立てると確信しました。「デマコン部分はデマンド予測のアルゴリズムができれば大したことは無い。後は、空調制御部分が問題だ!」
 半年で製品化するとなるとデマコン部分と空調制御部を分けて開発するしか無いが、そうなるとコストアップしてしまう。それに、空調機は年間を通して使用するものですから、最低でも1年間のデータ収集と実証テストが必要となる。とてもじゃないけど半年で開発した製品をフィールドに出せるわけがない。導入効果の検証ができなければ、提案書さえ作れないではないかと難問山積でした。

 決断を迫られることになりました。運良く誰からか忘れましたが「デマコンの警報を音声出力し一斉放送装置でアナウンスしたらどうか?」というアイデアが出されました。渡りに船で、速攻でそのアイデアに飛びつきました。音声出力ユニットの開発経験はあるし、半年以内でデマコンだけの先行開発が可能になる。空調制御部は後でゆっくりやればよいと・・・。
 問題は社長の判断でした。恐る恐るこのアイデアを提案すると社長は「いいねー!」の一言で簡単にOK。何となく拍子抜けしたものでした。

 これが「おしゃべり省エネ王」開発のきっかけです。 この製品は、ENEXに出展してかなり注目(近隣のブースからかなりのヒンシュクをかいました)を浴びたと思います。何せ大音量のブザーとパトライトが回転し「デマンド超過警報です。エアコンを送風運転にしてください」と勝手にしゃべってくれましたから、そりゃ皆さん振り返ってくださいました。
 同時に「エアコン省エネ王」も参考出品しておりました。しかし、当時は未だ設計中でしたが、カタログは「おしゃべり」と同時進行で作成・頒布されてしまっています。開発に失敗したらどうしようと思いつつも、開発に精進する日々を送っておりました。
 ちなみに「~省エネ王」の名付け親は社長です。かなり自信のネーミングだったようで、商標登録までしたんじゃなかったかな?私としては、某節電器メーカーの「節電王」の響きがあって、あまり好ましくなかったのですが・・・。
 さて、開発はいよいよ佳境に入ります。空調制御方式をどうするか重大な決断をすべきときです。他メーカのシステムは、全て直接制御方式(これは私が勝手に名付けました)をとっております。これは簡単に思い付く方法ですが「本当に省エネになるの?」といった疑問がぬぐい切れません。大阪の某メーカーさんは10分の内の3分間強制停止するので、30%の省エネになりますと主張され、提案書にも空調使用電力量の30%削減が盛込まれておりました。当社でいくら実験してもそのような効果が出ないことが判明するにおよび、この方式は採用できないと判断しました。

 結局どうしても室温を監視しながら制御しなければならないという結論に至りました。室温を監視して室外機を制御するというのが一般的な解決方法でしょうが、この方法だと室内への配線工事+室外機への工事とダブルに工事費用がかかってしまい、せっかくのコストダウンが水泡に帰してしまいます。そこで、空調機がどのようにして温度管理をしているか調べると、その仕掛けは二種類しかないことがわかってきました。それは、サーミスタによる電子的なものとサーモスタットによる機械的なものです。両者とも設置場所は室内です。これに対応すれば、室内で全てが解決できる。 ここまでくれば、その後の解決は大して問題ありませんでした。やっと間接制御方式(これも私が勝手に名付けて使用しております。)の完成です!

<参考>
 「空調温度管理方式と空調機制御方式-その1(サーミスタ)
 「空調温度管理方式と空調機制御方式-その2(サーモスタット)

 この制御方法は特許出願することになりました。大方針が決定したところで、細かい設計に入ることになります。それと同時に検証用のデータ収集です。冷暖房の設定温度を1℃ずつずらして設定した似たような環境の部屋と同じ型式のエアコンに積算電力量計を設置し同時にデータを収集すれば簡単に取得できますが、そんなとこ会社中探したってありはしません。そこで、8時間毎に温度設定をローテーションするようにして、1年間のデータを収集しました。また、同時に外気温も収集しておりますので、穴が開いた部分は同一温度のデータで補うこととして、温度設定の違いによる省エネ効果の検証データを作成しました。実際の提案書には、実験で得られたデータの半分の効果を提示するようにしました。これは、完全なデータではなく、しかも1年分しかなく、年度毎の変動も考慮に入れる必要があることなどの理由から安全率を大きめにとった結果(半分の根拠を聞かれると窮しますが)です。 開発自体は、順調に進みフィールドテストも終了し、いざ発売ということになりました。新聞や雑誌の新製品紹介にも登場し、問合せも多数あり順調な滑り出しに見受けられました。 しかし、なかなか受注することができません。そりゃそうですよね。見込み客の獲得、現場調査、提案書など全てが初めてのことなんですから・・・。といった言い訳は通用しません。 そうこうしているうち社長に呼び出され「お前が作ったんだろう、お前売ってこい!」の一言。

 私の省エネ人生の始まりを告げる鐘が鳴らされたのでありました。ここから先が私の人生のハイライト(?)です。今だから書ける出来事のオンパレードです。

 「省エネ屋のつぶやき(3)-代理店開拓編」へ続く

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省エネ屋のつぶやき(1)

2011-10-20 | 省エネ
 私が省エネ業界と関わるようになって15年ほど経過してしまいました。きっかけは、とあるメーカーに在籍していた時に「空調温度管理システム」を開発したときにさかのぼります。 実は、その7年ほど前にも少しタッチしたことがあります。いわゆる減設というもので、変圧器の容量を小さくすることで契約電力を削減しようとするものです。 受電設備は過大設計であることが多く、適正規模にすることによって基本料金を削減することができました。変圧器は単相と三相に分かれておりますので、それぞれが余裕をみて容量が決められておりますので、二重の余裕が発生しておりました。 これを単相変圧器2台でV-V結線し、変圧器をまとめることによって更に多くの容量低減を図ろうとするものでした。 減設は変圧器容量が小さくなることから無負荷損の低減と低圧進相コンデンサーの設置により、低圧側の力率改善を図ることによる負荷損の低減ができるくらいのもので、大した省エネ(エネルギー消費の低減)にはなりません。しかしながらコストダウンには大きく寄与します。 当時は、契約電力500kW以上がデマンド契約の対象(その後、500kW未満にも順次拡大)でしたから、この手法は大いに売れており、これで蓄財した業者は多いのではないかと思います。 私は、元々ソフト屋で強電はあまり詳しくは無かったのですが、
・月々の削減金額がリース料を引いてもおつりがくる
・某大手筆記具メーカーが販売元になっている
・信頼のおける人からの紹介であった
・工事業者の説明で、強電の知識が乏しい私にも理解できた等々の理由で、軽い気持ちで売ってみるかと思いました。(ある広告代理店の顧問をしていた関係で、営業につき合わされたと言うのが実情に近いものでした。)

 いざ販売してみるとものすごい逆風でした。保安協会の反対、省エネ業者そのものへの不信等々で、にわか営業マンが太刀打ちできるものではありませんでした。 それでも2件、3件と成約し顧客の信頼が得られ軌道に乗るかと思われましたが、デマンド計の設置が段々と小規模事業所もが対象になることが決定し、早々と事業撤退することになりました。

 その後、電子機器メーカーに転職し、撤退の原因となったデマンドコントローラーを我が手で開発するようになるとは、何か因縁めいたものを感じてしまいます。 開発のきっかけは、当時の社長が新聞かビジネス誌かなにかで省エネビジネスが今後有望だとの記事で、うちでもやってみたいとか何とか言い始めました。 こういうときの行動は素早く、大阪の省エネ業者を呼んでいるから一緒に話を聞いてくれとのことで、打合せに同席させられました。省エネには懲りておりましたので、何だかんだ理由をつけて潰してしまおうと思っておりました。 ところが、くだんの省エネ業者の話を聞いて、もうその気になってしまった社長を止める術はありません。全く勝手のわからないビジネスに打って出るわけですから、当初は代理店として販売しながらノウハウを身に付けてからと考えるのが普通だと思いますが、これくらいなら自分とこで開発できるし、一旦代理店になると競業禁止条項等で身動きできなくなるとかの理由で「今日から早速開発にかかってくれ」とのご沙汰です。
 何の因果か再び省エネの道に迷い込んでしまったのです。
 魑魅魍魎が住む想像を絶する業界の話(そんな中にもごく僅かですが、いい出会いがあったりとかもありますが・・・)ですが、興味があったら読んでください。
 さて、これからの話は真実なのでしょうか、それともフィクションなのでしょうか?

 「省エネ屋のつぶやき(2)-デマコン開発編」へ続く




iPhone,iPadを活用した「見える化」ツール

2011-10-14 | 省エネ

 携帯端末(iPhone,iPad)を活用した「見える化」ツールのご紹介です。いかにもありそうな製品が今まで無かったのが不思議です。

 主な用途は電力のモニタリングです。リアルタイムデータのみならず、日報、月報、年報が携帯端末に表示できます。しかもデマンド監視装置も兼ね備えております。デマンド警報は、メールで通知されますので、常時監視していなくても構いません。しかも複数の携帯端末が同時に使えますので、使い勝手と拡張性が非常に良いものになっております。

 アイデア次第で色々な用途に使えそうです。やっと「見える化」ツールもここまで進化してきたかといった印象です。一部の専門家の道具から身近な道具として親しまれるのではないかと思われます。

 詳細は「携帯端末を活用した電力計測システム」を参照ください。


「電子ブレーカー」について

2011-09-29 | 省エネ

 当事務所のWebサイトのアクセス履歴を分析してみますと「電子ブレーカーについて」へのアクセスが相変わらず多いようです。質問サイトから直リンクされているのもあるでしょうが、キーワード検索でも結構多くの方に訪れていただいているようです。

 一般ブレーカーと「電子ブレーカー」の違いや動作原理(私の推測)など全般的に分り易く説明しているつもりですので、ご興味がおありでしたら参照いただければと思います。

 さて、業者さんもガソリンスタンドや町工場などは、廻りつくしたものとみえて「電子ブレーカー」の主要ターゲットはマンションに移っているようです。マンションの共用部分(エレベーター、揚水ポンプなど)に低圧電力(動力)を契約している需要家に営業している模様です。

 「電子ブレーカー」自体については、違法・不当なものではありませんが、問題は売り方にあると思います。(予めお断りしておきますが、全ての業者がと言うことではありません。くれぐれも誤解のなきようにお願い致します。)

 売り方の問題については「省エネ商法について」、「省エネ提案書の不思議」、「悪徳省エネ業者」などをご参照いただければと存じます。

 「電子ブレーカー」はコストダウンを目的としたものです。ですからこれを導入したからといって省エネ・節電ができるものではありません。「節電ブレーカー」なるものも販売されているようですが、節電のためと思って導入されることのないようにしていただきたいと存じます。

 このような話題で毎回書くことですが、「省エネルギー」することは必要なことです。皆様も業者の良し悪しを見抜く目を持っていただき、良心的な業者を選んで省エネに取組んでいただけるよう念願いたします。最終的には自己責任ですから各自で熟慮して判断していただく外ないと思います。

※節電のために家庭用のブレーカーを小さな容量のものに切り替えることが有効とされておりました。これは「節電ブレーカー」とは全く異なるものです。電力会社に申し込めば、基本的に無料で交換してくれるはずです。


ヒット商品の予感(続)

2011-09-23 | 省エネ

 先日ブログで書いた内容の続編です。メーカーさんからの資料は未だ手元に届いておりませんが、とりあえず「三相誘導電動機の省エネ装置」という紹介文を当事務所のWebサイトに掲載しました。この装置が本物ならば、省エネに大いに貢献するものです。


ヒット商品の予感

2011-09-17 | 省エネ

 久々に省エネねたを書いております。省エネを大きく前進させるであろう商品を見つけました。現在メーカーさんに問合せておりますが、詳細が判明しましたら、後日ご紹介させていただきます。今日はこの製品を見つけ、いささか興奮してこのブログを書いております。

 省エネ・節電製品の中には、とんでもない製品が存在することがあります。どう考えても理屈に合わないものやエネルギー保存則を破ってしまう製品など様々です。やはり動作原理がキチンと説明できるものでないといけません。

 それから売り易くするために姑息な手段に訴えている製品も見かけます。製品自体は理に適っているのですが、省エネできることを見せるためだけ(電流値を小さくする)が目的で不必要なことをして、コストを大幅にアップさせていることもあります。エアコンのように電流値が小さくなっただけでは省エネにならないものは多いものです。

 省エネ・節電をすることは大切なことです。そのために設備更新をしたり、省エネ機器を導入することもあるでしょう。その選択は最終的には自己責任となります。世間の常識に捉われることなく、的確に判断していただきたいと思います。あれこれ迷うようでしたら、専門家へ御相談されることをお勧めします。それが悪徳業者から身を守ることにつながります。


悪徳業者横行の予感?

