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オルセー美術館展の印象派

2014年08月17日 | コンサルティング

国立新美術館(東京・六本木)で「オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由―」が開催されています。印象派の画家といえば、モネ、ドガ、ルノワール、セザンヌなど日本でもかなり人気のある名前がすぐに思い浮かびます。

印象派は19世紀後半のフランスで生まれました。色をあまり混ぜない明るい画面、大胆な構図、粗い筆使いなど当時の絵画の常識からかなり外れていた為か、画壇からは相手にされていなかったようです。

印象派という呼び名も、モネの「印象、日の出」を見た新聞記者が揶揄すなわち、からかうためにつけた名前です。

日本人は、世界の中でも特に印象派絵画が好きな国民と言われています。以前、イギリスの工芸作家に好きな画家は誰かを聞いてみたところ、10人ほど名前の挙がった中に一人も印象派はいませんでした。彼によれば「イギリスでは、印象派は特にファンが多いというわけでもない」とのことでした。それに比べると私たち日本人は、西洋絵画=印象派と言って良いくらい好きな人が多いと思います。

ところで、「印象」という言葉からあいまいな、感覚的なイメージを受けるかもしれません。しかし、印象派は光と色彩の関係をきわめて理論的に捉えていました。後期の印象派(あるいは新印象派)のスーラは、光の捉え方を理論化し、1つ1つの色を分割する点描法でそのことを証明しました。

さて、研修の場で若い人たちの発言を聞いていると「あいまいで、直感的」だという印象を受けることが多々あります。彼らなりの根拠があっての発言かもしれませんが、残念ながら絵画の印象派のようなしっかりとした理論があるようには思えません。

理論の裏付けのある「印象」というのは、とても凄いことなのだと「オルセー美術館展」を観て改めて感じました。

※画像は「印象、日の出」クロード・モネ(Wikipedia パブリックドメインより)

(人材育成社)