眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

もどかしいワーク

2023-11-14 17:50:00 | 夢の語り手
 キックオフからまもなく右サイドの僕のところにパスがきた。その時、僕はまだピッチ上で寝そべっていたのだ。ボールはそのままラインを割って外に出た。申し訳なかったが、僕はまだ完全に正気になることはなかった。その後も何度か同様のことが起こった。準備が整っていなくても届くまでにはどうにかなると思うのか、少し弱めに蹴られるパスもあった。信頼に応えられないもどかしさの上に気怠さが停滞している。今と向き合えないのは、近い将来への懸念のためか。ハーフタイムに辞退を考えたが、自身の健康のことを思うとどうしてもゴールを決めねばと思った。


 道を渡るとちょうど車が発進するところだった。僕は車に先に行かせその後を通るつりだったが、向こうも同じような気持ちだったようだ。止まるではないが緩やかな加速のワゴンと、僕は併走する形になった。お先にどうぞ、いえいえそちらこそ。無言の譲り合いをしながら15分ほど並んで走った。結果的には、運転手は通りかかった警官に逮捕されて連行された。後ろめたいところがあったのだろう。


 家に帰ると母がキングサイズ・ヌードルの中から飛び出してきて、異国の言葉を話した。周波数が合うまで数分を要した。

「仕事に行かなくちゃ」
 ゆっくりできないことが残念だった。
「どこに行くの?」
 説明すると長くなるので、僕は十分に話すことができなかった。

 引出を開けると古い手紙が出てきた。自動音声がついていてそれは昔の友人の声だった。よくわからないポエムのあとで、手紙が燃えると言ったけど、うそつきの言うことなので信用しなかった。
 天気の心配をしていると仕事に遅れそうだった。何があるかわからないからと姉がお金の心配をしていた。僕はキング・ヌードルの空箱に手を入れて万札を引き当てた。


 大きな荷物を持って客が入ってきた。色々説明している内に、やっぱりやめとくわと言った。客はロビーに自分たちが持参したキングサイズのベッドを置いて、そこでくつろぎ始めた。困るな、そんなところで休まれたりしたら。

「何してるんですか!」
 少し強い口調になって少し後悔した。常識から外れた行動を目の当たりにした時でも、トーンを変えることもないのだ。

 突然、10人を超える団体客が訪れ、僕は一人で大慌てになった。冷や汗をかいているとバックヤードから援助者が現れた。彼女は人懐っこい目をして僕の方を見た。彼女は最近入ったばかりでまだ何も仕事を覚えていなかった。少し作業を手伝ってくれたおかげで、状況は不自然にややこしくなってしまった。短気を起こした客が帰ると言い、やっぱり待つと言った。

「どっちなのよ」
 彼女が小さな声でつぶやき、僕は少し心強かった。

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