NEXCO、日本道路交通情報センターによると、今年のお盆の渋滞は8月13日から16日に渋滞が集中し、ピークは下り線が13日、上り線が16日と予測しています。
渋滞学でお馴染みの東京大学の西成教授※によれば、渋滞の原因には外的要因と内的要因があるそうです。外的要因とは料金所や合流点など「モノ」による原因を、内的要因とは十分に車間距離を取らないことなど「ヒト」よる原因を指します。
現在は、ETCの普及などにより外的要因は大幅に減っていますから、渋滞を起こす主な原因は運転の仕方(つまり人間)によるものです。
では、どのような運転を行えば渋滞は無くなるのでしょう。
車が好きでよくドライブを楽しむ友人は、「道路上の全部の車が、列車が連結されているみたいに同時に動いていれば渋滞しない」と言っていました。それを聞いたとき、さすがはエンジニア!(彼は工学部出身で大手建設会社の技術部門に勤務しています)と思ったものです。
しかし、西成教授によれば、それは「メタ安定型の渋滞」の原因になるそうです。メタ安定とは、一見安定しているように見えて、ちょっとしたきっかけでひどく不安定になる状態を言います。
首都高を運転したことのある方は、ご存知だと思いますが、あの狭くて曲がりくねった道路をものすごいスピードで車が走っています。しかも、ほとんど車間を取らずに!(ちょっとでも開けようものならすぐに割り込んできます)。
私は年に1、2回首都高を走りますが、非常に緊張します。まさに「連結された状態で飛ばしている」感覚にとらわれます。誰かがちょっとでも強くブレーキを踏んだら、あっという間に大渋滞が起こります。まさに「メタ安定」状態です。
さて、仕事が忙しい職場も、首都高と同じように多くの仕事が「車間を取らずに」走っているメタ安定状態であると言えます。
そんな時に、何か突発的な仕事が飛び込んで来たら、あっという間にメタ安定から不安定な状態へ転落し、仕事の大渋滞が発生します。
そうならないために、仕事と仕事の間には十分な「車間距離」を取っておきたいものです。
これをお読みの、全ての「上司」の皆さま、部下を首都高の車のように走らせてはいけません!仕事と仕事の間には十分休憩を入れて、ラジオ体操をしたり、コーヒーを飲んでちょっと息抜きをさせてあげてください。
え?「そんなことできるか!」ですって? やればできます。まずは率先垂範でお願いします。
(人材育成社)
※ 渋滞学について動画などで面白く解説してあります。