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LPレコードの紹介(No.014) 藤沢嵐子名唱選

2016年06月15日 | LPレコード紹介

亡き父はレコードが好きだった。しかも今ではマニアしか聞くことがない「SP盤」が好きだった。そう、あの落とすと割れる、重たいSP盤で、源太郎がゼンマイを巻くと、「巻切るなよ。ちょっと手前の八分目ぐらいにしとけ」とよく言われたことを覚えている。源太郎には「竹針」でしか聞かせてくれなかった。父はもちろん金属針で、音の再生力は全く違がった。レコードが傷つくのが嫌だったのだろう。

そんなSPレコード盤はすでに捨てられてしまった。惜しいことをしたが、再生機が年代物で売っていたが、とても買える値段ではなく仕方ないことだと思う。

Mihoちゃんの亡くなった親父さんも音楽が好きで、クラッシックレコードライブラリーがあった。お嫁に来た時に解説本がついたレコード集の全巻を持ってきた。今でも二階の棚の中にしまってあるはずだ。

そんな中で、SP盤から復刻させたレコードがここにある。前に簡単に紹介した「藤沢嵐子」さんの名唱選。とにかく聴きほれるレコードだ。ではレコードの解説を引用させてもらう。


 「藤沢嵐子」タンゴを日本人が語るところには必ず出てくる名前です。「藤沢嵐子」は日本人のタンゴ歌手としてただ一人、本場アルゼンチン制覇の偉業を成し遂げたこと、そして日本でもこれほどまでにタンゴが愛好されていることを認識させたことでその功績をたたえられている、わが国ポピュラー音楽界が世界に誇れる歌手の一人であります。
 「藤沢嵐子」は戦争直後の1949年頃には一時歌謡曲を歌って放送などに出演しておりましたが、1950年、早川真平とオルケスタ・ティピカ・東京に参加、タンゴ歌手としてのスタートを切りました。そして早川真平やタンゴ評論家の高山正彦らのアドバイスを受けて、曾て日本の歌手たちが歌ったことのない曲を次々に手がけて、またたくうちに自分のレパートリーとしてこなして行きました。
 1953年、早川、藤沢夫妻にピアニストの刀根研二の三人は本場のタンゴを学ぶべくアルゼンチンに渡りましたが、ふとした機会に本場の人達の前でタンゴを歌うことになりました。その結果、空前の大反響を呼び起こし「嵐子は日本人ではない」「誰かが日本人に仕立てたのだろう」などと様々な憶測が乱れ飛んだほどでありました。
 その後、数次にわたる渡航をかさね、1964年には早川真平とオルケスタ・ティピカ・東京とともにアルゼンチンをはじめ中南米各国の演奏旅行に出発し、その成果のすばらしさはポピュラー音楽界に大きな話題を呼びました。
 1951年秋、日本ビクターより「さらば草原よ」(A-5025)でデビュー、レコード界に進出しました。それとともに「藤沢嵐子」「早川真平」とオルケスタ・ティピカ・東京」の名前はあちこちのリサイタルの看板に、ラジオ番組に見られるようになり、多くの「ランコ・ファン」を生み出しました。
 1952年には「オルケスタ・ティピカ・東京」にクラシックのヴァイオリン奏者で有名な岩渕竜太郎を迎えて話題を呼び、さらにビクターのレコーディングのときにはバンドネオン奏者の坂本政一をはじめ当時、スター・プレイヤーといわれた人達を積極的に加えて、最高のメンバーによる最高の音を・・ というマエストロ、早川真平の方針で「藤沢嵐子」の抜群の歌唱力とともに名演レコードが次々に生まれて行きました。
 1977年6月に発売されたビクターの「日本のジャズ・ポピュラー史一戦後編」のなかで「藤沢嵐子、早川真平とオルケスタ・ティピカ・東京」の演奏による16曲が紹介されるや各方面に大きな反響を呼び起こし、「あのすばらしい・・ そしてなつかしい歌声をもう一度・・」「私の青春を蘇らせた・・」等の賛辞が寄せられました。ことにタンゴ愛好家からもっと多くの曲を再発売してほしい・・」という声が寄せられましたので、ここに32曲収録のLP2枚組のアルバムが組みあがりました。

 1951年、ビクターよりデビュー当時のオルヶスタ・ティピカ・東京のメンバーは次の通りです。
 指揮・バンドネオン 早川真平
 バンドネオン    関塚大八郎 薗部勇
           前田照光
 ヴァイオリン    高珠恵 山田早苗
           赤掘文雄
 ピアノ       刀根研二
 ベース       笠原喜三郎
 バンドネオンには池田光夫も準レギュラーで参加していました。ヴァイオリンの山田早苗は現在ある商社員として活躍、南米との交流をつづけていますが、当時編曲者として「アデ・オス・アンヘンティーナ」「リラの花咲く頃」などを手がけ、放送などで「ママ、恋人が欲しいの」では藤沢嵐子とディユエットをつとめたこともあります。(解説・蟹江丈夫)


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