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中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,272話 期待されていると感じると人はどういう気持ちになるのか

2025年07月09日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「上司は彼にとても期待していて、将来はリーダーとして頑張ってほしいと度々声をかけているようです」

これは、先日弊社が担当させていただいた2つの企業の中堅社員を対象とした研修の終了後に、それぞれの担当者から伺った言葉です。

双方の企業ではいずれも20代後半の社員を対象とした研修を担当したのですが、受講者の1人がとても前向きに研修に参加し、グループ演習にも生き生きとした表情で取り組んでいましたので、見ていて頼もしいと感じていたのです。そうした状況を受けての研修終了後の打ち合わせでお聞きしたのが、冒頭の言葉なのです。

年齢的にも既にそれぞれの職場にとって、欠かすことのできない存在になっているであろう彼らが、周囲から将来を期待されるほどに仕事に前向きに取り組むことになったのは、なぜなのでしょうか。もちろん、元々そのような資質を持ち合わせていたということがあるとは思いますが、私は担当者の話から、上司をはじめ周囲から期待されていることをはっきりと伝えられていることが、彼らをやる気にさせているのではないかと感じました。上司や周囲から「あなたならできる」「あなたに任せたい」「将来リーダーになってもらいたい」などと具体的に言われたら、その人がどういう気持ちになるのかを想像することは難くないです。多くの場合、このように言われたら自己効力感が芽生えて、「もっと成長したい、頑張って活躍したい」と考えるようになるのではないでしょうか。

このことは、教育心理学でいうところの「ピグマリオン効果」にも通じる話です。ピグマリオン効果とは、相手から期待されていると感じるとやる気が上がり、スキルや知識が身に付き、人は育つというものです。それとは反対に、相手からの期待や評価が低いことによって、実際のパフォーマンスが低下する「ゴーレム効果」というものもあります。そのように考えると、人間のやる気が上がったり下がったりする原因は、その時の気持ちや感情に大きな影響を受けるなど、案外シンプルなものなのかもしれません。

そうした観点から冒頭の研修の受講者たちのことを思い返してみると、彼らは「今この瞬間、この機会を大切にし、身に付けられるものすべて自分のものにしよう、今後に活かそう、ここで出会った仲間との関係を大切にしよう」と考えているような姿勢です。

「他者に期待をする」ということは、今の状態よりも一歩先の姿を信じているからこそ伝えられるものです。そうであるからこそ、上司は部下の今の状態を的確に把握するとともに、一歩先の姿をイメージして、出し惜しみをすることなく定期的にそれを具体的に伝えること。それが部下を成長させることになると考えています。

それにしてもこれらのことから改めて感じるのは、私たちにとって「期待」というものは思っている以上に大切なものではないかということです。さて、あなたには期待をしている人はいますか。いるとするならば、その人の成長はあなたの期待にかかっているのかも知れません。

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