目立ちたくはなかった。一番望むのは木だった。それなら立っているだけでいい。寄りかかられても、話しかけられても、ただ放っておけばいいだけ。「消えているのは得意だった」叶わなければ村人Aがいい。台詞は一つ。「わー。話しかけないで」
だけど、謎の勢力が私を目立たせようと動いているようだった。自分から最もかけ離れたところへと私は運ばれていった。もう、消えていることは許されない。分厚い台本のすべてはまるで私のために作られているようだ。私はこれから大きな光をあびて闇を放たなければならない。
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AIの
脅しに屈し
魔女となる
一夜は長く
明けてヒロイン
(折句「エオマイア」短歌)