白山の花
白山では早くから植物の研究がすすめられ、ハクサンを冠する植物が20種余
あるとのことだが、固有種はほとんどないらしい。
砂防新道を登ると、キヌガサソウの数株の群落が次々と現れる。
右は日陰にあって、白い花の表情をかろうじて捉えた。
カラマツソウ、イブキトラノオ、タカネスイバ はいたる所で見られる。
ミヤマキンポウゲは一番の大群生。
おなじみの ハクサンフウロ。
斜面の肩にあり、バックの山を
入れたいが、生憎の濃霧。
岩場には ハクサンオミナエシ。 白山以外では コキンレイカ で知られる。
ヨツバシオガマ は八甲田のものより色が薄い。 白い花で、エゾシオガマ があるが、
これは葉の形から ヨツバシオガマの白花。
セリ科は、ハクサンボウフウ、
ミヤマセンキュウ、
シラネニンジン、
イブキゼリ などがあり判別が
難しい。
これは花序が盛り上がって、
茎が太いので ミヤマゼンコ 。
室堂の近くに クロユリ が大群生。
ハクサンコザクラ は霧で下向き。 ゴゼンタチバナ は白山の主峰 御前峰からの命名。
室堂のビジターセンターでは、咲いている花情報をコース上に表示。
帰りのコースで現れた ハクサンタイゲキ 。 里のノウルシと同じ。
クロトウヒレン テガタチドリ
帰りの観光新道コースは花畑の連続だが、全景は霧に包まれる。
下山路後半に、ササユリ が次々と
優雅な姿を見せた。
花は1輪が多いが、2輪、3輪もあった。
ハクサンシャジンはまだ蕾。
おなじみの、ハクサンチドリ、
ハクサンイチゲ、 ハクサンシャクナゲ
は目につかなかった。
前日、荒島岳から望む白山。 この日は山頂も見えていたが……
標高1260mの別当出合。 ここから2本の登山コースがある。
鳥居をくぐって、右の砂防新道は巨大な吊橋からスタート。 多数が同時に渡れるが、
横揺れして、船酔いならぬ “橋酔い” しそう。
標高1500m付近から見える不動滝。 白山の溶岩流の断面にかかる滝で、
崩落が激しいのか、滝の下には重畳たる砂防堰堤群。
この工事のために、自動車道路ができ、その先に登山コースができた。
標高2320m、 黒ボコ岩。 この辺りからガスが濃くなる。
標高2450m、 室堂。 立山にもある室堂は、修験者が宿泊や祈祷をする場所だが、
今は登山拠点。 ビジターセンターの周囲に、宿泊棟が6棟ある。
濃いガスと風をついて、白山の最高峰、 御前峰(2702m) に登頂したが何も見えず。
この景観を見て、お池めぐりをする予定だったが断念。
室堂に泊って翌朝、観光新道を下る。 下山コースに多くの花があった。
荒島岳は福井県で唯一の日本百名山。 標高1523mで、八甲田より低いが、
登山標高差は1273mで、急な登りが多い。 シャクナゲ平は狭い平地。
クルマバハグマは輪生葉の上に花茎が立っているがまだ蕾。 こちらの蕾はタチガシワ?
コアジサイ クロヅル
麓から中腹の登山道脇に、青森に無い、または稀にしかない植物があった。
山頂には1等三角点と、荒島大権現。
山頂一帯に、シモツケソウ、クガイソウ、アオヤギソウなどが群生するが、
可憐な植物は少ない。
展望は360度だが、白山(左)と別山(右)以外はなじみの山がない。
山頂では夥しいトンボが飛びまわっていた。 夏の暑い時期を高山で過ごし、
秋に平地に下りる アキアカネ。