2011-08-27 | 省エネ

 再生エネルギー法案が成立しました。法案の中身云々については後日、突込みを入れる機会があると思います。

 今回は、これを商機と悪徳業者が横行する恐れがありますので、これをテーマにしたいと思います。もう既に報道されているように、節電ブレーカーや太陽光発電に関する被害が続出しているようです。

 今後、一番加熱するのが太陽光発電でしょう。続々と新規参入してくるでしょうから、必然的に悪質な業者も多くなってきます。

 困ったことに悪質業者と良心的な業者の区別はつきにくいものです。太陽光発電システムは、ある意味メーカーがしっかりしているから、代理店や工事業者の質に左右されるといえます。単に価格のみで選択すると思わぬ失敗をするかもしれません。もっとも価格が高いから良心的な業者とは言えないのと同様に、安いからといって悪質な業者とも言えませんが・・・。

 いかにも人当たりの良さそうな感じの良い、やさしそうな人が詐欺師だったりといったことが報道されています。人はものを買う時には、その人を信用して買うと言います。営業の極意は、人に信用されること言えるのかも知れません。その信用を見事に裏切るのが、詐欺の手口です。詐欺とはいかないまでも、似たような手口で役にも立たないものを買わされたことはありませんか?

 太陽光発電に限らず、省エネ・節電に関する多くの被害が報告されています。今後、多くの被害発生が予想されるものとして、太陽光発電に加え、風力発電、LED照明、節電器などなど手を変え品を変え多くのものが出てくるでしょう。

 今現在も商談が進行しているかも知れません。そして次の被害者は「あなた」かも?


省エネ・節電業者の実力?

2011-08-23 | 省エネ

 以前このブログで「電力」と「電力量」の区別が出来ていないと指摘しておりました。一般の方は致し方ないと思いますが、よもや省エネ業者はと思い、各社のホームページを拝見させていただきました。少々意地悪かとも思いましたが、チェックの結果は次の通りです。

 無作為に検索した10社中、正しく使い分けが出来ていた会社が4社、誤用していた会社が6社でした。もっと多くのサンプルをとも考えたのですが、あまりの多さにチェックしていてイライラしてきました。

 当初の予想では、10%以内に収まってくれるのではないかと思っていたのですが、完全に予想を裏切られてしまいました。まさかここまでひどいとは思ってもおりませんでした。

 私のホームページやブログでも誤字、脱字、うっかりミスなど無きように努めてはおります。しかし、定期的に見直すたびに何箇所もミスが出てきます。そのたびに訂正してきております。ですから多少の間違いは当然想定されることと思います。しかし、今回の結果はそういうレベルをはるかに超えているものと思います。

 これが業者の実力というべきか?


省エネ・節電商法の手口

2011-08-19 | 省エネ

 節電ブレーカーのことや悪徳業者について指摘しておりましたが、今回は省エネ商法なるものについてご紹介したいと思います。

 「省エネ商法について」を参照いただければ、大体の様子を掴んでいただけるのではないかと思います。

 何かで読んだのですが、詐欺師が詐欺を働く時の秘訣みたいなものを語った内容でした。100%嘘で固めたことは誰も信用しない。殆どが真実の中にほんのチョットの嘘を交えるから騙されるのだと。

 これに似たようなことを応用(?)したのが「節電器」の商法ではないでしょうか。先ずは、オームの法則を持ち出します。これは中学の理科で教わる内容ですので、ほとんどの人が知っているでしょう。これを引き合いにして電圧を下げると消費電力が低下することを認識させる。

 次に電力会社から供給される電圧は変動している。これもテスターなどで測定すれば事実認識できます。ここまでは全て真実(事実)です。

 だから電圧を下げると消費電力が下がるでしょうといった結論を導き出します。大抵の人はこれで騙せてしまうでしょう。

 もっと悪いことに売っている人(営業担当者)が、そのことを信じていることでしょう。そもそも騙している認識が無いのですから始末が悪いのです。下手をすると開発した技術者が信じていたりして・・・。

 節電器などという製品は、今でこそなかなかお目にかかれなくなったとは思います(思いたい)が、以前は大手電気メーカー(超有名企業です)さんが何社も取り扱っておりました。

 これからも手を変え品を変え、悪徳業者がうごめくことでしょう。言うまでも無いことですが、全ての業者がということではないということをお断りしておきます。

 業者から提案を受け、判断に迷っておられるようでしたら、このブログへのコメントでも結構ですし、「山浦綜合事務所」のWebサイトで省エネ・節電に関する相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。 


再生可能エネルギーといえば

2011-08-15 | 省エネ

太陽光発電が代名詞のように言われています。国会でも太陽光、風力、地熱がよく取り上げられております。最近、ようやく小水力発電も取り上げられるようになりました。

 私的には「マイクロ水力発電への期待」で書いておりますように、もっともっとクローズアップされて然るべきだと思っております。

 大規模なダムに拠らず、数メートルの落差を利用しての発電も可能です。風力も有効な方法であることを否定しませんが、大規模風車による低周波音による被害の問題もあります。

 水力にもデメリットがないとは言いませんが、より少ないものを選択するという意味では理に適っているのではないでしょうか。


太陽光発電より太陽熱温水器?

2011-08-15 | 省エネ

 太陽光発電ばかりが注目されております。しかし「太陽熱温水器」もお勧めです。

太陽光発電より費用対効果がはるかに良い優れものです。将来は、太陽熱温水器で冷暖房ができるようなシステムや太陽光発電とのハイブリッドシステムも登場(私の希望的観測ですが・・・。)するかもです。


悪徳省エネ・節電業者の見破り方

2011-08-14 | 省エネ

 節電が推奨される中、悪徳業者の被害が後を絶たないようです。

 手を替え品を替え、あの手この手で、売込みを図っております。世の中の業者全てではなく一部の業者だと思いますが、悪徳業者が存在するのも事実です。このような業者に引っかからないように、悪徳業者を見分ける方法を「悪徳省エネ業者」に掲載しております。

 儲かるとなると悪徳業者がはびこるのも世の常です。この世の中、結局は自己責任が問われます。あれこれ迷うようでしたら、このブログへのコメントでも結構ですし、「山浦綜合事務所」のWebサイトで省エネ・節電に関する無料相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。


エアコンの間欠運転は省エネ・節電になるか?

2011-08-12 | 省エネ

 エアコンに間欠運転装置というのを後付けして省エネ・節電を図るという製品があります。例えば売り文句はこのようなものです。「エアコンのコンプレッサーの運転を10分間の内3分間強制的に停止させますので、30%の省エネ(節電)になります。」といったものです。しかもご丁寧に「わずか3分間しか止めませんので、室温の上昇は僅かで温度変化に気付かないくらいです。」といったことを言う業者もいるようです。

 本当にこの業者の主張は正しいのでしょうか?

 間欠運転とは動作中のものを定期的(間欠的)に停止させることです。例えば、先の30%の動作を換気扇を用いて説明します。今、換気扇が動き始めました。動作を開始して7分経過した時点で換気扇を3分間止めます。3分経過後再び動作させます。以後これを繰り返すということになります。

 さてこの場合消費電力量は、皆様お気付きの通り、30%削減できます。ですから業者の言い分は正しいわけです。

 さてエアコンの場合はどうでしょうか。エアコンには温度設定というものがあります。例えば28℃に温度設定をしたとします。エアコンを運転する前は部屋の温度(室温)が32℃あったとします。しばらくすると部屋が冷えてきます。そのまま冷やし続けると28℃よりも室温が下がってしまいます。そこでエアコンの温度調節装置が働き、室温が約27℃になった時、冷気を作る元となる圧縮機(コンプレッサー)を停止させます。そうするとエアコンは冷気が出なくなり、いわゆる送風運転となります。しばらくすると室温が上昇してきます。室温が約29℃になった時、温度調節装置が働き圧縮機を運転させます。そうすると再び冷気が作られ部屋が冷やされます。以後これの繰り返しです。このように温度調節装置は部屋の温度を調べ、圧縮機の運転を制御して室温を一定に保つ働きをしております。

 もうお気付きのことと思いますが、圧縮機の運転は間欠的に動作しております。インバータエアコンの場合には、圧縮機の運転/停止ではなく冷気を作る能力を増減させることによって温度を一定にしておりますので間欠運転とは若干異なります。

 エアコンの動作の概要をご理解いただいたところで、本題の間欠運転による省エネの話に入ります。先述のように元々エアコンは間欠運転をしております。この間欠運転をしているところに、更に強制停止をさせよう(停止時間を長く)というものです。

