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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

人手不足

2014-03-10 09:00:00 | 日記
 人手が足りない。あのプロジェクトも、このプロジェクトも人手不足で悲鳴を上げているのに支援の技術者を送り込めない。そんな状況であるにもかかわらず、周囲では新しいプロジェクトが立て続けに立ち上がって行き、人は居ないかという問い合わせが後を絶たない。
 
 リーマン・ショックと東日本大震災でずっとせき止められていた川が急に流れ始めたような感じだ。景気が良くていいではないか、そういう声もたまに聞く。しかし、景気が良いという雰囲気は薄い。確かにリーマンショック後にやって来た案件が皆無の状態と比べれば、ましではある。
 
 景気の良さとは関係する人々全体に夢や希望とともに広がっているものだと思うが、今の状態には将来に対する夢や希望の感覚は希薄だ。景気とは関係なく単に「人手不足」なのである。
 
 ここ数日、東日本大震災のその後を振り返る記事やニュース番組が多い。じっくり見るだけの余裕が無いのが残念だが、斜め読みで得た情報では不思議なことに、われわれの業界だけでなく復興を担う業界はことごとく人手不足であるという。しかし、本当に人は不足しているのだろうか。
 
 確かにソフトウェア技術者は足りない。今日入門しました、という人が明日から一人前に仕事ができるほど簡単なものでは無い。本当にしっかりしたソフトウェアシステムを作ることができる技量を身につけるには様々な経験を積んで10年はかかろう。しかし、リーマン・ショック後萎縮した環境が続いたこの5~6年、本来今この時に先頭を走って欲しい年代の10年選手から豊富な経験を積めるはずだった実りある時間を奪ってしまった。業界に新人として採用してきた者の数もバブルの時期つまりリーマンショック前と比べればはるかに少ない。
 
 同じような状況はわれわれのいるソフトウェア業界だけでなく、様々な業界で起きているかもしれない。たとえ待遇を改善し、急に若い人を増やすことが出来たとしてもいきなり人手不足が改善されることは無い。急に採用された人達が自立できるだけの経験を積む期間はやはり人手不足が継続する。
 
 長い目で見た人材採用と教育の計画が必要だ。同時に、ある程度シニアな方々の意識改革こそ、大きく必要なのではないかと感じている。それは、若い人たちを中心に広がっている無理をしない等身大の生き方に対する共感だ。今住んでいる所で家族や友人を大事にして今出来る事を一生懸命やっている人がいいと考える考え方。入社した企業が生き延びるために海外に出るなら真っ先に先陣を切りますと手を挙げていたシニアな方々とは異なる考え方だ。
 
 今後10年を考えると若い人たちの指向は増々地方の1次産業、例えば農業や林業漁業などに向かうだろう。そこまで踏み込む勇気を持たない人でも地元の人を直接助けられる介護や保育などの分野に関係する仕事に就きたいと考える人が増えるだろう。
 
 若者がそんなことでは日本の経済は成り立たない。もっと広い世界に出て日本の主力産業を支える気概を持って欲しい。そういうシニアな方々の根本にある、お金がお金を生む経済への信奉を、特に東日本大震災を経てしっかり考えた若者たちは持っていない。しっかり考えなくともその空気を感じてきた若者たちはマネー中心の経済のあり方に疑問を持っているように思う。表面的で薄っぺらだと酷評されることも多かった「絆」と言う言葉だが若い人たちに与えた影響は大きかったのではなかろうか。
 
 特定の企業だけが儲かるグローバルな仕組みづくりに参加しようという若者は減り、多くの地元の人達に役立つローカルだが世界とつながった地域活性化の活動に若者が積極的に参加しようとしている。素晴らしいことだと私は思う。人材を育成する期間についてはちょっと別の話とすれば、企業がそのあり方を変えさえすれば人手不足はたちまち解消されるのに、と思う次第だ。(三)
 
 
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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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