尾太(おっぷ)岳は、奈良時代から銅の採掘が行われた山で、1978年に閉山。
現在は鉱毒処理が行われている。 その費用、年間2億円余とのこと。
登山には、処理場の社員に申し出て、場内を通らなければならない。
登山道のない急斜面を登り、標高700m辺りで振り返ると岩木山が姿を見せる。
標高800m辺りに針葉樹の林がある。 コメツガとヒメコマツに混じって、白神では
珍しいヒバがあった。
急斜面の残雪歩きと、藪漕ぎを繰り返す。
標高900m辺りで、西側稜線の上に、白神連峰。
ようやく山頂が見られた。 その辺りの藪の下に、カタクリ、ヒメイチゲなどが少し。
山頂(1083m)。 三角点の脇に、鉱山ゆかりの石の灯篭。
展望は360度、岩木山は間近に。
遠くに八甲田山。
急斜面を避けて、復路は西側稜線を下りる。 西側から見た往路の稜線。
斜面中央では、轟音が聞こえ、部分的な全層雪崩が見られた。
麓近くまで下りて、ようやく新緑の中に彩りを見出した。
雲取山は東京都の最高峰(2017m)。 鴨沢の登山口は540mで、標高差1447m。
杉、檜、米栂などの針葉樹の合間に広葉樹の新緑。
ブナはイヌブナ。 全山いたるところにアセビがあり花をつけている。
標高1700m辺りから展望が開ける。 大菩薩連嶺の上にうっすらと富士山。
山頂標 一等三角点の隣に、明治16年に設置された
原三角点がある。
雲取山荘。 大きな山小屋だが、5月は混む時期で満室。
この山も鹿の食害あり、草の類はほとんどない。 そんな中で、鹿が喰わない
マルバダケブキは畑の野菜のように大群生。
毒草のハシリドコロとバイケソウは鹿も敬遠。 青々と生育している。
トウゴクミツバツツジ バイカオウレン
花は乏しく、目についたものは数種だけ。
大菩薩嶺への登山口、標高1600m。 30分ほど登ると福ちゃん荘がある。
1969年、赤軍派がこの山荘に潜伏し、凶器準備集合罪で53名が逮捕された
「大菩薩峠事件」の場所。 その後、浅間山荘事件へと展開する。
戦後植栽されたカラマツの尾根を登り、 振り返ると大菩薩湖と称するダム湖。
黄色の斜面は、鹿に喰われて枯れた笹。 鹿は樹木の皮も食い荒す。
山や岳ではなく「嶺(れい)」がつく山頂(2057m)。 三角点は露出。
周囲はコメツガの林で展望はまったくきかず。
尾根筋の鞍部に介山荘。 中里介山と何がしか所縁の山荘。
山荘の近くに大菩薩峠の標識(1897m)。 未完の長編小説「大菩薩峠」の
舞台になった場所。
翌朝、この峠からの展望。東には東京都内の馴染みのない山が雲海に浮かぶ。
南には、山頂を朝日に染めた富士山。
西には、少し霞んでいるが南アルプスの連峰が一望。
左から、赤石岳、悪沢岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳。