「おい、ラウラどこにいる」
沈黙
「見つけたぞ」
本人はステルス潜水艦のように、白いお布団に紛れていたが、潜望鏡のような目が開いた瞬間、発見される。
「おい、起きろ」
「やだ」
「それならこれでどうだ」
「やめてくれよ。それだけはご勘弁」
「しょうがない。起きるか」
と言いながら、また深くお布団に潜っていった。
甘夏の花。
「Voici des fruits, des fleurs, des feuilles et des branches」
「受け給え、ここに果実と花と枝とこそあれ」ポール・ヴェルレーヌ詩集より