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「『何でもある』は、もうやめた!」

2016年01月13日 | コンサルティング

インターネットで「何でもある店」というキーワードで検索すると、何と548万件もヒットします。

試しにそのうちの何件かを開いてみると、ある店は「何でもある店です。和食からピザまであるお店です」とされています。また、別の店では「このお店の良い所は、パスタから定食から丼からカキ氷まで何でもあるところ」などと「何でもある」ことがメリットとして強調されています。

「何でもある」は長きにわたり、セールスポイントとして一世を風靡してきました。しかし、この「何でもある」がここにきて、岐路に立たされているとのことです。

ご覧になった方も多いと思いますが、昨日のテレビ東京の「ガイアの夜明け」では、「いつもの"売り場"が大変貌!」のタイトルで、食品から衣料、家電製品、日用雑貨、家具まで幅広く品揃えをする総合スーパーの不振が取り上げられていました。

総合スーパーや家電量販店、ショッピングセンターなどはこれまで郊外に数多くの大型店を出店してきたのですが、現在ではそのビジネスモデルに陰りが見えてきているとのことです。それを受けてたとえばイトーヨーカドーや西友は今後不採算の店を大量に閉店する予定であり、また、イオンやヤマダ電機はこれまでとは全く違ったコンセプトの売り場にするなどして、新たな攻勢をかけ始めていることが紹介されていました。

同じように、昨年の秋にも「『何でもある店』でない新スタイルの総合スーパーへ」と題して、ユニーの取り組みを紹介した報道がありました。

こうした大型店の閉店や全く異なるコンセプトの売り場に変えようとする背景の一つには、「何でもあるが、欲しいものがない」といった消費者の声があるようです。

確かに「取りあえず一通りの物が揃っている」ということは、「実は本当に欲しい物は何もない」ということの裏返しと言えるのかもしれません。

また、消費者のニーズの細分化やネット通販など他の選択肢が増えていることも当然影響していると思いますが、私はこうした流れの根底には、「皆が持っている」や「皆揃っている」というように、私たちが「他者と同じ、横並び」を求めることから、逆に「自分らしくいたい」や「人とは違ったものを求めたい」といった意識の変化があるのではないかと思っているのです。

こうした流れの中で、たとえばこれまでの総合スーパーはチェーン店として、どこでも同じような店舗や売り場を作り同じような品揃えをしてきていたのですが、それに対し新業態のスーパーは地域のニーズを徹底的に調査し、地域ごとに特色のある店舗を作ることで既存のスーパーとは差別化しているのです。

そして、こうした動きは物販に限らず、さまざまなビジネスの分野でもますます広がっていくのではないかと思っています。たとえば、事業を「何でもあり」から「選択と集中」で絞り込むといったことがさらに進むのではないでしょうか。

さて、我が人材育成社の業務はコンサルティングと研修の2本を柱にしているのですが、これまでは具体的なメ二ューはニーズに応じて多種多様に展開していることを良しとしてきていました。

しかし、昨日の「ガイアの夜明け」を見て、あらためて「何でもある」だけでなく、「尖ったもの」を選んで徹底的に追求していくことの重要性を再認識させられたように感じました。弊社は今後、「情報共有の仕組みの構築」と「紙飛行機で会計を学ぶ経営シミュレーション」の2本に注力していきます。

(人材育成社)


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