 余り長くなるので、結論を申し上げます。省エネ・節電率は、温度調節装置による本来の動作による圧縮機の稼働率(%)と間欠率(先の例では30%)を用いて近似的に次式で表されます。

① 間欠率≧(100-稼働率)

 省エネ率=稼働率×削減率 

② 間欠率<(100-稼働率)

 省エネ率≒0

 何故そうなるかということにご興味のある方は「エアコンの省エネルギー」をご参照ください。 

 そこで業者の主張を検討してみましょう。換気扇の場合には、通常は常時動作しますので稼働率100%ですから①に該当します。従いまして、省エネ率=100(%)×30(%)=30(%)ということになります。即ち、エアコンの場合でも圧縮機の稼働率が100%であれば、30%の省エネができます。しかし、稼働率が100%以外の場合には、当然のごとく30%の省エネはできません。そして稼働率が70%を切った場合には、ほとんど効果がないということになります。

 ましてや「短時間の停止だから室温の変化には気付かないくらいです。」というのは省エネできないことを自ら自白しているようなものです。

 業者さんの反論を大歓迎いたします。

<参考> 「エアコンの間欠運転と連続運転の節電効果比較-(財)電力中央研究所 システム技術研究所


電力使用制限令とデマンドコントローラー

2011-08-11 | 省エネ

 電力使用制限令発動のせいでしょうか「デマンド」に関するキーワード検索が大幅に増えております。「デマンド管理による省エネルギー」も相当にアクセスいただいているようです。

 今回の電力使用制限令は電力量よりも電力(一時間当たりの電力量)の削減に重きを置いております。一日でどれだけ電力量を減らしても電力が目標(契約電力の85%)をオーバーすれば違反となります。詳しくは「計画停電解消に向けての提言」をご参照ください。

 大口需要家のほとんどでこれらのことは以前より実施しており、デマンド管理(デマンド監視)などと呼んでおります。電力会社との契約は基本的にこのデマンド値を基準(年間の最大デマンド値)にして決められることとなっております。即ち、基本料金の部分がこれを基に決定されるということです。需要家はコストダウンのためにこの最大デマンド値(最大需要電力)を抑制してきたのです。

 このための装置がデマンドコントローラー(略して、デマコン)、デマンド監視制御装置などなどと呼ばれているものです。

 電力会社がいうところのデマンド値とは、30分デマンド値というもので、30分間の平均電力ということです。ですからデマンドコントローラーも30分デマンド値を前提としております。しかし、電力使用制限令は60分デマンド値で判定されます。でも、ご安心ください。30分デマンドコントローラーをそのままお使いいただけます。30分デマンドがクリアできれば、60分デマンドもクリアできます。(その逆は出来ないことは言うまでもないことでしょうが・・・。)

 デマンドコントローラーの導入は大口需要家に限らず、高圧受電の需要家であれば導入可能です。計画停電を防止するためにも導入されることをお勧めいたします。導入により基本料金を引き下げることができます。コストダウンにもなることですので、この際ご検討されてはいかがでしょうか。


家庭における節電

2011-08-10 | 省エネ

 家庭部門で15%の節電が求められております。そのために様々なチャネルを通して節電の方法が提示されております。例えば、エアコンの設定温度を28℃にすれば、何%の節電になります。あれをすれば、これこれの節電ができますの類がほとんどです。これはこれで大きな役割を果たすものです。

 しかし、これら提示されているものを組合わせて15%になるから、それでこと足れりと考えるのはいささか早計に過ぎるのではと思います。特にエアコンの設定温度を守ったからといって必ず期待される節電効果が得られるかは疑問です。確かに高めに設定すればするほど節電になります。ですが大切なのは数値目標の15%なのです。これを達成するためにはそれなりの仕組みが必要になります。

 このことは「計画停電解消に向けての提言」でも触れております。家庭部門においても数値目標を達成するには「見える化」することが重要になってきます。「家庭でできる電力測定と省エネ活動」で書いておりますが、簡単に個別家電製品の電力や電力量を測定できる機器が数千円で売られております。これらを無償で貸し出すくらいの施策があっても然るべきだと思います。

 画一的に節電を求めるより、個々の家庭の事情に応じて自分なりに考えて行動することが大切なのではなでしょうか。そしてそれを応援する仕組みを構築することが必要だと思います。