例えば君はカレーうどんを好まなかった。純粋性うどんへのこだわり。君は出汁が透明性を失ってしまうことを恐れていたのかもしれない。
だけどもしも丼が水槽、中のうどんがもしも金魚であったらと想像してほしい。少しでも先を見通したいと望む金魚は耐え切れずに声を上げるに違いない。その声は、君自身のものでもある。
あらゆる君はいつだって自分が望まない狭い世界に閉じ込められている。簡単には抜け出すことのできない世界の中で、日々の抑圧に対して心の深いところから飛び出そうとする声。それをつなぎ合わせていくことが一つの対抗策だった。偏見や憎しみで濁った水槽を透明に近づけていくことができるとすれば、それは君自身の声だ。今、折句の扉は君の目の前に現れた。ほんの少し、手を伸ばせば、君は折句の扉を開きその先へ進むことができる。限りない可能性に満ちた世界が新しい言葉の旅人を待っている。
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